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やる夫まとめ劇場(仮)

自分が面白いと感じたやる夫系スレをまとめるサイトです。長編を多めにまとめていきたいと考えていますので、時間がある人はどうぞ。
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やる夫は鎌倉幕府を成立させるようです 第七幕 「北条政子」 その8

918◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:37:17 ID:0tugjlTk
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                                             │
                                             │
                                             結
                                             論
             │                                   か
             │                                   ら
             北                                   い
             条                                   う
             時                                   と
             房                                、
             は
             父
             親
             が
             嫌
             い
             で
             あ
             っ
             た
              。


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919◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:38:33 ID:0tugjlTk
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     ――卑劣な父が嫌いであった。卑屈な父が嫌いであった。


                        ――陰謀に口元を歪ませる父が嫌いであった。


           ヽ ヽ、i `7     ´       |ト:::l/l::::::|  }:::::::l::::i| |
            ヽ  .l/            ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| `
               ヽ、 -          l   〉l、|:::::|i::::::l::::|
                ヽ`                /   .li:::lト:l::::l:l|
                 ヽ ‐、ニ= ‐      /    lヽl-ヽl::l|
                  ヽ ー       /  ,. r '´    ヽ、
                      l、    ,.  '" ,.  '´        ヽ
                    `ー‐ ' r1,. '´         ,. ‐ ' ´ヽ.,
                     <´ i'´      ,.  ‐ ' ´,. ‐ ' ´::::::::ヽ
                      lヽ|.l    ,. ‐'´,. -‐' ´:::::::::::::::::::::::::::::',
                       | | l| /,. r '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
                     |/ / /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l


  ――悪を悪と知りその上で悪をなす父が嫌いであった。


                     ――要するに父が嫌いであった。


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920◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:39:30 ID:0tugjlTk
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      ――居なくなればいいと思った。


                      ――アレが父であるということを恥ずかしいと思った。


             ――死んでくれとさえ思った。


                   l  ,     |//ィ '| |
                   ヽ '-     / l、Ml7
                    \ ̄゛  /__ /ヾ
                       ー '       /  ー  、
                       /== ̄ ̄ ̄ ̄       ヽ
                    /                  \__
                   /                      ヽ
                     |                        l
                  |                        \_
                  /                           \
                 /                              l

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922◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:40:33 ID:0tugjlTk
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓



                 ――そう思った。



                 ――そう、思っていた。



                 ――かつては、そう、思っていた。



                 ――この日までは、かつては、そう、思ってた。



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924◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:44:11 ID:0tugjlTk
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      忘れもしない、その日は、
      乱後の後始末の最中、兄の甥の太郎泰時が、
      宮方の残党が高山寺に居ると聞いて出向いた日だった。


      ひどく暑い日だった。


.              l:.:.ハ:.ト、ヘ ___`__ l,ィ: :/V
        r 、 iヘ   ヘヽl:ト.ヽヽ'__` 7 イ レ'
      r 、 ヽヽ l .i    ヘl:`´ヽ.丶、__ .>'/         ,-、 iヽ ._
     _ \\〉 ` l /7 `ヘヘl` ー- ィ           ヽヽ l l .l l
     `、`ー`    ` /,、-、....--l    l,、          , 、 i ' l// ,‐,
       ¨¨l  ヽ、  ノ'  ヘヘ   ヽ--、 ,ヘ`ヾ 、-、     ヽヽ、  `'/
         ヽ.   i´   ヽヽ   ` - ..ノ   i i ヽ      ヽ ヽ  i
.          l   l   、  〉〉      i l   l l ヽ     `/  , '
.          l   l   ヽ//      .l l  ヽゝ ヽ    /  /
          i   l  /ヘ/ノ       .l l    .l  \  /  /
          i    l ∧¨ '   , ---_」 `ー-、 l   `/  /
         i    l/  l , ' , :-::::'::¨::::::::::::::`::>、ヽ、  '    /
         l    .l   l/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::l ' ノ ヽ    ノ


       いくら頑強な坂東武士といえど、彼ももう五十手前である。
       暑さはこたえるものだ。

       だから、妙に浮かれたように地に足がついてないかのように
       ふわふわととりとめのない甥の事を、

       “今日も暑かったからな”にくらいしか思わなかった。

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925◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:46:58 ID:0tugjlTk
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 ハト、::!:ヽヽ   r‐‐‐1 /  !        !      /
. {  ヽヽ `ヽ、 弋__ノ,.'  .::|:. :::. /ノ     /
 ヽ    | {ヽ_`_7   ::::!:::.{:::://{      イー‐.、
.  \__  `ー―‐〃    :::!::::∨   ヽ   ノノ   └ 、
   /  L    ノ       ヽノ       ,イ   ./  1
  ノ  ./ヽ     r―― ' ´       Y    /    イ、
f´   {   .\    {     _ - 、    \__.ノ  /  }
    ヽ.    \  `ー‐‐'´    `ー '´`ヽ \__/   ノ


       甥の話は続いた。何を言いたいかよくわからなかったが、
       甥が何か強烈に訴えたいことがあるということだけはわかった。

       最初は、また女の服の裾は長く有るべきか短く有るべきか
       どちらが天然自然の理であるかを悩み始めたのか。

       それくらいにしか思わなかった。

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931◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:50:33 ID:0tugjlTk
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       だが、彼はその話の断片を拾い集めてくるうちに、
       少しづつ、少しづつ、寒気を感じ始めた。。
       気温はまだ、蒸すほどに暑いというのに。

       目の前の甥が言っていることが、

       ヽ /  ヽ:|  l           :::::::::::i::::::/::/l:/::;-∨::::ハ::::
        /    ヽ ノ           ::::::::::u://::;;;/─'''\::/ |/
              l            ::::::::::::::::/: : : :/ ̄⌒```
              \      _,,, -‐っ::::::::/.: : :/ : : : : /..: : :
               `ヽ、、   ヽ-‐''' ̄::::/..: : : :/: : : : /.. : : : : :
                 /`>ー----、:::ヾ:、: : : :/: : : : / .:: : : : : :
                /  .:l: \: : : l/`::::l: ヽ: /: : : : / .:: : : :/: :
                l  .: :|: : :/>: :|_,,,,ノ : :∨ : : : :l : : :/: : : :
                | :. : : l: // : : l;;;、''´ : : : : : : : :/ .:/: : : : : :
                > :ヽ: l/: :\: :l;;;ヽ: : : : : : : : :( ''': : : : : : : : :
               r''′ : :ヽ : : : : :`ヽ、l : : : : : : : : :|  : : : : : : : :
              ノ    : :ヽ: : : : : : :(:: : : : : : : :l: :l : : : : : : : : :
              /    : : : :\: : : : : :ヽ : : : : : : :∨ : : : : : : : :
             /    : : : : : : ヽ: : : : :ヽ : : : : : : :l .  : : : : : : : :
             /    : : : : : : : :丶 : : : :ヽ : : : : : :l :: : : : : : : : :
            <    : : : : : : : : :∧: : : : :ヽ : : : : :l : : : : : : : : : :

        だんだんと分かり始めたからだ。


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933◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:53:58 ID:0tugjlTk
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     曰く、“我々は正しく有るべきである”


                        曰く、“人間は本来正しきものである。”


         曰く、“この世界は皆が道理をわきまえ正しく生きれば正しくなるのである。”


.l:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:',                  '           . /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ l:.:.
..l:.:.:.:.:.:.l\:.:.:.:',                i            /:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:/ .l:.:.:
 l:.:.:.:.:.:l 、.\:.:',              !           /:.:_,.イ:.:.:.:.:./ l:.:./
  l:.:.:.l、:\ヽ ヾ',       /二二二二二ヽ      . /_,..‐'/:/l:.:.:.:.:/ .l:./
  l:.:.l.ヽ:.:`:ー-、`     . / /      \ ヽ   ./´/'""´/V:.:.:/   !'
   l:.:.l 〉:.:.:、:.:.ヽ     . l゙゙l           l゙゙l    /:.:,:.:.:/ . l/
   ヾl´ ヽ:.:lヽ:.:.:l\   .l .l           l .l  ,イ:.:,イ:.:/   ' `ー、
_,..-‐''"ヽ .ヽl .ヽ:.:l  \ .\\____//./ /:./ l:/        ヽ_
       `! ヽ:l   \ `ー――― ´./  l:/   !'        `ー


               曰く、“三宝を敬うべきである”


          曰く、“三宝を敬わなかったからこそ上皇は敗れたのである”



           曰く、“我々が勝てたのは神仏のおかげである”



       曰く、曰く、曰く――


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938◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 21:56:44 ID:0tugjlTk
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           “そうか”、と彼は答えた。


                  別段良くある思考だ。別に間違っても居ない。


         ただ甥がそれを何故自分にこうも主張するのか。


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  |__|__||‐||:::::::::::::::::::::::::::::::.        ||__|__|__|_||__|__|_
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.        ||゙;||////////////////////||           ||
  ;;;;;;;;;;;;;;;;;||三.三三.三.三三.三三.三三||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


               それだけがよくわからなかった。


             その日は、わかろうという気もしなかった。


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941◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:01:43 ID:0tugjlTk
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     次の日から、

               甥は暇を見つけては誰かれ構わず自分の考えを説いて回った。


       あまり真面目に聞いている人間は居なかった。
       大将殿はどうなされたかといぶかしむ者がほとんどであった。

                      だから彼も、まあ、疲れであろうと。
                      少しは休ませてやろうと、
                      それくらいしか思わなかった。


                            ((_),_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,,_,
                           /   丶;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、
   ,i'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,((_)    /      \;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、
  ,、_、_,、_,、_,、_,、_,、_,、/ ヽ  /         \;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、
  7|L;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;j/|i'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,'二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,二,_,
   |L;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;j/|\;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、
   |L;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;jL;j/| :.:|\;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、;;;`、
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944◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:05:51 ID:0tugjlTk
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      やがて、怪しげな僧が出入し始めた。

      糞掃衣と言うにふさわしい草臥れ、床を拭けば千切れて無くなりそうな襤褸、
      そんな乞喰そのものの僧が出入し始めた。


           |      /        /|: : :! ,,,,   、   ,,,, |ノハ: : |: : ∨_/\_
               !    /      /ヽ|: : :|   rァ──┐ //:l: リ:: :/ \    /
            l    |     ,イ|: : :\::ミ- |::::::::::::::::l /|j|: ::|/:/   |/\|
            \        ||: : : : :\|`ヾ= =='イ/|/:: :/
              |\_, ヽ  //: : : : : :\\=====イ/l ∨  ☆
              l: : : : : \__//: : : : __: :/ー\ニニ/ .\}      ___
              ヽ: : : : : : //: : :_,,く_/     \    /ハ\r=、/r‐、:::ハ
               \: : : ://-''"  \       \__,/-イ  ゞ/::::::|  }:::::|
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                             \/:::::::::::|::/
                               ̄`ト-/´
                                   ト='l
                                 〈__ノ

     呼んだのは甥らしい。

     高僧とか言う噂であるが、彼はあまり神仏に思い入れがなかった。
     だから、どうでも良かった。


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947◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:07:08 ID:0tugjlTk
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       ――だって、神仏が居るのであれば――





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950◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:09:47 ID:0tugjlTk
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      ある日、彼は甥に呼ばれた。

      酒でも呑むのだろうかと、宇治川で取れた魚を焼いてもらい、
      それを手土産にホクホクと甥の部屋に向かった。


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  |__|__||‐||:::::::::::::::::::::::::::::::.        ||__|__|__|_||__|__|_
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.        ||゙;||////////////////////||           ||
  ;;;;;;;;;;;;;;;;;||三.三三.三.三三.三三.三三||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

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951◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:13:48 ID:0tugjlTk
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      甥の部屋には、例の襤褸雑巾が居た。

      時房の手元の焼き魚に少し顔を硬くした後、
      自分の名が明恵坊高弁だと名乗った。

      聞いたことくらいはあった。
      華厳宗の大家。貴族の間では徳の高い層として何度も名前に上がり、

      この僧侶に儀式を執り行って貰うことは貴族の間でちょっとした自慢であったほどだ。


                 |: :|: ,'  /     ''''  //: : :| : : :|/: : : : : : : : :
                 li: lハ  `__       /イ: ://: : : :l: : : : : : : : : :
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955◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:18:35 ID:0tugjlTk
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       流石に、僧の目の前で焼き魚を食うわけにも行かず、

       どうやらとうとう自分に対して布教でも行なおうとしているのかと、
       些かうんざりしながら、時房は彼らの目の間に座った。


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┼┼┼┼┼┼┼┨",;.:":;~":;、,゙",;.:":;~":;、,",;.:":;~":;、,゙",;.: ;.~:'゚;、,┠┼┼┼┼┼┼┨
┼┼┼┼┼┼┼┨_________________.┠┼┼┼┼┼┼┨
┼┼┼┼┼┼┼┨○ 二≡=≡ 三≡三 =≡◎三.○:. .┠┼┼┼┼┼┼┨
┼┼┼┼┼┼┼┨二≡= : 三..三  ≡ ◎ 二 ≡◯二 三=:┠┼┼┼┼┼┼┨
┷┷┷┷┷┷┷┛=================================┗┷┷┷┷┷┷┛==

                   ________
                    /          /|
               iニ二二二二二二二l/!
               |_|,l           |_|,l

       精神的慰めを宗教に得るなとは言わないが、

       これは少し行き過ぎだろう。


       ――その程度だった、この時までは。


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958◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:23:16 ID:0tugjlTk
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      聞かされたのは、いつもどおりのご高説であった。
      内容はほとん不ど覚えていない。

      覚える気もなかった。
      こう言うのははいはいと聞き流すに限る。


.              l:.:.ハ:.ト、ヘ ___`__ l,ィ: :/V
        r 、 iヘ   ヘヽl:ト.ヽヽ'__` 7 イ レ'
      r 、 ヽヽ l .i    ヘl:`´ヽ.丶、__ .>'/         ,-、 iヽ ._
     _ \\〉 ` l /7 `ヘヘl` ー- ィ           ヽヽ l l .l l
     `、`ー`    ` /,、-、....--l    l,、          , 、 i ' l// ,‐,
       ¨¨l  ヽ、  ノ'  ヘヘ   ヽ--、 ,ヘ`ヾ 、-、     ヽヽ、  `'/
         ヽ.   i´   ヽヽ   ` - ..ノ   i i ヽ      ヽ ヽ  i
.          l   l   、  〉〉      i l   l l ヽ     `/  , '
.          l   l   ヽ//      .l l  ヽゝ ヽ    /  /
          i   l  /ヘ/ノ       .l l    .l  \  /  /
          i    l ∧¨ '   , ---_」 `ー-、 l   `/  /
         i    l/  l , ' , :-::::'::¨::::::::::::::`::>、ヽ、  '    /
         l    .l   l/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::l ' ノ ヽ    ノ


       僧の方も何か言っていたが、そっちは難しすぎてよくわからない。

       それに気づいて、なるたけ簡単に言い直し始めたが、
       尚更わからない。

       果ては、仮名書きの仏典まで持ち出して解説し始めたときは、

       もう勘弁してくれと言いたくなった。
       これならまだ浄土宗の教義の方が分かりやすい。
       三行で済んでしまうから。


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967◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:28:27 ID:0tugjlTk
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       とうとう、時房は目を開けたままうとうとと寝入り始めた。

       明日も忙しいのだ。
       ただでさえ休む時間もないのに、
       貴重な時間を坊主の説教で削られたくもなかった。

       だが――、


                 ――“~~~~から滅びたんだ”――


       甥だったか、明恵坊だったか、どちらかは忘れたが、

       その一言で、彼は目が覚めた。


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972◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:30:34 ID:0tugjlTk
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                      「今、何と言った」





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978◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:33:43 ID:0tugjlTk
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓


      甥は、いつもは冷静沈着な叔父の、
      地の底から搾り出したような声に戸惑いながら、


                `i、|ヽ::iケゝ.      ∪ .,レ''i、l゙::::り
                 `\`!,,゙l,!,゙l、<     .ノ  、レ`,ャl
                   `'゙l、ヽ   つ    .,r゙.[ ,l゙`
                       `ヽ、    ,,,,,,,,}l―'i
                        `'二コ、 |ヽ       l
                       l'"`  .|  | .゙l  .,/`ー--、,,
                          l゙ ゙l、y/,,,-" .゙l/      `'-,
                       ,|-j" ト‐'|        丿   ヽ
                        _/ ゙l, .| .)       丿     ヽ
                       ,/`   .ヽレ゙      ,  /`      .゙l
                   ,l゙     `        | │       |
                      l゙!                ゙l |        , !
                      !.゚‐             `l゙           l


      もう一度繰り返した。


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983◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:36:27 ID:0tugjlTk
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          ――“だから、祖父上も、源家も、上皇も、滅びたんだ”――





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1000◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:39:24 ID:0tugjlTk
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     “民の事を考えなかったから”


                             “無闇に人を殺したから”


                   “三宝を敬わなかったから”

                ・ ・ ・ ・ ・ ・
               “間違っていたから”

                              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
                             “正しくなかったから”


           “道理を弁えなかったから。”


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12◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:42:12 ID:0tugjlTk
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                      “だから滅びたんだ”



                 “正しく生きれば、必ず正しい結果になる”



            “皆が正しく生きれば、この世界は素晴らしいものになる”



            “結果が悪かったのは、行いが道理に背いていたからだ”





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18◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:43:46 ID:0tugjlTk
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              “この世界を、人を信じなかったから、滅びたんだ”





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25◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:45:19 ID:0tugjlTk
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                      タ  ダ  シ  ク
              “人は、阿留辺幾夜宇に生きるべきなんだ”





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32◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:49:04 ID:0tugjlTk
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      時房は暫く何も考えられなかった。
      考えたくなかった。

      傍らの明恵坊は、誰かを批判するべきではないと甥を嗜めていたが、
      大意において同意しているだろうことは見て取れた。

      そして目の前の甥は、
      正しく振舞ったお陰で起きた出来事を、

      天女にでも会ったかのように、
      天女は半裸か否かを足利殿と真剣に討論している時よりもっと真剣に、
      時房に語り始めた。


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44◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:53:22 ID:0tugjlTk
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      曰く、どの寺社に行っても上にも置かぬ扱いをしてくれる。


               曰く、どの貴人も自分を丁重に扱ってくれる


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  |__|__||‐||:::::::::::::::::::::::::::::::.        ||__|__|__|_||__|__|_
  |__|__||‐||::::::              ||__|__|__|_||__|__|_
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  ;;;;;;;;;;;;;;;;;||三.三三.三.三三.三三.三三||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


             曰く、これは徳である。


          曰く、徳があるからこそ皆にそれが通じるのである。


                    曰く、徳があればよい結果が帰ってくるのである。



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51◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 22:56:06 ID:0tugjlTk
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              きぃんと言う音を聞いて、時房は気が遠くなった。



              そして、少年の頃の光景を思い出した。



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65◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:00:18 ID:0tugjlTk
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      父はその日酒を飲んでいた。
      強かに飲んで酔っていた。


                l八:r'′            |`ト:::l:::ノ| トハ}::::::l:::::::::::::|
                  |ヽ丶           ノ八:ノイNxくノ :l:::::l::::::::::::;
                  | _.. _           ノ´__ ノ.:l:::::l::::::::::;
                  :. ´_、  `¨            .イ:!:::::l:::l:::::l::::::::;′
                                / 从:::::|::|:::::|:://
                   i                 /  ヽ|::|::::〃'
                   人       .......:::´   /   ハハ:::{_i_
             _______≧=‐=ニ二:::::::/        _}_ト、::::ト、
         ,.....::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/`Y´ ̄     _ . -‐ ¨ ̄ ∨.:::.\
        / .: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   !  ,   ´        /.::::::::::::.`:::...、


      父は女を嗜まない。女は他家と繋がり、子を作る手段であるからだ。
      父は酒を嗜まない。酒は貴人に取り入る手段であるからだ。
      父は賭を嗜まない。人生そのものが博打だからだ。


      そんな父が酒を飲んでいた。酔っていた。


      ――珍しいから、よく覚えていた。


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74◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:04:10 ID:0tugjlTk
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      酔っていたのか、珍しく陽気に少年の時房を呼び寄せると、
      父は、



             ――“なあ、五郎、この前京に行ったんだがな”――


            i:::::::i   、 ,     〃i:/ .i::::i                          / .j 7 i i  .i .|
            ヾ:::ヘ  _ _,     ノ:'::::i                    / i/ 7 .i  ノ ノ
             リヽ:',       /::i/::i:|                    /,, ,   i‐'´〃
               ヾ:、    イ::::::, --,リ  __              r'i      _,y'
                  丁 , -'/  / ̄  / ̄`'-、           /i',    ,-'"
                /-,   /  _ノ     ./      ヽ        /  ヘヘ---'≠
               /:::::::オ, ≠/ /    ./    -=、ヘ_      /    ヽ-'" /
                  //:::/  7  >,.i    ./     /    ̄7√        /
                 〃 j::i   7   .7 .',   ',   , i   i:   :i /        /
              /.7/:::i   i   ./ i .',   ',  i:: ;:  i:    ',      /
            フ .7/:::::|  i   / i   ',   ',  i:::ヘ  i::.....  :.    /


          ――“俺は京の連中に何と呼ばれたか知っているか?”――



      そう言った。
      俺は何も返さなかった。父が嫌いだったから。

      母を蔑ろにする父が嫌いだったから。
      子を蔑ろにする父が嫌いだったから。
      彼を蔑ろにする父が嫌いだったから。

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78◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:07:00 ID:0tugjlTk
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                     ――“北条丸、だと”――



          ヘ ',:::ヘ|:::::::::l:::ヘ::ハ:::::\|:::::::::::\:::::::\:::::::::::::::::::::/:|:::::::::/:::::::
           ', \:ヘ::::::|ヽ:::ヘハヽ:::::`ヽ_::::::::::\:::::::\::::::::::::/::::|::::::/:ヘ:::::
            ',  ヽ',ヽ| ヘ\::::ヘ \:::ヘl`ヽ:::::::l\::::: l::::::: /`ヽ|:::/::::::::ヘ:
          __ヽ ./ヘ .ハヘ:l \:ヘ. \ヘ  `ヽl::::::\::\::l\::::|/:::ヘ\:::
          `ヽ ̄./ ハ:::',ヘ..  `ヽ.  \   `ー-l:::\::\:::\   ',|ヽl
              /.    \ ハ               l:::::::..
          .   /       `ヽ              l:::::::::::...
            /         ヘ    __   `ヽ  _/:::::::::..  ,
          . /          /'';;\  \________,//
           `''ー-=,,,_   /   ';;;;;\   ``'ー- -――‐ ´ノ
                '/     ';;;| .\  ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´    /
             , r ' ´          |.   \  ー――       イ;;;
            K              | .     \         /;;;;;;;;
              ∨          |       \      ,イ''''''''
          .     ∨          |    ,r‐='`ー― '`ヽ
                ∨          |   /;;'ヘ . / / / /\



                ――“人じゃぁないらしいな、俺たちは”――



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90◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:11:41 ID:0tugjlTk
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      綺麗な月の下。

      父はそう言って弾けたように笑いだした。
      ひょっとしたら、啼いていたのかも知れない。



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    ''''-,,、 __:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    -ー'""::::::::::::::::::::::::::::::::::::,;´""'';,, ,,,`,-;;ー,,,,,__,;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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    ::::::::::::;;:::;:;;::;;:::::::::::::::::,,, -'"    ; ; ;,,-''"  ~"''- ,,,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::ミミ::::::
    __,,,, -(;);)(;);;)--'''""~               ; ; ; ;~'''-- ,,,,,,,, -'''''"ミミ~'⌒ヽ ,,,::ヽ::
        (;,(;,(;,(;,)     ; ; ; ; ; ; ; ; , , ,                    ⌒ヽ ⌒ヽ; ⌒


      その日の時房は、父を憎む子供らしく、
      凹む父を見て胸がすく思いでもあり、
      同時に、何か妙な居心地の悪さを感じていた。


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99◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:16:45 ID:0tugjlTk
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      そして、其の日の遥か後。
      時房もまた、父と同じ壁に衝突した。


                ゴォォーーーッ!!       : 丿  \ \.
                                 ,_ ゛''=;- .,_\  \\
                             ---__=___゛‐ニ‐- ゛`゛'-' \゙i
      ,  ,r'`w-''´,  ,r       /`゛√,  ,r'`w-''´゙i  _-__-____    J゙i:
       ゙̄i ̄ ̄ ̄" ゙̄i ̄ ̄ ̄ ッo ̄ ̄ ̄ ゙̄i ̄0 ̄ ̄:            ′゙i,.
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                               ゴォォーーーッ!!   ゛`゛'-''i| ::  /| / .


      昔開かれた上皇御前蹴鞠会において、時房は誰よりも上手であった。
      それは金吾将軍と共に磨いた腕であり、
      上皇も特にこの腕を褒め、

      誰一人賞賛せぬものは居なかった。

      時房は思った、見たか、と。これが今は亡き金吾将軍の技である、と。


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108◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:20:26 ID:0tugjlTk
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     だがいざ表彰される時に至って、
     数多の貴族らが反発し始めた。



        曰く、身分が低い。


                           曰く、技が正当ではない。


                曰く、そもそもあれ人じゃなくメ――


           曰く、


                                   曰く、


                     曰く、



     結局、上皇のお褒めはあったが、表彰はされなかった。


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123◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:26:52 ID:0tugjlTk
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            ――ああ、父の言っていたことは、これだったのか――





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129◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:29:36 ID:0tugjlTk
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     金吾将軍の形見の鞠を涙で濡らし、
     その日はただ啼きに啼いた。

     蹴鞠のことに留まらず、身分の低さ故の障害は多岐に渡った。

     だから右府将軍に三位を寄越せと言った。
     官位をくれといった。
     公卿にしろといった。


                  ̄` ̄`\:|:/       ′   、   ∧!/
                      \|\       _    /  ′
                      _{i       ´   /
                     // `\  > _ イ
                  _,、-;'´;;;i     `ー 、, _ノ iヽ、
              _,、-;;"´;;;;;;;;/;;;;;l      /ヘ l;;;;;ヘー,,、
         _,、-;ー'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;ヽ    /::::::::∨;;;;;;;;ヘ;;;;;`';;;;;;;、_


     さすがにそれは無理だったが。


     そして、時房はある疑問を抱き始めた。


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139◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:33:16 ID:0tugjlTk
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       ――もし父が居なかったら、自分は何と言われていたのだろうか――





             ――父は、どんな生き地獄に居たのだろうか――





――如何な憤懣を覚えたのか、如何な憤怒を耐えたのか、如何な苦渋を舐めたのか――







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145◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:35:53 ID:0tugjlTk
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                ――それを、正しくないと言うのか――



                ――それを、間違っていたというのか――



                         ・ ・ ・ ・
                ――それを、無かった事にするのか――





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150◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:40:34 ID:0tugjlTk
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     梶原景時は誰に殺された。何のために殺された。
     金吾将軍は誰に殺された。何のために殺された。
     畠山重忠は誰に殺された。何のために殺された。
     和田義盛は誰に殺された。何のために殺された。

     父が殺した。兄が殺した。俺が殺した。北条が殺した。

     北条の為に死んだ。北条が先に進むために死んだ。
     人になるために死んだ。そのために殺した。

     殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した!
     殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した!
     殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した!
     殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した! 殺した!


     北条が北条の為に殺した!


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158◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:45:06 ID:0tugjlTk
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     意識が戻る。
     説教が続いていた。


..l:.:.:.:.:.:.l\:.:.:.:',                i            /:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:/ .l:.:.:
 l:.:.:.:.:.:l 、.\:.:',              !           /:.:_,.イ:.:.:.:.:./ l:.:./
  l:.:.:.l、:\ヽ ヾ',       /二二二二二ヽ      . /_,..‐'/:/l:.:.:.:.:/ .l:./
  l:.:.l.ヽ:.:`:ー-、`     . / /      \ ヽ   ./´/'""´/V:.:.:/   !'
   l:.:.l 〉:.:.:、:.:.ヽ     . l゙゙l           l゙゙l    /:.:,:.:.:/ . l/
   ヾl´ ヽ:.:lヽ:.:.:l\   .l .l           l .l  ,イ:.:,イ:.:/   ' `ー、
_,..-‐''"ヽ .ヽl .ヽ:.:l  \ .\\____//./ /:./ l:/        ヽ_
       `! ヽ:l   \ `ー――― ´./  l:/   !'        `ー


     まだ甥の説教が続いていた。


     誰かの血肉を積み重ねた血座布団の上で、


     甥は一向正しきことの説教を続けていた。


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162◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:49:02 ID:0tugjlTk
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                          ゲラゲラ





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170◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:52:20 ID:0tugjlTk
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                     ,-、 nn               ,-、 nn
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179◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:55:39 ID:0tugjlTk
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓


      何も答えず、時房はただ嗤った。
      二人とも面食らった顔が可笑しくて、時房はただ嗤った。


      嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って
      嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って
      嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って嗤って

    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::γ'"~~"' 丶::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、:::: ::  ,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(,.,;.,~-ー ''''~ ̄:::::::::::::::::::::::::
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    ''''-,,、 __:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    -ー'""::::::::::::::::::::::::::::::::::::,;´""'';,, ,,,`,-;;ー,,,,,__,;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'''''-ー''"""''-ーー ''~:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-"""~"''- ,,  ,,,,,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミミミ:::::::::::::::::::
    ::::::::::::;;:::;:;;::;;:::::::::::::::::,,, -'"    ; ; ;,,-''"  ~"''- ,,,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::ミミ::::::
    __,,,, -(;);)(;);;)--'''""~               ; ; ; ;~'''-- ,,,,,,,, -'''''"ミミ~'⌒ヽ ,,,::ヽ::
        (;,(;,(;,(;,)     ; ; ; ; ; ; ; ; , , ,                    ⌒ヽ ⌒ヽ; ⌒

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184◆OSXMqpvhvA2010/10/11(月) 23:58:35 ID:0tugjlTk
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           ――父が何時だって、北条の家の為だけに生きた事と――





              ――何故源氏が一族で殺しあうかの意味を――





                 ――その日時房は噛み締めた――





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190◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:07:36 ID:ZACQIyWs
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        ――こんなの、こんな事になったの、



                     源氏みたいに殺し愛う以外どうしろってんだ――





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191◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:09:24 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
  NヽN`              `゙、
.、Nヾミ                i
 ヾミミ、       _,.ィイ八、     !
  ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_        承久の乱の後、九条道家は摂政を罷免され、
     {F|! '、辷゙iニ{´'_辷,゙ ゙!r'-r,^、i           後鳥羽上皇らの挙兵に反対した近衛家実が摂政に付く。
      l;j゙、_   ノ ヽ)、  ノ'  ゝ:'/           __   _____   ______
      `!  ̄ヽ '   ̄~´  ,'.,ィ'           ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
       i.   --一 、   ,' |            'r ´          ヽ、ン、
        ヽ、 `二ニ´  ./  ト、          ,'==─-      -─==', i   おお、良かったね近衛さん。
       ,..-i;:ヽ、   ,. '´  / ヽ、_        i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
    _,.イ´  j   ̄ ̄   /   ,i、゙ト-、     レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

             /´ .|::::::::::::::::: |.|:::| ',::|',::::::::::::::::|::::,'.  ヽ::',',::::::::::::::::|:::::|:::|::|
                !::::::::::::::::::| |::|  |:| ヽ:::::::::::::|:::,'   ヽ| ',:::::::::::::|::::|::::|::|
                  ',::::::::::::::.' |:|   リ  ヽ:::::::::|:/       ',::::::::::|:::,i::::::Y
                   ',::::::::::::|   !     ヽ:::: |´         ',:::::::|::,'::l::::::',
                 ヽ::::::::',          ヽ|  -=三ミ  ',::::|:,'ヽ.',::::::ヽ、
                   /.、:::',  x=二ミ l::l____l::l        |::|.レ´i  l:::<´゙゙
                 /,:::',ヽ,::', .       |;;ト.‐─l::L___ 」::| l/´/゙゙ `ヽ
                 ̄∠,゙.', |::L_,, ─彡  i  `────‐´. |_/::/
                     `トヽ─… ̄             ,':::::/
                      ヽ::',      、__,      /:::::::|
                       ヽ:'.,               /:::::|::::ヽ
                       /:::::`.....、        /i、:::::::\-ヽ
                      ///::::_/|'  ,   ,  '  / |:ヽ`ヽ`
                      ´ ./_,/: :|  \  `´   , '  |: : :ヽ. 、_ ,_ -─-. 、
                 , _ -── - ,':: ::|   \   /   |: : : ::ヽ: : : : : : : : : : : :`ヽ
                /: : : : : : : : : :/: : : |    `ヽ´    |: : : : : ',: : : : : : : : : : : : : :',

                           近衛家実

 ┏━━━───────────────────────────────────────━━━━┓
   近衛家実。近衛基通の子。当時40代。
 ┗━━━───────────────────────────────────────━━━━┛

199◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:13:21 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
  ト.l ヽ               l
 、ゝ丶         ,..ィ从    |    そして、西園寺公経は
  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |    内大臣、太政大臣、貞応2年(1223年)には従一位に昇進。
   `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ
.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ          __   _____   ______
    ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン          ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
      l     r─‐-、   /:|          'r ´          ヽ、ン、
       ト、  `二¨´  ,.イ |          ,'==i / イ人レ\_ル==', i   おお、出世出世。
     _亅::ヽ、    ./ i :ト、         i イi (ヒ_]     ヒ_ン ) ヽイ i |
  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、       レリイ   ,___,     .| .|、i .||
    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l         !Y!   ヽ _ン     「 !ノ i |
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                                    __
                              _ ,r:'::´:::::::::::::::::::``ヽ、
                             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                            ./::::;;;;;;r-‐、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                             ./::::i´    ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::
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                 ´    ,ハ /  ヽ  Y ヾ    _,  .!:::::::::::::::::::::
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                 ``ヽ-、',,,_     .l l´! /      : : `、: : : : リ
                       ``7-ァ ,r! !.|./        : : : ∨: : :
                          i  ソ  ./ i  _,,ノ   : : : : :i: : : :

205◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:17:15 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
  NヽN`              `゙、
.、Nヾミ                i   西園寺公経は、関東申次役と言う、関東と朝廷を結ぶ役を負う。
 ヾミミ、       _,.ィイ八、     !   ただ、この体制にはかなりの問題があった。
  ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_
     {F|!  ̄ ゙iニ{'´   ゙̄!r'-r,^、i          __   _____   ______
      l;j゙、_   ノ ヽ)、  ノ'  ゝ:'/         ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
      `!  ̄ヽ '   ̄~´u ,'.,ィ'          'r ´          ヽ、ン、
       i.u  ___     ,' |          ,'==i / イ人レ\_ル==', i  うむ? 問題?
        ヽ、 ´ -- ``   ./  ト、            i イi (ヒ_]     ヒ_ン ) ヽイ i |
       ,..-i;:ヽ、   ,. '´  / ヽ、_        レリイ   ,___,     .| .|、i .||
    _,.イ´  j   ̄ ̄   /   ,i、゙ト-、        !Y!           「 !ノ i |
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
              ,.::´:::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ               ,'ww::::::::/´゛゛""`、:::::::::::::{ニヽ
         /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`、             /:::::::::::::::;'      ';::::::::::::::::::::
        / .::::::::::::::::,!:::::::::::::::::::::::,::::::::::::... ',            ,::::::::::三三≧、__,≦三三::::::::::::::::
       ,:::::::::::::::::::/ !:::::::::::::::::::::!i:::::::::::::::::...',           /:::::::::|{//   /i:l i  // /}:::::::::::::::'
       .i:::::::::::::i|:/ ̄!:i:::::::::::::/|:戊:::i!:::::::::::: i          ,:::::::::::::|l/   / /:l 、// //ハ:::::::::::::::',
       .!::::::::::::!|' ___ lハ:::::::/ リ__ ',|i::::::::::::::|         /::::::::::::::ハー―イ::::t.、 `ー―' i:::::::::::::::l
.     ,ノ.::::::::::::iィrテ心、 `、:| ィチ心xj !::::::::::: i         i::::::::ww':::i    ヽ::::/      l::::::::::::::::l
     ⌒!::;ri:::::iゞ {`ー'} n_,h {`ー'}》|::::::::,:::iト、        、:::::::::::::::::l    ,-―-、    /:::::::::::::::;'
       ムヘ |ヘ:h `¨´ } r‐┐{ `¨´ ,ん!::/|、:{          ヽ::::::::::::::ヽ     ̄   ./:::::::::::::::/
        ム、_ゞ二ニニソ '' ヽニニ二ノ_j/,イ `ヽ          ヽ:::::::::::::i \      /i:::::::::::::::r'
           |:`、   、_ _,.     /:::ハ|             ', ::::::::::l: : ::>―<, へ、::::::::/
          ノ::::ヘ、        ,. イ:::::{                ヽ::::,へ: : : : :, -'´: : : /::::::/
        ´ ̄|/i人|` ..__.. イ人:|\rヽ               ,∨::/ `7: :∧: : : : :/ ̄ ̄ ー―――― 、
           /fヽ、   /i、 `           , ――一   ∨ 〈: :/  \/           /<  \
        _ ..ィ´..::i   `Y´  i:...`丶..        / /::         У               /  `  <ヽ

206名無しのやる夫だお2010/10/12(火) 00:17:21 ID:ElBXqo1g
>203

       (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   ハ   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /      \
   ハ   ( .',         ト───‐'      l::l ̄ ̄l     l        │
   ハ   (  .',         |              l::|二二l     |  ハ こ  .|
       ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ   |  ハ や │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r──―‐tl.   |  ハ つ │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  ! め │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l        |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ
       -‐'"´ ヽ※※※※※_,, -''"`''ー-、 _,へ,_', ヽ,,二,,/ .l
              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       `''ー-、 l      ト、へ

218◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:23:06 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
            /                |ノ
             |                 )/    まあぶっちゃけると二人とも仕事ができなかった。
              |          ,;';;,,    /ノ         __   _____   ______
            |::::.................:::::::::;;,'^;、::::::'''..,,_;、丿        ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
           /:::::::::::::::::::::::::::;"゙, /゙~゙`''::;'゙;           'r ´          ヽ、ン、
           `、;;::::::::::::::::;/ ),;'   :.'.,、           ,'==─-      -─==', i
.        ,へノ   `'''''"´   .:;     .:::_ヽ         i イ i /イ人レ\_ルヽイ i |
.      Y   \       .::;     ::::ゝ           レリイi rr=-,    r=;ァ.| .|、i .||    ……はい?
.     ∧    \     ::::::、   .:;`               !Y!""      ヽ  「 !ノ i |
.       ヽ丶    \;;  :::;;;;::..,,、. ::i                L.',.   / ̄'ヽ U L」 ノ| .|
.        `       \;;;;/    `゙"                  | ||ヽ、 'ー⌒ー'    ,イ| ||イ|
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
          /::::::::::::::::::::::::::::::\:::\              /::::::::::::::::::::::i´`'''' ┴ ''''´`i:::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::/::::: |:::/\:::::::::::ヽ::::ヽ            /::::::::::::::::::::::::l    i  i、  l::::::::::::::::::::::ヘ
          /::::::::::::i::::::/|:::Lノ \i:::::人:::::::           i::::::::::::::::::::::::::,'   ,ノ |  ! \_ V:::::::::::::::::::::ヘ
       ′ ::::::: |:::: | |:::|     |/V }::::::|          .l:::::::::::::::::::::::::ム<´      `.∨::::::::::::::::::::i
.       | :::::::::::: |:::: | ∨=ニミ   =ミ∧|          |:::::::::::::::_,,ィ´___   ___ゝ_::::::::::::::::l
       :::::/::::::八:: |   {{___}}⌒ト='{               .l:::::::::::::Y´   / `i⌒i´   /. `i:::::::::::::l
       ∨::::::(⌒l八 "  ̄r=::::、              .l::::::::::::|   ./   l |.l   /   |:::::::::::l
       厶イ:::::\   U  、:::_ノ  /           . .l:::::::::::::l   .ノ    / .! ト、 .ノ   .j:::::::::::|
         \::::::::::T^丶       /             .i:::::::::::::: |`<__ ィ   ! .l `<_ ィ |::::::::::::i
         ∠:::::r┴-    Tニ´              /:::::::::::::::::|       マイ       l::::::::::::::ヘ
          _ >{    \/ }             /:::::::::::::::::::::l      _  _       .l:::::::::::::::::::i
         ´   \   /大_厂 \          ./:::::::::::::::::::::::::!     / `´ \ U  l::::::::::::::::::::::i
      /       \_,// ハ.\  }         /:/::::::::::::::::::::::::ゝ            ,:イ:::::::::::::::::::::::l
      {    ヽ    〈__ノ し )/ ̄ ̄ ̄ ̄ 7  |,i::::::::::::::::::::::::::::::|\         , イ:::::::::::::::::::::::::::::|
      ;        /  //   「∨         /   i!|::;;:::::::::::::::::::::::::|  \      / .|::::::::::::::::::::::::::;;:|
      }     ∨   〈/   0 ∨         /    |:|ヤ:::::::::::::::::::_」     ` ー一 ´   .L:::::::::::::::::::::::i i!
      |     │    ,. -‐/         /     ヤハ厶斗匕乂乂          ノノヽ:、:::::::::::::l .|!

230◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:27:51 ID:ZACQIyWs
┏━━━────────────────━━━━┓
  西園寺公経の方は、今までまともに政権を運営した
  経験がなく、そのためのスタッフも存在しなかったらしく、
  関東申次の割にきちんと申し次ぐ事ができなかったらしい。
┗━━━────────────────━━━━┛

                         , r ヤ¨¨¨'':::一::::'''¨¨` '=-、
                       /:::::::::::::::::::::::::::: i::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                      /::::::::::::::::::::::i´`'''' ┴ ''''´`i:::::::::::::::::::ヽ
                     /::::::::::::::::::::::::l    i  i、  l::::::::::::::::::::::ヘ
                     i::::::::::::::::::::::::::,'   ,ノ |  ! \_ V:::::::::::::::::::::ヘ
                    .l:::::::::::::::::::::::::ム<´      `.∨::::::::::::::::::::i
                    |:::::::::::::::_,,ィ´___   ___ゝ_::::::::::::::::l
                    .l:::::::::::::Y´   / `i⌒i´   /. `i:::::::::::::l
                     .l::::::::::::|   ./   l |.l   /   |:::::::::::l
                   . .l:::::::::::::l   .ノ    / .! ト、 .ノ   .j:::::::::::|
                     .i:::::::::::::: |`<__ ィ   ! .l `<_ ィ |::::::::::::i
                    /:::::::::::::::::|       マイ       l::::::::::::::ヘ
                   /:::::::::::::::::::::l  U   _  _       .l:::::::::::::::::::i
                  ./:::::::::::::::::::::::::!     / `´ \ U  l::::::::::::::::::::::i
                 /:/::::::::::::::::::::::::ゝ            ,:イ:::::::::::::::::::::::l
                 |,i::::::::::::::::::::::::::::::|\         , イ:::::::::::::::::::::::::::::|
                 i!|::;;:::::::::::::::::::::::::|  \      / .|::::::::::::::::::::::::::;;:|
                    |:|ヤ:::::::::::::::::::_」     ` ー一 ´   .L:::::::::::::::::::::::i i!
                  ヤハ厶斗匕乂乂          ノノヽ:、:::::::::::::l .|!
              , - ''¨´       `ヽこ'''' ー─一 ''彡イ    ` ヽ !

                                   ┏━━━────────────────━━━━┓
                                     その為、暫く後には、西園寺公経ではなく、
                                     近衛家実と関東が直接交渉するハメになる有様である。
                                   ┗━━━────────────────━━━━┛

236◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:31:47 ID:ZACQIyWs
┏━━━────────────────━━━━┓
  近衛家実の方はというと、
  確かに実務家としての能力はあったものの、
  彼の思想は、古きよき摂関政治への回帰であった。
  その為、現実問題への対処が些かうまく行かない。
┗━━━────────────────━━━━┛
                        / : : : : : : : : : : : : : : : \: : :`丶
                           / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                       / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
                         ' : : : / : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : '
                      l: : : / : : /: : : : // : : /: : : : : : : |: : : : : : :
                      |: :j/ : : /:/ : : / : : : : /:| : : /: : : :j: : : : :八{
                      i :/ : : /: : : : /: : :.|: :/ |: i :|: : :.:/| :│: : : :|
                       j/ : /|: : : : :i: : :/|:/一:|: i :|: : /ー| :/: : : : :{
                           厶イ⌒|: i : : :i: : ;斗=ミ八八|: /,,.ニi/|.: :| : : :>
                          ∠〈 (^|八: : :i:〃 __,心   ヽ|/ん}^}リ :人 : 八
                         j/: \__ \:小 弋::ソ    ヒソ 厶ィヘ :ノく
                       /: : : : __八  「|___「lニニ「l__「} ノ ¨二⌒}
                     ∠:/: ノ 〈    `ー//ー┘ ' ー//八とニ(二¨゙7
                      厶イ:{  \ \    ー‐   イ  / ` /  }
                    /{ ::::::::∧.   \  丶、 _.. <     {   /  ′
                _.....:::::´::::::∨::::::::∧   \__/「ヽ::::::::\   ヽ   ∧
              /:::::::::::::::::::::::::∨::::::::∧   ノ介V:::::::∨::::::::\ ∧__//}
             〃:::::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::∧  / /Jハ\::::∨::::::::::__/::::::{
             {{::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::∧/{ ハl しト、 ヽ:::〉::::::::〈:::::::::::o:::::::∧

                                   ┏━━━────────────────━━━━┓
                                     おまけに、近衛家には、朝廷を運用できない
                                     構造的障害があった。
                                   ┗━━━────────────────━━━━┛

242◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:38:52 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
.  N. {               ヽ
.  N.ヽ`               〉
  N.ヽ`        ,.ィイ从       /    当時の朝廷の重要な役目として、
.  ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく     貴族や寺社の訴訟を受け持つというものがあるんだが……。
    lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i !     これに関する当時のシステムを構築したのは、何と九条兼実。
    ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ               __   _____   ______
       !  ̄  ii{_,.   ̄  /r'´              ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
       ,ゝ、  iー-ー、  , ' |\             _'r ´          ヽ、ン、
  -‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;;  |  ヾ''ー-         ,'==─-      -─==', i ふむ。やることはやってたんだな。
    /   ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ  :|           i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
.   /   :ト、` ー-、 r--‐_'´/   |           レリイi ─    ── .| .|、i .|.| っつーことは近衛家はやりにくいね。
  / _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、  :|          !Y! "" ,‐―(   "" 「 !ノ i |
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
  ,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
 ,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡  `゙゙''ー-、;:;/;;:;/
 ',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡'   _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
  彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄     `゙゙ー'  ;;;:|
.  彡i、ヾ ('  ヾミニ三'          __,,、 ....ノ   /
  彡ゝ `'' "  |ミミミ'            ,;'´ ,,  ァ'
   '彳`ー‐i  |ミミミ'          `゙ニシ'   |、ニ'
 --、/    i  |ミミ         .,,r‐''"   | ノ
 く'ノ    :i  ミミ         ´  ., '   |'    だから麻呂は無能じゃね~でおじゃる。
 、\     .l  ヾ            .ノ(_,,、.   |
 :\ヽ,   ヽ          /   `t‐一'
 ::::ヽ ヽ   `::.       ,; '      .:i       単純に上にへつらうのが苦手な
 :::::::ヘ ヽ    `::.        ''"⌒゙''一ノ       だけでおじゃ。
 ::::::::::ヘ.ヽ    ヽ、       ` ー'ーノ
 ::::::::::::::ヽヘ     `ー┬‐一;;''""´
 \、:::::::::ヽヽ      /::ヘ ) `゙'ー、_
 〃`゙ー、;;;;\\   /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

250◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:43:59 ID:ZACQIyWs
┏━━━────────────────━━━━┓
  後は単純に、
  承久の乱で朝廷の威光が摩滅してしまったため、
  朝廷の命令が全く強制力を失ってしまっている。
┗━━━────────────────━━━━┛
                   /:::::::::::::::::::::::|:::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
                       /::::::::::::::::::::::::λ∥::::::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::.,
                   i:::: |::::::::::::::::::,' リ ',:::::::::::::::::::|:::::| ',:::::::::::::::::::i
                  .::::: | ::::::::::::::: |  _ノ',:::::::::::::::::||::+-',::::::::::::::::|
                     |:::::::|:::|::::::::::::::|-´  ',::ヽ:::::::::|ヽ::| ヽ:::::::::::::::|
                 |::::::::',:::',::::::|:::::|    ヽ|ヽ:::::|  リ  |:::::::::::: |
                 |::::|::::',::::',::::||:::|   u      ヽ|      |::::::::::::|
                 |:/|::::/::::::',::|.',:|           彡三ミ |::,'ヽ:::,'
                 // |::/:::::::i-ヽ 彡三ミ ,;==;,    l:l レi `|:|
                /´ v ヽ::::|´`', l:l___|:| , Lニニニニ'」 |_//:|
                     ヽ:ヽ、_'└ ──┘       ├´:::|
                      ヽ:::ヽ-、     _     /::::::l´ヽ
                         ':::::::::ヽ、   ヽ _ ノ   /::::::::::::ヽ
                       |:||:::|::::::::`_i-  _  ´ト :::::::ヽ:\ヾ
                       リ.|:ノ|::::::/ ヽ、    / ヽ |  `
                        ´ /ヽ、 ヽ.v-´  /:::iヽ 、
                       -...´::|::::::',ヽ、/.- ',_ //:::::::|:::::::::ヽ
                    /::::::::::::::::|::::::::', /示\ /::::::/::::::::::::::::`
                       ┏━━━────────────────━━━━┓
                         平時であれば良い宰相であれたのだろうが、
                         乱時の宰相は荷が重かった。
                       ┗━━━────────────────━━━━┛

254◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:48:13 ID:ZACQIyWs
┏━━━────────────────━━━━┓
  後高倉院もまた、
  数十年に渡って嫡流を外れていたため、
  院政を行ってリーダーシップを発揮することが出来ない。
┗━━━────────────────━━━━┛

                       _, --‐‐ー────‐‐-、_
                     ,ィ´::iィ ニニ 二 二 二ニニヽ: :`ヽ、
                    /: : : :.:|: : :ヽ::,,:i: :〉: 从: : ツ,,::|: : :: ::\
                   ./: : ∧:. :.:|シ´ "゛|"`´"~゛~| `ヾ:|: : :.|\:`ゝ、
                  /: : :(__;): ::| ,ノ"  |     |`\.|: : :.| `、:ヽ\
                  | : : : : : : : :.:|  __、 !     ,!.__  |: : ::|  }::〉  `
                  |: : : :|: : : ::,ィfテ:行゛      'テラz、|:: : :|.  |::|
                     |: : : :|: : : : k::ンz;;|      k:ソz;;| |: :: :|  |::|
                   |: ::(_|: : : :.:i`-‐´      `‐-´ i|: : :.| ,リ:|
                   |: : :.:|::: : : :| ""        "" {:|: : .:|,メ::リ
                    |: : ::|: : : : :|      ___    ,!:|: :: :|:.::ノ
                    }: : :|: : : : :|ゝ ,ヘ  __   -‐<´:.:!: : ::|'′
                       |: : ::|: : : : :| / ノ_  t、 ャ~}、_: : :!:.: : :|
                     |: : :.:|: : r‐、´ ´ .,〉   |  `ヽ: :: : .:|
                         |: : : !: /  ヽ、´y〉___|     \: ::|
                     |: : :f´`\.   `ヽ,   |    ///`、:|


                          ┏━━━────────────────━━━━┓
                            朝廷は官僚制も院政制も機能しなくなっていた。
                          ┗━━━────────────────━━━━┛

260◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:54:08 ID:ZACQIyWs
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
  NヽN`              `゙、
.、Nヾミ                i
 ヾミミ、       _,.ィイ八、     !
  ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_
     {F|!  ̄ ゙iニ{'´   ゙̄!r'-r,^、i    何しろ……税金すらまともに届かない有様にまで堕ちていった。
      l;j゙、_   ノ ヽ)、  ノ'  ゝ:'/
      `!  ̄ヽ '   ̄~´u ,'.,ィ'     その上、承久の乱の残党が盗賊などに変貌し、
       i.u  ___     ,' |      そこらの荘園や国衙領をあらす始末。
        ヽ、 ´ -- ``   ./  ト、
       ,..-i;:ヽ、   ,. '´  / ヽ、_
    _,.イ´  j   ̄ ̄   /   ,i、゙ト-、


                                __   _____   ______
                                ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
                                 'r ´          ヽ、ン、
                               ,'==─-      -─==', i
                               i イ iゝ/イ人レ\ ル.ヽイ i |
                                    レリイi (ヒ_]     ヒ_ン )  | .|、i .||   承久の乱とは
                                !Y!"| | ,___,  | |  「 !ノ i |     なんだったのか……。
                                 L.',. | | ヽ _ン  | |  L」 ノ| .|
                                 | || | |      | |,イ| ||イ| /
                                    レ ル` ー--─ ´ルレ レ
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

266◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 00:59:28 ID:ZACQIyWs
┏━━━────────────────━━━━┓
  朝廷は六波羅に以下のような命令を下すが、
┗━━━────────────────━━━━┛
                        -―--‐‐ 、
                      ,.'wx::::::::::::::::::vヘ
                       j::::::::::/⌒⌒ヽ::::'U
                      ,'::::::::,≧_、l l,≦ヽ::',    治安悪化が著しい!
                        /::::::::j{ //リT{ / /}:::ヽ    山野に避難した民を保護するのだ!
                    〃::::::::}`ーく::!、`ー'!:::::::ヽ
                       { :::::::::: ト、{´  ̄ } ,/:::::::::!リ
                    ゝ, ‐'⌒)> ===f´::::::::ノj'
                   // \下`―ミY彡ヽ<″
                   |{、_>' と )ヽ     \ヽ
                   | ゞ三彳!   \       V
                   |   //         ヘ

                    ┏━━━────────────────━━━━┓
                      朝廷も寺社の武力を怯え、
                      肝心の寺社に手が出ず、
                      六波羅も出す気が無い模様。
                    ┗━━━────────────────━━━━┛

271◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 01:03:32 ID:ZACQIyWs



        ――その中をじっと、獲物を狙う猛禽のようにじっと。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓/  ヽ、 ∧        ̄ ‐- 〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓,/ ヽ、ヽヾ|..| ヾ |          |〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓l     = "    | ll|    | |    |〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓   ミ=      | | |    | |   |〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓   :::         | l  |    | |  |〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓ミ彡;;          | l  |    | |  |〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓,´,|  〃==ヽ 、     | l l| |   | | 〓〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 l ト ll   _   ヾイ、  〃 |_l l┼ - | |   〓〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓l   ヒ;;´   ̄ ̄ヽ:::l  -ノ | | | l |  |  ‡〓〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓‡ ┤从      )‐-〃 ;;《 ● ll   〃 l〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 l  ヾ  __ノ -‐ |l  ヾ ` ´  ]  //〓〓〓〓〓〓〓〓
‡〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓l     ̄ ̄ ,,,,lll|  ヾ  == ::  /〓〓〓〓〓〓〓〓〓
‡〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓ヽ   ,__、    :lllll|_,〃        /〓〓〓〓〓〓〓〓〓
‡〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ヽ  、~ーェ-ェ─ ,,,__,ェ=`   /ヽ〓〓〓〓〓〓〓〓〓
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ヽ    ̄::: ̄ ̄ ̄     /ヽ   〓〓〓〓〓〓〓〓
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〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〃 〃  ;;;;;;;l  /  ー── ´  ll||||||||||ヽ  ヽ〓〓〓〓〓〓〓



                    ――息を潜めて、機を待つ者が居た。


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272◆OSXMqpvhvA2010/10/12(火) 01:05:24 ID:ZACQIyWs




    つづく


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