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やる夫で学ぶ柳生一族 その4「柳生一族と徳川家康の巻」

412008/09/27(土) 22:05:06.56 ID:p3bv65nF0
 これは、江戸時代前半において「天下一の流派」と呼ばれた剣術流派
「柳生新陰流」を担った「柳生一族」についての物語である…。

【前回までのあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の小豪族、柳生家の当主、柳生新左衛門宗厳は、
新陰流創始者・上泉伊勢守秀綱と運命の出会いを果たし、新陰流に入門。
克己努力の末、ついに「無刀取り」を開眼し、秀綱より新陰流の正統を受け継ぐ。

 こうして、新陰流正統二世となった宗厳であったが、
戦国の風雲児、織田信長の登場により、世は大きく揺れ動く。
嫡男厳勝の受難、足利幕府の滅亡、長年友誼を結んでいた松永久秀の滅亡など、
世の流れに対する己の無力さを噛み締めた宗厳は、遂に柳生庄への隠遁を決意。
剣の道を究めることに全力を注いだ。

 そして、隠遁から20年経った文禄三年(1594)。
名を石舟斎と改めた宗厳の前に、運命の荒波が押し寄せようとしていた…。

512008/09/27(土) 22:07:31.08 ID:p3bv65nF0
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:::::::::゙:. ヽ‐""          ト、ノ i l!    |  優良種たる我が豊臣家のみが
::::::::::::゙:. ヽ二ニ=’     /   i .l  _ノ   日の本を支配し得るのである!
:::::::::::::::i!  ゞ:::       ノ   i! l    ̄ヽ  ジーク・豊臣!
:::::::::::::::::i! /      _/〃   ;! .l.      \________
::::::::::::::::r゙、___,.∠/.:/   __,.-‐ト、
:::::::::::::::l.「 ,  ┌-===―‐‐tTr-―‐ニ┐!
:::::::::::::::l゙ーj  ト--  ゙l  l l l 「 ̄ .」 l
         豊臣秀吉

 時は少し戻る。
石舟斎(以後、"石舟斎"で統一)が柳生庄にて隠遁しているうちにも世は動き、
本能寺での信長の死を端に、山崎の戦での明智光秀を、
賤ヶ岳の戦にて柴田勝家を下した豊臣秀吉(羽柴秀吉)が、
日の出の勢いで勢力を拡大していた。

712008/09/27(土) 22:13:45.44 ID:p3bv65nF0
            /   /,ィ' ゞ、_゙i.    \
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        /  /  ゝゞk,イレ′`丶     \
       ,!  イ  _,、、ゞ、,ィー- 、,   \   \
         \ i,ィニ,、ー一 ''''' ー-、 `丶、 \   \
        ,フ'´         ` ー-、ヽ、 ヾ    ,!
        ゙ーt=r====r===t=-r''p, ',   /
          ,リ´゙,tテtァゞ`゙r゙'エiッ-、'"´ }  ヾ!'"´     北条に…兵なし!
         ,l,〉   '´,!  ゙i`ヽ 、   / ,イヾ!
         { ヽ   r'   ,     ,! ,イレリ       
           ,!  `゙,イ´`ヾ '"´`ヽ、.,, ,ィ ; /
           l  ,;'、、-‐'-‐-、,,,._,ヾ   }イ           
          ゙、             `゙   /,!
          ,k    ´""`     , イ_」、
        ,イゞ、        _ , ィ'゙i   ,!
             北条氏政

    |   ./  `ー"    `ヽ    \
    .|  .l. ======(ニ)-、. `Tー‐--'
    .|  .〈l/   ////_,.-‐'^、ニ〔|
    |  <__,.-;‐'"´    .キ |    寒い…時代だ。
    `ヽ.ljイー・ ! ┬‐,、_ i  |
      f |  ̄´ / ``ー=´ ` |/^l
      .`l  ´ ;ヽ、 `、   !ι|
       .|          .j`T´
       :、 ` ̄ ̄`   / .|_
        `、  ゙゙゙    / /|
          北条氏直

 そして天正18年(1590)、小田原の陣における北条氏の降伏により、遂に豊臣秀吉によって天下が統一される。

912008/09/27(土) 22:14:28.67 ID:p3bv65nF0
       / ̄ ̄\      
      /       \         
      |::::::        |   武功を立てようにも、戦闘が無きゃどうしようもないだろ。
     . |:::::::::::     |    常識的に考えて…
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――  
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━

 ちなみに余談ではあるが、この小田原の陣にて宗矩は牢人として陣借りしていたという話もある。
だが、特にこれといった武功を立てることもなく戦は終わってしまい、
何も得ぬまま引き上げたという。

1012008/09/27(土) 22:15:00.69 ID:p3bv65nF0
                 ,.、:r‐'''"" ̄~~゙`'':-.、
               ,r'""::::::::::::::::::::::::::.... :::.、'-、
             r"":: .:::::::::::::::,....,.,.r:、r‐:,:::):)::))
               !::::::.::::::::::::/:::,r'::,r''|:::::,!゙゙'-イ'""~゙:,
             l ::::::/:::/::/::,、/:,r//'l:::::;'   ', ゙:,::l    
             l. .:l:::/./,r,/',/'// l:::/     ',  l:l    
            l :..::l::::/rヾ/:/r'/''ー-|/、  ,.t'/  l,!    
            l.:::::l:.l i,,',)||/'-/, -=ッr-'、,..ッ''';  '    …仕方ありませんねぇ
            ,!:::::,!::l:::゙:,-,'  ' ゙""~゙'t.,_,ノ ゙'k'      
           ,! .:::,!.::::::::,!~゙:、    、   , 7
            l :::::...::::::::l   ':、      ̄ /ー-――-- 、_
         ,.、-',!::::::.:/::,r,!'-、_   `-、_    /         ,.、r
       ,r'"" ,/ ,!-..ノ.i"" 'i,、  ゙''''- 、、`'ーメ、_        /
      /   i' ,rl、 _,k'l  ゙:,':、     `''',r,、ヽヽ、   ,.'
    ,、/    ゙i,/ ,,.r'  l    ', ゙:、       /:::::':, \ヽ   ,'ー-、
 ,r'"" ./      ゙i,""   l    ヽ ヽ、  λ:::::::l,、,r'ri'、,'  ゙̄`i、
,i'  /       ゙i,    l    /ヽ. ヽ、.,' ゙tr''ヽ.'"" l ゙ll _,,..、-'--,
  /        ゙i,  l    /  ゙:,  ヾ  l  ',  | l~     /ヽ、
                   筒井定次
            (三代続いて同じAAですがご勘弁)

 更にその後、大和国を支配していた筒井家は、当主順慶が亡くなり、その子定次が後を継いだ後、
しばらくして大和国から伊賀上野へと移されることとなった。

 これにより、結果的にではあるが、再び柳生家は筒井家から自由となる。

1112008/09/27(土) 22:15:51.68 ID:p3bv65nF0
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;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´    このようなところにいつまでもいるワシではない!
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛     
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/    
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |          
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |
     島左近勝猛

 この定次と不仲となり、筒井家の家老、島左近勝猛が退去している。
左近は、柳生家が筒井家へ臣従していた時代、石舟斎と旧知の中でもあった。
あの辰市の戦いでも敵味方に分かれたが、幸い、直接戦うことはなかったため、
石舟斎と左近が不仲になることはなかった。

 左近は、後に石田三成の「所領の半分の石高を以って迎える」という申し出に心打たれ、
三成の家老として仕える事となる。

1212008/09/27(土) 22:16:59.60 ID:p3bv65nF0
 さて、話は柳生家に戻る。
兵法百首を纏め上げた石舟斎は、それからしばらくして、
四男・五郎右衛門宗章、五男・又右衛門宗矩、嫡孫・久三郎純厳の三人を呼んだ。

     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/     
|      (((__人__))l;;,´    …五郎右衛門。
/      ∩ ノ)━・'/    
(  \ / _ノ´ |  |    
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 

    /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\
  . |(●),   、(●)、.:|  十
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|    
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|  +   はっ!
   \  `ニニ´  .:::::/     
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||
柳生五郎右衛門宗章

1512008/09/27(土) 22:18:27.57 ID:p3bv65nF0
     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/     …又右衛門。
|      (((__人__))l;;,´    
/      ∩ ノ)━・'/    
(  \ / _ノ´ |  |    
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)    はい。
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、
 柳生又右衛門宗矩

1612008/09/27(土) 22:19:17.21 ID:p3bv65nF0
     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/     …久三郎。
|      (((__人__))l;;,´    
/      ∩ ノ)━・'/    
(  \ / _ノ´ |  |    
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 


      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /             \
   /                  ヽ 
    l:::::::::.                  |   はい!
    |::::::::::   (●)     (●)   |  
   |:::::::::::::::::   \___/     |  
    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ
       柳生久三郎純厳

1712008/09/27(土) 22:21:36.75 ID:p3bv65nF0
     ____  
   /      \
  /  ─ 三 ─\    …3人とも、よく聞いてほしいお。
/  -((◎)-(◎)-\   この20年、ワシは柳生庄に逼塞し、
|     (((__人__)))  |    ようやく納得できるところまで
/     ∩ノ ⊃  /      新陰流をまとめあげることができたお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

          ____
        / \三/\
      / -(◎)-(◎)-\
     /   ( ((__人__)))  \    今こそ、上泉先生との約束を果たす為にも、
     |       |::::::|     |     新陰流を天下に広めねばならんのじゃお!
     \       l;;;;;;l    /l!| !   
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <
               レY^V^ヽl

1912008/09/27(土) 22:24:39.22 ID:p3bv65nF0
       ______
      /   / 三 \\     …しかし、ワシはもう既に歳じゃ。
    /   -(◎)-(◎)-\    それに、未だ後継を決めておらぬ以上、
    |     (((__人__)))  |    この柳生庄を離れるわけにはいかんお。
     \     `⌒´   /     
    ノ           \   

      ____
     /\ 三 /\
   / (◎)- (◎) \      だから、お前達には諸国に散って、
  /:::⌒(((__人__)))⌒:::\   我が新陰流を天下に広めてほしいんじゃお!
  |     |r┬-|       |   そのためにも、ここで印可を与えるお!
  \     ` ー'´     /

2212008/09/27(土) 22:26:10.51 ID:p3bv65nF0
            ____
  +        ./ / 三 \\
        /-(◎)-(◎)-\       こう言ってはなんだが、
      /  ⌒ノ(((、_, )))ヽ⌒ \      お前達はこの石舟斎自ら仕込んだ強者じゃお!
      |    ((`-=ニ=-))      | ハァ   どこに出ても恥ずかしくないだけの腕前にはなってるはずじゃお!
      \      `ー'´      / +    
      /     ∩ノ ⊃  /
      (  \ / _ノ |  |
      .\ “  /__|  |
       . \ /___ /


        ___
      /     \
   /   三    \     お前たちの腕前なら、
  /    ⌒ - ⌒   \    どこの大名のところでもきっと仕官できるはずじゃお!
  | ///(((__人__))) /// |     頑張るんじゃお!
  \              /

2312008/09/27(土) 22:27:33.49 ID:p3bv65nF0
             ____
            /\ 三 /\
          / (◎)-(◎) \      
         /:::⌒(((__人__)))⌒:::\   
.       ┌────────────‐┐
       .|                   .|       与えるお!
   ,. -‐ '|                     |
  / :::::::::::|                   .|__
  / :::::::::::::|        印可状      rニ-─`、
. / : :::::::::::::|                  `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、                   |二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃                     |`iー"|
.レ ヘ.  .ニニ|_____________.|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::

 こうして石舟斎は宗章、宗矩、純厳に新陰流の印可を与え、
三人は新陰流を天下に広めるべく、柳生庄を旅立っていった…。

2412008/09/27(土) 22:29:39.50 ID:p3bv65nF0
       ,r‐-、
.      ,!         _
.      i, _,r‐''''''''''''''''ヾ,_`、_
    ,r'''''''ブ、        `.、`フ
  ,r' .,f'´ ,r f  .i 、 , i  i`ト、      今回は私が解説するのです。
    ,f  ,f ,'´i  ,'`、 ;`、ヽ,! .! Yi、     誰ですか相変わらず全然萌えが足りねぇとか言ってるのは。
    i  i i, ' ' ヽ;  ヾ,'`ヽi__ i、!``ー‐┐  >>1も一応気にしているのですよ。一応。
    ` i'''''i ̄ ̄    ̄ ̄ ! .! ,ト、`ヾ;┘
.     ! ┿━━   ━━┿ .!'  `ー′   さて、この話ですが、
.     i ,ト、      , ,  i ,!       実際のところ、石舟斎が新陰流の流布のために三人を送り出した…
      i ! ` 、__________,,/i,`′       というのは、正直なところ、>>1の推測なのです。
      ヽ,!  .f  /人;!/  i,        単純な話、理由が不明なのですね。
          ヽ,r`i___iヽ,/___!
.         ,r`.、,!:.:.:レ':.:.:.:.:>-、
        ,r:i;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':,ゞ-ゝ
         `ー--''´`ー--‐''´

2612008/09/27(土) 22:32:46.58 ID:p3bv65nF0
     ,r!
    ,f i
    i, ,!  __,,,,,,,,,,,,,,__
    _ゝ`´ : : : : : : : :`ヽ、_,,
   ,r" ̄`: : : : : : : : : :i; `iヾヽ、
 ,r'´l: :/ : i /!: : ヽ : :ヽ:ヽ: :i: ヽ<     より正確に言えば、この後の「とある事件」の発生時期次第で、
 !  V l___l;!__!,: : :ヾ____!__!_:l : :i ,!    この理由が変わる可能性がある(少なくとも影響は出る)のですが、
 `  lヽ:! i!  ヽ  `ヽ!;ノ: :lヽ:!,!     今回は、その発生時期を文禄三年半ば以降であろうと した上での
   l : ;;;;;;;;;;;;;;   ;;;;;;;;;;;;;;; l/:/l,     話の流れなので、ややこしくなるのですね。
   l: : i       , , !: ,l/ト<     (そっちの件については後述)
   !: : l`ヽ、 __________ ノ / L!ヾ!     
   l: : !   /、_/H、_/レ<         ここの扱いがややこしくなるから、
   `、;!  ,/ <;/i'ト、;! i `、        避難所で表・裏にしようかとか書いてたのです。
      人,ノ ヾ!レ'  l`ー-'ゝ      まあ、余談ですが。
.      ̄`7''‐----‐'l,
      /:`7l'''''''''´ll:.!
     /:.:.:.;/:,!:.:.:.:.:.:ll:,!

2712008/09/27(土) 22:35:15.35 ID:p3bv65nF0
        ,r7
       /./
        ! l
     ,r''¨ヾ´¨ ̄ ̄¨¨''''ヽ、         話を戻しますと、
     ,レ'´,r'7´! l 、 i、 l  `、___     まず、この家を出たのが四男宗章、五男宗矩だけならば、
    ,! ,rl l′ヽ! ヽ!`、 l  i `、,!
     ヽl `i¨ ̄    ̄ ̄!` l   l`>    「家を継ぐわけではない下の弟達が、
     ,!;;;;;;;;;;;;;;'  ;;;;;;;;;;;;;;;; l、  l¨ヽ     独立のために家を出た」
     ! ,!       , , l   !,ノ ,'/ i'´
     ! i、          ! /  ,/v'′    という理屈も一応成り立たなくはないのですが、
     l /`ヽ、__゚   __,,l ,!ー'i´l:ヽ     そうなると、嫡孫純厳が家を出たのが意味不明になるのです。
     l !   _/ ̄''''''''レi   !:.l`''’     それに、純厳が不具の状態では、下の息子2人も
     V′ <,r7     、`、 l__!      後継候補として外すわけにはいきませんし。
           ト、_/    Y_ゝ
         レ'ヽ_,rー--‐''ヽ、
            !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_,ゝ
            !:.:._,;,r‐'''´

2812008/09/27(土) 22:38:25.13 ID:p3bv65nF0
             _,,,,,,,_
           /   `、
          /
          ,!                  後の展開だけで考えれば、
      _,,,_  l                  
     /  ,r`ヾ、_________             「この時期、石舟斎は次男兵助(兵庫助)に
    /  ,r'´  ,/      ̄'''‐-,,_          新陰の正統と柳生の家督を譲るつもりだったから、
   ,!  !   !   i       `ヽ、       他の兄弟達を送り出したのだ」
         !   l,  i,  i,     i,,,,,,,_     
     `;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'´ ,;;;;;;;;;;;;;;ヽ   i ヽ ,!     という言い方も一見理屈が通ってるようにも思えますが、
       ,r'           l  ,i   l i,    しかし、この文禄三年前後ですと、兵助はまだ14歳程度ですよ。
       !           l  i  ,/ <    その剣才が既に表れていたことは間違いないと思われますが、
       ヽ   r‐-、   〝 l  i / i'''''’    流石に家督を継がせられるかどうかについては、
          >、___ ̄    __,,,.l  i''´i ト、!     まだ判断できなかっただろうと。
        i l   ̄__lニニ=,!  ! l  ヾヾ`     
        ` ヽ ,f´,r''´ /ト、 l l   ヾ!      剣の腕と、家を維持することが全然別物であることは、
           !:l, `ヾ! !l`ヽ `         石舟斎自身が一番よくわかっていたはずですしね。
            l:::lヽ、_,,,ソl::::::ト、         (でなきゃ「石のふね」の歌なんか詠まないですよ)
           !::!  l   l::::::! i
           l;;!  `ー-l:::::;!_ `ヽ、
                `''´  ̄''''''’

3012008/09/27(土) 22:40:53.98 ID:p3bv65nF0
            i!  / /   __
            |! /´/-‐'´ ̄/  
         __,. -‐' V|     ‐-=、         というわけで、まだしも理屈が通るとすれば、
       , ‐ 、    ヽi    ‐- ヽ、   
      / i / /ヽ、//ヽヽ、 、ー‐-→}       「新陰流を天下に広げる為に、
      | V //  X   \``丶、‐ 、/|        自ら直々に育てた(実力的に間違いのない)息子と孫を世に出した」
   r―┴―く/ / i━  ━━  |  Vi}
    |      V二 |    ~~  i  i 〉L__      という方なんじゃなかろうかと。
   i      / 二 i! ___   i レ三 」 ̄`ゝ 
    `¨LUUT/ ヽ i| |     ヽ,  | /ー~~´   まあ、なんにせよ、理由は不明で、
      | Y从\__.ノ ¨ `ー―r-イ, i レ'        かつ、実際には3人同時というわけでもなかったでしょうが、
     r‐片` ̄       i i!/ }          この3名が柳生庄の外へ出て行ったのは、ひとまず間違いないのです。
     |  |        r '´rっ`ヽ、         (印可の伝授時期については若干微妙なのですが)
    ⊆三三⊇     ; :`ー-‐ー ┘

3212008/09/27(土) 22:44:27.39 ID:p3bv65nF0
             ,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐''゙ヽ、.、_
          _,r'_,,............     ゙''゙'=iヽ、
          _r'"            |:| ゙,i゙i
       _r‐''"        :、      ゙i | ゙t   
      | ,r    ,      ゙i,r'゙i     | "  ゙ヽ .
      ノr'  ,,r,r'r",r    ,rj:|,ri ゙i         | 
   r;;:ニ,,r::::::...:::i"r'::    i ,!;;゙y',r、 i    、    /| ,!| 
  ,,;‐'":::::::::::::::|/i::::   /| | ゙"~`ー、゙    ヽ   ,k",!
  "''ニ=:::::::::::::|!:|::: / i、、| !、  ,  ゙i  |::  |   " ヽ
   '" `ヽ,:::::::::|:::!:::l::.. it:ッ|!、i i"_,.:ュ ! ! /ri    ,r
      ゙j_:::::::::::ヽ_゙i::.| ~!, |  `ヾ'┤/  / i'ノ..::::::/
       ヽ___,r  ヽ. !  ,.!、    ,!ノ,!::,r'ノ:::::''''~/
       -='___,rj ,r゙i゙ ヽ-  ,.r',r',:,r':::::、tー‐"
           ,,r'"~゙j、 ゙こ''' ,,r''/',r、i~i,~
    __,--,r'",;;;;;;;;| |.':、  _,,r'"  ,r',!;;;: ゙i,
 ̄''''"~ -''''"/ ;;;;;;;;/r'"~~゙''''"ヽ, r'" "'"  ゙i
            小早川秀秋
    /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\  十
  . |(●),   、(●)、.:| 
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|  +   
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|     小早川家で三百石でござる。
   \  `ニニ´  .:::::/     
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

 そして、この3人のその後だが、まず、宗章は小早川秀秋に、

3312008/09/27(土) 22:46:41.24 ID:p3bv65nF0
             ,. ´ ̄ ̄`r'´  ̄ ヾ、
           , '´              \
         /                  ヽ、
       _,ノ                     l
      ,イ                    ト、
     _ノ,ソ                      |
      _ノィ  , ハ,.イ、 ト、_,.,≦二,.、 _,._,.     }
       レ'( レ==;、)ノ  _.. ‐二土ミリ /´`i リ
           `、 r‐r=:、 ,.' イ くリソ  j/ ;')} ;゙
          ヽ` ゙‐'}      ̄      ノ/
            !   !_        ,' j,リ
            、  `´_,.     ,   l
            ヽ ` ‐     /    |__
               \     /  ,. ==¨l|
                `,r='"==''"     l|
                 l|l|          l|
             浅野幸長

      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /             \
   /                  ヽ 
    l:::::::::.    \      /   |   浅野家で五百石!
    |::::::::::   (●)     (●)   |   (言ってやった言ってやった)
   |:::::::::::::::::   \___/     |  
    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ

 純厳は浅野幸長に仕えた。

3512008/09/27(土) 22:49:28.71 ID:p3bv65nF0
 そして…

   / ̄ ̄\
 / ノ   \ \     これからの武芸者は禅だろ、禅。
 | (●)(●)  |             ト-、___
. |  (__人__)   ̄ ̄ ̄ ̄\-‐‐‐‐‐‐t-:、_ `‐、、_
  |  ` ⌒´   ノ  ―--、 \   .:. ,,:.:``‐、;:;:;ヽ_
.  |         }  ・    \ ヽ............:.:/: .:.     ````ヽ、_
.  ヽ         }       「 ))):.:.:.:,;ノ::.            `‐、、
   ヽ     ノ  ・    /  /~'`::::ヽ:.:.:.....        、     ヽ、
    \        ----´ / ....:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:,;,;,;,;.:.:.;,;...........ヽ、ヽT   ◎ ヽ、
      \______/````‐--:-:‐:':´:`:`´:: :::``:..、_:.:.:.:.:.:.:.ヽ、__ ,-==,

 宗矩は、何処にも仕官しないまま柳生庄へ戻ってきた。
(先に述べた通り、小田原の陣で陣借りなどしてはいるのだが)
その後、基本的には柳生庄に留まったまま、京の名刹、大徳寺などで禅に励んだり、
柳生家と縁のある公卿のところに出入りするなどして過ごしていたらしい。

3712008/09/27(土) 22:53:19.34 ID:p3bv65nF0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \     ??「おい!そこの貴様!」
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)      拙者のことでござるか?
  |     ` ⌒´ノ      
.  |         }     ??「そうだ!お前は何にもわかってねぇ!」
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

 なおこの頃、宗矩は大徳寺において、
とある人物と知己を得た、と言われている。

3812008/09/27(土) 22:55:35.30 ID:p3bv65nF0
                 rニYニヽ          , ---一 、
   |レ               //__夢_j |         / 教禅オ i
   !!_           イ t` !_,` } |        ,'  えのレ i
   ゙- '´ ,、       /j ト ‐=' レj        l  てやが |
      -''´   ,r'´ ̄`゙} |二二j l|rニ二ト、    |  やり本 |
           〉─7-'´l|jト、`}-イl;|`--l一〈   .|  る方当 |
     __ii__    |   レ ルリ-ト、|州リ   |  .|   `|    をの |
     イi    j  j ,,  ヽヽ |/     |  ',   ヽ       ノ
      `  , イ  ハ ヒ、 ト、 |     j   ',   ` ---一 '
        ノ  }  / }、 ヽ} ヽヽ|    ノ ',  |   
      /   イ  } {ニ二ニニ}´7二ニニ}  ',  |
    //  / l  | ',ニ二ニニi |ニ二Y   ', |
.  //  /   l  } ヾニ二ニi |ニ二イ   ', ',
/ /    l    レミj   {ニ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{    {三i
 / i   /    } ヶ / `丶、 _, -'´ |    } ヽ
ん-ト、        |_彡 j 二ト、 }-|    |   ヽj-''
   ヽ/    /    {    / |    |     l
    ヽ   /    レ、   |  |    レ-、  /
     `-- ´--、__  j ヽ  j  |  ./', |  `丶{
             ̄|  ', / ̄| /  ij
             ',   〉{   |./   l|
              ',__,r' }  .|k   j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j
                沢庵宗彭

 その人物とは、後に徳川三代将軍家光の師僧となる禅僧・沢庵宗彭である。
この頃、沢庵は大徳寺の住持・薫甫や春屋宗園の元で修行を積んでおり、
そこで大徳寺に参禅し、禅法を学んでいた宗矩と知り合ったのではないか、と言われている。

4012008/09/27(土) 22:58:36.19 ID:p3bv65nF0
 そんなある日、文禄三年(1594)の春、
石舟斎と縁のある黒田長政より、使いがやってきた。

    , -──- 、
 /::::::::::::::    ::\
/:::::::::::        ::∨ト、       
::::::::::          :: レ'ノ
::::::::::::::        ::: レ'⌒ヽ    
ヽ-───i===i─-}ァ'  ノ      「誰だ?」って聞きたそうな表情(かお)してんで自己紹介させてもらうがよ、
、` ー-===-゚---゚==‐' /      おれぁ おせっかい焼きの栗山善助!
、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; )      我が主君、黒田長政から柳生石舟斎殿に伝言を伝えにやって来た!
_、;;)¨´,ニ=゚='" ,.ヘ=゚:く {ッリ'   
i1(リ        r;:ドヽ K         石舟斎殿!大納言徳川家康様が、あんたの無刀取りを見たい
ヾ=、     に二ニヽ `|; )       との話なんだが、さて、どうするねッ!?
_,ノ| i.     {⌒゙'^ヽ.{  i;; ヽ       
_,ノ!i ヽ、  ヾ二ニソ ,';;;  ;;冫=:、
_;(|.!.  \   ‐っ /!;;; ;;/ 、''"\__  
'ト、\.   ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_
:ヽ  `ニア   ,. -┴‐‐'  ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ   
:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ .   l __l| ,ニト、くヽ
l::::::::::\ー:ト      __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー-  
;ニ=ー:::::::ヾト、._    ̄ ノ|::ヽ ニ._‐-ゞ=' .ノ ::|::::::::::: 
:\:::::::::::::::ヽ   ̄ ̄ !:|:::::    ̄ ̄  ::::|::::::::
         栗山善助

4112008/09/27(土) 23:00:25.99 ID:p3bv65nF0
       ______
      /   / 三 \\
    /   -(◎)-(◎)-\    …過分のお言葉ながら、見ての通り、この石舟斎は既に年寄り。
    |     (((__人__)))   |    大納言様の御前に参上するのは…。
     \      `⌒´   /     
    ノ           \ 

 石舟斎は、家康の前で無刀取りを演じよ、という話に対し、当初、渋ったという。
この時点で柳生石舟斎、66歳であった。

4212008/09/27(土) 23:03:25.50 ID:p3bv65nF0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)   (…父上…父上…!)
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、


           ___
       /~~~\  ?
      /─ 三─   \ 
    / -(◎-(◎)-   \    (…なんじゃお、又右衛門?)
    |  (((__人__)))     |  
     \  ` ⌒´     /      
    ノ           \
  /´               ヽ

 断りの返答を返そうとする石舟斎に対し、
ここで、こっそりと声をかけた者がいた。

 宗矩である。

4412008/09/27(土) 23:06:05.34 ID:p3bv65nF0
          ____
       / \ 三/\  キリッ
.     / (◎)-(◎)\     …この件、熟慮してみたく思いますお。
    /  ⌒(((__人__)))⌒\     今しばし、お待ち頂けますかお?
    |      |r┬-|    |     (又右衛門…なにかあるのかお?)
     \     `ー'´   /     
    ノ            \
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''""~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

 この宗矩の態度が気になった石舟斎は、思案の後、返答する、ということで、
使者をもてなしつつ、席を離れた。

4612008/09/27(土) 23:10:44.74 ID:p3bv65nF0
     ____  
   /~~~\
  /  _ノ三ヽ__ \ 
/   -(◎)-(◎)- \  
|     (((__人__)))   |   …で、なんだお又右衛門。
/     ∩ノ ⊃  /      なにか引っかかることでもあったのかお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)   …父上、このお話、どうされるのですか?
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

 奥に引いた宗厳は、
宗矩に先ほどの声の意図を問い質した。

4712008/09/27(土) 23:13:09.51 ID:p3bv65nF0
             ____
           /~~~ \
          / ─ 三 ─ \
        /  -(◎)-(◎)- \   ないない
        |    (((__人__)))    |
         \     ` ⌒´    ,/
 r、     r、/          ヘ
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |
        |                |  |

     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/     もう、この石舟斎は年寄なんじゃお。
|      (((__人__))l;;,´    今更、誰かに仕えるのは厳しいし、そもそも仕える気もないお。
/      ∩ ノ)━・'/      御使者にはこの件、御辞退すると伝えるお。
(  \ / _ノ´ |  |      話はそれだけかお?なら戻るお。
.\  "" /__|  |     
  \ / ___ /

4812008/09/27(土) 23:15:26.95 ID:p3bv65nF0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)  父上…
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

     ____
   /~~~ \
  /  _ノ三ヽ__\
/    -(◎)-(◎)-l    なんだお又右衛門?
|      (((__人__))) l     早く行くお。
/      ∩ ノ)━・ /    
(  \ / _ノ´ |  |    
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ /

 しかし、宗矩はここで席を立たなかった。

4912008/09/27(土) 23:17:56.56 ID:p3bv65nF0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     俺は徳川様を見てみたい。
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

     ____
   /~~~ \
  /  _ノ三ヽ__\
/    -(◎)-(◎)-l     …見てどうするんじゃお?
|      (((__人__))) l     
/      ∩ ノ)━・ /    
(  \ / _ノ´ |  |    
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ /

5112008/09/27(土) 23:21:05.92 ID:p3bv65nF0
        / ̄ ̄\   
      /       \      
      |::::::        |   
     . |:::::::::::     |   父上、拙者はどうせ仕えるなら、
       |::::::::::::::    |   どかんと大物に仕えたいのです。
     .  |::::::::::::::    }     
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /:::::::::::: く    
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――


        / ̄ ̄\   
      /       \      
      |::::::        |   
     . |:::::::::::     |    しかし、太閤殿下は武芸者に然程興味がなく、
       |::::::::::::::    |   関白(秀次)様のところには、既に疋田様、鈴木様をはじめ、
     .  |::::::::::::::    }    幾人もの達者が抱えられてるという。
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /:::::::::::: く    
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――

5312008/09/27(土) 23:23:16.65 ID:p3bv65nF0

        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |::::::(●)(●) |    …なら、その次に大物といえば、
     . |:::::::::::(__人__)|    関東二百四十万石、徳川大納言様だろ。
       |::::::::::::::` ⌒´ |   常識的に考えて…。
     .  |::::::::::::::    }
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /ヽ三\´    | 
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴

5412008/09/27(土) 23:25:42.24 ID:p3bv65nF0
              ____
           ,、 '´:::::::::::::`ヽ、
         /,イイ从仆彳´ヾ;:ヽ
        ,r';:,/      ゝ'゙   ヾ;\
       ,イ::::,!            ゙i;:ヽ
       i|::::::i}   \   ,イ     i::::i
       {::::::,!,r'´   、ゝy'´     l::::l
       ,!::::|  ,r-‐、 `ト  _,,、-、 「人
      ,イ,!::::i   'r'ニ・ンイ`イ゙・ファ  ,}i イj     武芸者も数だよ叔父貴!
     i:::::::::::,!   ,r'´ ゙ヾ  `Y´  ,! ト::::l
     ヾ;:;:;:;:;:ト、   ゝニニフ    ,イトミ !
       }k;:;:;:,| `    カ    イ  ,!;:;:i
     , イ;:;:カ;:,!   _,、ェェェェェ、_   ' ,ノ゙:;:;i
    ,ィイ;:;:;:;:`Y    ´ "´ ̄ ` `   ,ゞj,:;:;l
    i゙;:;:;:;:;:;:ゞi    '´ ̄  ̄` ,レ  ,j;:;:;:;ト
    ヾ;:;:;:;:;:;:;:,ゞ、 ,i!      ,yイ゙  レイ ,{、:;:,!
     ゙>;:;:;:;:イゞミュ   , イ  _ ,ィ'´ ̄Yi:;ノ
     ゝイi´ ̄`ーゝー'ー'フ''´,ィ'´ _,,ィ  i l
      ,!ヽ i}`ー-、`ヾ | i´ ,r'´   ,イ |
    _, イゞ、 Y`ー、_!、  | l ,/ '´ニイ ゝィ-、_
-'イ ̄´_,、-‐'`ヾ、ゞ-、_j ,`Y| | ノ _,,、 ノ, ィ  `ヒ `Tー-、_
             豊臣秀次

 秀吉の甥にして、この時期には関白の地位に就いていた豊臣秀次は、
武芸者の庇護に熱心で、石舟斎の兄弟子たる疋田豊五郎、鈴木意伯をはじめ、
様々な流派の武芸者たちを抱え、頻繁に剣術上覧なども行っていたという。

5512008/09/27(土) 23:28:47.82 ID:p3bv65nF0
      ____  
   /  ~~~\
  /   _ノ三ヽ__ \  
/    -(◎)-(◎)-|
|      (((__人__))) |    …つまりお前は、自分が仕官するために、
/     ∩ノ ⊃  /      この石舟斎に徳川様のところに行け、というわけかお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /


   / ̄ ̄\         
 /  - -\         
 |   ( ●)(●)l     ……。
. |    (__人__) |         
  |    ` ⌒´ |         
.  |         }           
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

5812008/09/27(土) 23:31:10.43 ID:p3bv65nF0
       ______
      /   / 三 \\     
    /   -(◎)-(◎)-\    しかし…お前も知っておろう。
    |      (((__人__)))  |    徳川様が、あの疋田殿すら退けられた話を。
     \      `⌒´  /     
    ノ           \   


   / ̄ ̄\         
 /  - -\         
 |   ( ●)(●)l    ああ、あの話ですか。
. |    (__人__) |         
  |    ` ⌒´ |         
.  |         }           
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

6012008/09/27(土) 23:34:07.67 ID:p3bv65nF0
              _,,,,------,,,,,,,,,_
             ,,-‐'゙⌒         ゙゙'''ー-,,、
        ,,-'""                 `''-、
       ./       ,,-r‐―‐r‐-、,,,、     ゙,!
      /      _,-'l°    |   `゙''-、,,、 丿
     ./  _,,―''""^   .|     ゙l       `''イ
     .,},,,-'""`      ,,ノ  .,、―く,,、   .ィi、  .|
    .l゙       .,,-‐″  .゙ー''¬、,""'-,、 .|.゙l'゙,! .|
    l゙  _、   ,/`       .,,,,,,,,,,゙''-,""'-,と,i´ ゙l
    .l゙ ,,i´:`''i、 │   { ゙゙̄'''-,,゙ーヽi""''i、`'x,ノ .y-∧
    .|,,i´` l, | .| }ィ¬. \   `'-,,,_`゙__r'′ ./''l/'''フ    久々の登場でござる。
    .|l゙  .,∠`-゚ ゙---)、 \     ̄  ._、 .ヽヘ.,/    疋田豊五郎でござる。
    { ゙ヽ | .゙l      ヽ  ゙l     .,-',_, . ゙'⊥
    .| 丿 .ヽl゙      ‘ l゙     Z""` ` ‘'''/.7
    .レ'゙'゙l,          {     /ン''''''''¬ー"",l
   ,i´  ‘ヽ,,,,y       l゙     _,,,,--、,,_  ,l
   .l゙      |″      ,""   .r'""`,--‐t―,,`'丿
   l゙      .|       .l゙    \ `'--,,,,""'゙‐',!
  ,i´      |       .|     ゙l,_.,r‐-i、,゙l ,!
 .,/       ″      .|      ゙""''ー、,,フ /
  |    .|゙\   、_    `i、             |
: ,/    l゙  .゙l    ゙''ー-,_  \、        ゙l
. l     .|  .|       `''-,,,,`.、      ,l
.l゙     .l゙  |  /''-,、     ``゙「,,,,,,,,二ニ,/
    l゙  .| .|  `'-,, `'-,,,_  .丿
           疋田豊五郎景兼

 ここで話は移る。
石舟斎を招くより前、家康は新陰流の兄弟子・疋田豊五郎を召し出した。
豊五郎は新陰流の勢法を上覧し、また家康の諮問にも答えたという。

6112008/09/27(土) 23:37:09.16 ID:p3bv65nF0
           |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
              |::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,,,--──--,,,,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
           |:::::::::::_,,,--‐‐'''"""            ""''''''ー--,,,_:::::::::::::|
             |彡≡|                          |≡ミミ|
          |彡三|                           |三ミミ|
          |彡三|                          |三ミミ|
          |彡/  /";;‐-,,,_               _,,,-‐;;"\ \ミミ|
          |彡| /;; '^'''‐-;;;;_"';;‐,,,_      _,,-‐;;;"";;;;;-‐`ヽ;;;ヽ |ミ|
          |彡|    ,,----,,,,,-''-;;;;_X   l、,i_;;;-.‐-'",,,,--、、     |ミ|
          |〃   <  (。;;;;;;`) ヽ、.:::ヽ    ,'" (;。;;;;;ヽ  ,>    |ミ|
          | |     `ー‐`'''''''"_,,-'' ::::|    \"'''''ー‐'‐‐'"      | |
        ,--、||         ''""   ::::::|      ゙''''‐-        ||,--、      「それは悪しゅうござる」
        /へ. |                 ::::::|                |/⌒ヽ、
       / >  |                :::::::|                     |   l゙l
       |( r''く|              ::/.:.:(                | ) ‐、|
       | ヽ -|            ::l 、"ヽ_,,r''‐、 ,i           |  _,,,i'/
        ゙、`‐-.|             `''    ""               |`'"_,,/
        ヽ、 |              _,,,--、_,--,,,_               |  /
          `ー|         _,,-‐'"__,,--、_,,--,,,_"''‐-,,_       |‐-'"
           iヽ          ('''"""        "''‐- ノ       / |
           | ゙、        `ー───────‐'"       / |
           |  .:.:゙、          _,,,,-‐-,,,_            /  |
           |   .:.:::゙、                         /  |


 この時期の豊五郎は豊臣秀次に仕え、その腕前は、
かつて昔、若き日の宗厳を圧倒した時を越え、まさに達人の域に達していたという。
(いかなる相手にも、ひきはだしないで立ち合い、その全てにおいて勝ちを得たと言われている)

6212008/09/27(土) 23:39:37.22 ID:p3bv65nF0
 しかし、上覧の後、豊五郎を下がらせた家康は、側の者にこう言ったという。

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,  ふむ…どうも疋田さんには、
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll""   「将たる者に必要な剣」というものがわかっていないようですね。
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll""      
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /          敵を倒すだけなら、わたくしが直接手を下さずとも、
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ          部下の皆さんに命じればいいのです。
         \_      ゛゛Y""     __ノ          将たる者に必要な剣は、とっさの時に生き残る為の技なのです。
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l           
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ            疋田さんは確かに強いのですが…、
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´               まあ、自分ひとりが強いだけの剣ですね。
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  ____   言うなれば、一兵士の剣…「匹夫の剣」というところでしょうか。
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    私には不要ですね。
               徳川家康

6612008/09/27(土) 23:43:29.48 ID:p3bv65nF0
      /⌒ヽ
    _ |   __
  ´  >´ ̄      `ヽ _
  /   / /      \ |
     │ | , |  ト、_  ,ヽi>     家康は、豊五郎の剣の腕そのものは「確かに強い」と認めたものの、
 ヽ_メ ー┼‐ヘ´ \ヽ  ̄/ |、    しかし、その強さが大将(自分)に必要なものとは考えていなかった。ということですね。
   | | 三三   三三≠ │|    これは、かの「剣豪将軍」足利義輝、「剣豪大名」北畠具教の最後、
   | |│||        | i /_」    「剣の腕に優れていても、結局、殺されてしまった」人たちの最後も
   | ,ヘ    厂 ̄}  | ,ヘ_j     影響しているのではないかと思われるのです。
   レ  ヽ、 __ ̄ ̄__/|./\\   (三方ヶ原での退却の時など、自身の経験も無論あったと思いますが)
       //丁|, | '\\\>
      /、|/ヽ/  |   ヽ/

6812008/09/27(土) 23:46:35.25 ID:p3bv65nF0
        ,. ==、、
        !    >>‐ ‐ ‐ .
          /       `ヽ┐       
        / / .// il 、、、ヽ く        
         レil /十rハ ヽヽヽハ /        また、豊五郎は自身の強さは疑いないものの、
         l l===  === li | 〉      人を教え導く才に欠けていた、とも言われていますね。
         | |こ)    (こ) リ |フ.r_‐┐   (尤も、後に疋田陰流を興し、そこからも幾人もの達者が出ていることを考えると、
.         从入/7__。.イi /ハ r─┐   これは評価としては不当だろうと思われる。
          /`<7,. r─┐i く'´r‐‐‐┐   あくまで、家康が求めるレベル(というか種類)には達していなかった、という話であろうと)
        /  /く/ `ー⊂i_ノ { ̄ ̄ノ     
    〔二二二二二二二二二二二二二二〕  それらが相まって、「匹夫(雑兵)の剣」=「自分が強いだけ」という評価が
     |  |   >~~~~{     |  |    下されたものだと思われます。
     |  |  / /⌒ Y ⌒ヽヽ   |  |
     |_| くーゝ.__人___ノ _,}    |_|

6912008/09/27(土) 23:49:43.10 ID:p3bv65nF0
       ,ィ
      / i
      i、i、
       `ゝヽ-‐' ̄ ̄``ヽ     ただ、このエピソードについては、
      r' /  i  i  ヽ iヽ   実際に豊五郎が家康の前で新陰流を上覧した、という史料がないため、
      ゝ i   {  /i  ノi i |   史実かどうかは不明瞭なのですね。
   iヽ、  トv'V´\| \/ト-i | 
   ヽ ヽ  |i ==  === i |    そもそも、豊五郎が家康の前で上覧することになったきっかけが、
    ヽヽ  |i、:::     ::: ノi |   上泉秀綱が家康から剣術指南役を推挙せよと言われたため、
     ヽヽ |i  ゝ、___, - ' i/    豊五郎と石舟斎の二人を推挙し、この時、同行していた豊五郎が参上した、
      ヽヽ,ゝr'´{/i},f }  ノ    という話があるのですが、この時期、既に秀綱は没している可能性が高く、
       =ム、-/  ト、i|       そのあたりを考えると、若干割り引いて考える必要があると思いますね。
         /ニニニ しiコ
        /    |   |       もし本当にこの話があったとしても、秀次or兄弟弟子の奥山休賀斎(後述)経由の縁で
        ´‐- 、_|___」      家康の元で上覧をすることとなった、という方がまだ妥当なのではと。
         |__/  | |
             `´

7112008/09/28(日) 00:00:11.19 ID:p8UTget/0
       ,r‐-、
.      ,!         _          あと、この家康による石舟斎への剣術上覧の要請なのですが、
.      i, _,r‐''''''''''''''''ヾ,_`、_       この仲介をした人物は、最初に述べた黒田長政説以外にも、今書いた秀綱説、
    ,r'''''''ブ、        `.、`フ      兄弟弟子の奥山休賀斎説、親交のある京の公家説など色々あるのです。
  ,r' .,f'´ ,r f  .i 、 , i  i`ト、     つまり、誰が家康に石舟斎を紹介したのかが不明なのですね。
    ,f  ,f ,'´i  ,'`、 ;`、ヽ,! .! Yi、    
    i  i i, ' ' ヽ;  ヾ,'`ヽi__ i、!``ー‐┐  しかし、もし、このエピソードが事実なのであれば、
    ` i'''''i ̄ ̄    ̄ ̄ ! .! ,ト、`ヾ;┘ 石舟斎を推挙したのは、豊五郎本人であった可能性もあります。
.     ! ┿━━   ━━┿ .!'  `ー′  
.     i ,ト、      , ,  i ,!        つまり、「家康が求める剣」とは、石舟斎の「無刀取り」であろう、と判断して、
      i ! ` 、__________,,/i,`′       家康に石舟斎を紹介した、という話ですね。
      ヽ,!  .f  /人;!/  i,        (だから、家康から「無刀取り」を見たい、という話が出たと)
          ヽ,r`i___iヽ,/___!        
.         ,r`.、,!:.:.:レ':.:.:.:.:>-、      そう思うと、豊五郎に「将たる者の剣」を教える才がなかった、というより、
        ,r:i;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.':,ゞ-ゝ    単にそういう剣はやりたくなかった、という可能性もありますね。
         `ー--''´`ー--‐''´      (秀綱に「豊五郎はしないを振らせておけば機嫌がよろしい」とまで言われた人物ですし)

7212008/09/28(日) 00:03:10.48 ID:p8UTget/0
                ,ィ 二ヽ
              レ        
          f/  ̄`´ ̄ ヽ.     ともあれ、かつての石舟斎を圧倒した疋田豊五郎の剣ですら、
   {二二二二ィl ナナl N、l、ト、 l   家康の眼鏡には適わなかった…。
  〃     〈ハ | ==|/ ==.ト、|   そういう話は、同門たる石舟斎にも届いていたと思われます。
 〃 ____l lj.|""┌┐""リノ
 `―――――┘..)‐┴┴‐ 'N_)

7312008/09/28(日) 00:05:36.87 ID:p8UTget/0
 さて、話は戻る。
       ______
      /    /三\\      かつて、宝蔵院にて手も足も出ずに終わり、
    /   -(◎)-(◎)-\    あれ以来、あの方としないをあわせたことはないが、
    |     (((__人__)))   |    伝え聞く限り、相変わらずの壮健さ…。
     \      `⌒´   /    疋田殿で駄目なら、それがしとて大して変わらぬ。
    ノ           \     要らぬ恥をかくのも厭じゃ。

7412008/09/28(日) 00:09:11.84 ID:p8UTget/0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \     
 |    ( ●)(●)    ………?
. |     (__人__)    
  |     ` ⌒´ノ    なにを言っておられるのですか、父上。
.  |         }    それがしには、逆にまたとない機会としか思えぬのですが。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

     ___     ━┓
    / ― \   ┏┛
  /ノ三 (◎)) \  ・
. |((◎)   ⌒)) \  どういうことだお?
. |  ((__ノ ̄    |
   \        ノ
    /´     `\
     |        |


7712008/09/28(日) 00:13:46.68 ID:p8UTget/0

        / ̄ ̄\   
      /       \      
      |::::::        |   
     . |:::::::::::     |    父上、この話が本当ならば、
       |::::::::::::::    |   徳川様が求めておられる剣は「護身の剣」。
     .  |::::::::::::::    }     即ち、まさしく父上の「無刀取り」でござろう。
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /:::::::::::: く    
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――


        / ̄ ̄\   
      /       \      
      |::::::        |    父上が新陰流の正統を継いで30年…。
     . |:::::::::::     |    長きに渡って研鑽された我が柳生の新陰流が、
       |::::::::::::::    |    天下一であることを示す絶好の機会でござる。
     .  |::::::::::::::    }     
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /:::::::::::: く    
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――

7812008/09/28(日) 00:16:43.78 ID:p8UTget/0
        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |::::::(●)(●) |    例えば…疋田様の剣すら退けた徳川様に、父上の剣が認められれば、
     . |:::::::::::(__人__)|     それは、柳生が疋田に優る…そう世間は捉えるのではございりませぬかな?
       |::::::::::::::` ⌒´ |     
     .  |::::::::::::::    }
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /ヽ三\´    | 
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴

       ____
     /     \
   / \ 三 / \     ……!
  / -(◎) - (◎)- \     又右衛門…お前は…。
  | し  (((__人__)))    |     
  \     ` ⌒´     /

8012008/09/28(日) 00:19:56.70 ID:p8UTget/0
        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |:::::: (●)(●)|     父上、勘違いなさいますな。
     . |:::::::::::(__人__)|     それがしは何も疋田様へ意趣返しを、などと言っているわけではござりませぬ。
       |::::::::::::::` ⌒´ |     あくまで目的は、それがしの仕官でござる。
     .  |::::::::::::::    }     それがしのわがままでござる。
     .  ヽ::::::::::::::    } 
      //⌒)⌒)⌒) \  /⌒)⌒)⌒) …まあ、結果的に我が柳生の名が高まることもござりましょうが。
    ノ  | / / /   (⌒) / / / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /

8212008/09/28(日) 00:23:33.27 ID:p8UTget/0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)    ですが、徳川様とて、無名のそれがしの術を見たいわけではござりますまい。
  |     ` ⌒´ノ   だからこそ、父上にお縋りしたいのです。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、


   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l     父上。
. |    (__人__) |    拙者、徳川家に仕官してみたいのです。
  |    ` ⌒´ |     どうか、助けてくださいませんか?
.  |         }     
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

8412008/09/28(日) 00:26:13.66 ID:p8UTget/0
     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/     …………。
|      (((__人__))l;;,´   
/      ∩ ノ)━・'/     (又右衛門…わが息子ながら、
(  \ / _ノ´ |  |      どうしてこう一族の他の者と違うんじゃお?)
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 


     ____
   / ~~~\ ( ;;;;(
  /   _ノ三ヽ__\) ;;;;)   
/   -(◎)-(◎ /;;/    (しかし…この如才のなさは、我が一族の他の者にはないものじゃお。
|      (((__人__))l;;,´     この柳生庄で燻らせては勿体ないのもまた事実じゃお…)
/      ∩ ノ)━・'/    
(  \ / _ノ´ |  |      
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 

8512008/09/28(日) 00:29:18.57 ID:p8UTget/0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)      …如何でしょうか、父上?
. |     (__人__)      それがし、仕官が成った暁には、
  | し   ` ⌒´ノ     決して新陰流と父上の名を辱めぬよう努めまする。
.  |         }     
.  ヽ        }      (やべぇなこりゃ…怒らせたか?
   ヽ     ノ       とはいえ、ここまで言っちまったんだ。
   /    く  \      意地でも食い下がらなきゃな…)
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

     ____
    / ⌒ 三 ⌒  \       (……やれやれ…)
  ./( -)-( ●)- \      
  /:⌒(((_人_)))⌒::: |     ……まったく、お前という奴は仕方の無い奴じゃお。
  |    ー       .|      
  \          /

9212008/09/28(日) 00:52:27.29 ID:p8UTget/0
      ____
     /⌒ 三 ⌒\
   /( >)-(<)-\       又右衛門、黒田殿の使者には、こうお返事を返すことにするお!
  /::::⌒(((__人__)))⌒::::\  
  |    /| | | | |      |     「お話、承知致しました」とな!
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄


   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l   父上…!ありがとうございます!
. |    (__人__) |  
  |    ` ⌒´ |      
.  |         }           
.  ヽ        }  
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

9312008/09/28(日) 00:54:25.73 ID:p8UTget/0

      ____
    / ⌒三⌒  \
  ./( ―)-( ●)-  \    (…まったく、とんでもない奴じゃお…)
  /⌒(((_人_)))⌒::::: |   
  |    ー       .|
  \          /

       ____
     /_ノ三ヽ_\
   /( >)-(<) \     (でも、こうやって頼ってくるのもまた嬉しいところなんじゃお!
  /::⌒(((__人__)))⌒:::\     やれやれ…この石舟斎も、息子には甘いお)
  |     |r┬-/      |  
  \    ` ̄'´     /

 こうして、石舟斎は宗矩を伴い、徳川家康の前で新陰流を上覧することとなった。

9412008/09/28(日) 00:57:50.19 ID:p8UTget/0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( -)(-)    やれやれ…一時はどうなるかと思ったが、
. |     (__人__)     どうにか話もまとまってよかったよ。
  | し   ` ⌒´ノ   
.  |         }     さて、上手いこといけばいいんだがな…。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

 |_,.へ、-、ヽこ Vヽ_
 |三ヽ/ ヽ }//└ーァ
 |フ `{_ (⌒Vi|//⌒ Tュi、
 |-=‐'_'い{〉´`くア ノlV ハ
 |/,.へ! ソ  /^ー<__ノノ-1  
 |二、      =、‐、ヽ(ニ二}       若様!
 |⌒ヽ       ヽ} トー-={      黒田様の御使者がお帰りになられましたが、
 |、(・)l    ,.-=、   トニ= /      一体何用だったのですか?
 | `´ ,.、  '(・) }  」こ‐ノ   
 |‐、 '  }  ´``''′ /ーソ′
 |ヽ `ー- ...__   /-く     
 |、 ``' ー-}ノ  /7^i/
 | `_ー--一'´  /_ノノ      
 |   ̄   /ー'´
 | 、__,.. イ´
 |/=== rーv─r- 、
 |//:::::::ノ {つノ-─--、ヽ
 源太(宗矩付の小者・仮名)

9712008/09/28(日) 01:01:12.75 ID:p8UTget/0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   おお、源太か。
. |     (__人__)    うむ、大納言徳川様が、父上の無刀取りを見たいとの仰せでな、
  |     ` ⌒´ノ   それがしもついていくことになったのじゃ。
.  |         }
.  ヽ        }    上手くいけば、それがしも仕官が適うかもしれんの。
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)   そうなれば、お前もそれがしについてくるのだぞ。
. |     (__人__)    徳川様の治めておられる江戸はまだまだ田舎だが、
  |     ` ⌒´ノ   今の状況を考えるに、徳川様も当面はこちらにおられるようだし、
.  |         }    もし、お仕え出来るとすれば、当面は京に住むことになるかもの。
.  ヽ        }     
   ヽ     ノ     京は華やかだし、お前も気に入るかもな。
   /    く  \   楽しみにしておれ。
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

9912008/09/28(日) 01:06:17.53 ID:p8UTget/0
             __
      /`ヽ/   ο `ヽ、              宗矩の後の姿をご存知の方ならば、
    /⌒ヽ/           i              この上覧こそ、まさに柳生家の運命を決めるものだったことは
   /,ニユ、{     ,r''{下、'ー-、,__           周知のことでしょうが、当時の状況を考えれば、
   {(  {ヽヽ   /^'イ:」ヾ',ィー-、ゝ、         宗矩自身は徳川家を、あくまで仕官先候補のひとつ、程度に
   `  い ヽ, ム、    /::/ ̄`ヾー--.、      考えていたのではないかと思われます。
       `ゝ (__}__, /`⌒ヽ;::::::::::::\;:::::`ヽ、
       `ー '    `{::::::::::::::::::::::_;_:;;;;:::::::::::;ノ`ヽ,  実際、この時、日本を支配していたのは
              ヽ、:::::::;r''´  \ ̄ ̄  ̄  まだ豊臣家だったわけですし。
                 ̄  `` ー '

           ,ィ' ))
       (( /{′
      _{ {,. -─‐-_、_            で、これは個人的な推測ではありますが、
    ∠-,rー    ,r',rー‐、'、         如何に新陰流の修行を積み、禅を学んでいたとて、
     / / ,.    j {   ゙}i         この時、宗矩は24歳。まだまだ若い年頃です(未婚だし)
     ゝ/,/ ,イ   ,ス ヽ__ノ;         大徳寺への参禅などで京の華やかさを知っていた身としては、
      'イ ト、  '/'>、-ュキ=ゝ、       案外、徳川に仕えるのが目的というより、
      {  ,!ノ,. -'´  </~!|」:i__\      「田舎(柳生庄)を出て、都会(京)で暮らしたいZE!」とかいう
   _,. -',.-イ´     ,r:';ニ-‐=‐::`ヽ、     若者らしい心情の方がメインだったんじゃなかろうかと思ったり。
  (_r'' ´(_|__    //:::::::::::::::::::::::::::::\  
   `      `ーク::::::::::;r‐-、;:::::::::::;/`ヽ、  言うなれば、「オラ京さ行くだー」というとこで砂。
            `ー-(   ヽ─'`ー─ '  
                `ー-‐′

10212008/09/28(日) 01:08:58.64 ID:p8UTget/0
 そして、石舟斎と宗矩は、徳川家康のところへ参上した。
文禄三年(1594)、5月3日、場所は京の郊外・紫竹村である。

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ      ホホホ…私の石高は240万石です。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ     今日はよく来ましたね。噂に名高い無刀取りを見せてもらいますよ。
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l    
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ   
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i


            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)    (この方が大納言徳川家康様か。
          | し   (__人__)      流石にスゲェ迫力だろ…常識的に考えて)
             |     ` ⌒´ノ   
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

10312008/09/28(日) 01:12:22.79 ID:p8UTget/0
       ____
    / ~~~\
   /  ─ 三 ─\      
 /   -((◎)-(◎))-\    わざわざ、この年寄りの粗末な技をご覧になりたいという仰せで恐縮ですお。
 |     (((__人__)))    |     早速ながら、我が新陰流を披露いたしますお。
 \     ` ⌒´   /         
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     …宗矩!打ち太刀をするお!
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||


            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)    は、はい!承知しました!
          | し   (__人__)     
             |     ` ⌒´ノ   
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

 石舟斎と宗矩は、早速新陰流の勢法を披露した。
そして、

10612008/09/28(日) 01:16:27.60 ID:p8UTget/0
          ____
       /  ─三─\
      /  -(◎)-(◎)-\ それでは、最後に無刀取りをお見せ致しまする。
    /    (((__人__)))  \     宗矩!遠慮はいらぬ、存分に打ち込むお!
    |       ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   /⌒)⌒)⌒)
    ノ  | / / /   (⌒) / / / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /

            /
          //            
        ///       / ̄ ̄ \  (⌒\
       ///        / _ノ !!!!ヽ、 \  \ ヽ 
       (  (        |  ( ⑪)(⑪ ) |   \ \ 
       \ \      |  (__人__)  |    \ \
         \ \     |   |!!!!!!!!|   |     \  \    では、いきますぞ!!
          \ \.  |    |ェェェ|   }       \  )
            \  ヽ ヽ         }       / / 
             /  \ ヽ      ノ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ /
           //  /           ̄ ̄ ̄ ̄)  )
         /  (  ⌒ ̄ ̄ ̄ヽ         ノノ/
      _/  / `ー―――、  )        ノ/
 ー=二三 __ノ        ノノ/       /
                  ノ/
                /

  宗矩は、石舟斎に打ち込んだ。

10812008/09/28(日) 01:21:45.99 ID:p8UTget/0
        ____       |  | 
       / ~~~\     |  | 
     /   ─ 三 ─ \    |  |
    ./   -(◎)-(◎)- \ {二二}_ ガシッ
    |     (((__人__)))   |<__(__> て
r―n|l\      ` ⌒´   ,/ (_<__(__> そ
  \\\.` ー‐ ' .//     (_<_ _(_ > そ
\       <  __)    (__  _>て
  \.       <  __)   | |◆|  \
    \.       <  ___)  \|◆| \
      \_    <____ノ    |◆|    \
                   □

              __
             □◆〈〈〈〈||二二二二二
      ____    〈⊃  }  ))   ))
     / ⌒三⌒\    |   |
   /-(◎)-(◎)-\  !   !
  /:::⌒(((__人__)))⌒:::\ |   l
  |     |r┬-|       |   /  取ったお!
  \     ` ー'´     //

 石舟斎は、宗矩の打ち込んだ刀をなんなく奪い取り、無事、無刀取りを家康の前で披露した。
これで上覧は終了である。

10912008/09/28(日) 01:24:45.91 ID:p8UTget/0
      ____        __
    /i||||||||||||||||||iヽ      \ 
 / ̄ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ    <              
'""ヽ  ヽ!|||||||||||| ||||||! ヘ 、― / 
||l   ___ヽll,‐''''__ゞi .|||||| . ほう、これが無刀取りですか…!
||l  /ヽ、 o>┴<o /ヽ\||||||  実に興味深い…。
ヽ‐イ  |ミソ ̄'"ノ"/li゙ ̄゛l;|l |、 |   なるほど。奥山とも、疋田ともまた違う剣ですね…。
.\/l  .|ミミl l―――フ..l;ll / ∠  
 .\ノ  |ミミ.l..\=ヲ/ l;|/   フ .
   ̄\ |ミミ.l..  ̄ ̄,,,l;/    \
   l \ヾ゙゙....  ̄."/i     ∠_
 _/_``\ ̄、 ̄/ /l___  /


            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( -)(●)    (…どうやら、上手くいきそうだな…)
          |     (__人__)      
             |     ` ⌒´ノ   
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

 石舟斎の無刀取りを見た家康は、大いに興味を持ったという。
ここまでは計算通りであり、あとは石舟斎から自分を推挙してもらうだけ、というのが
宗矩の腹積もりであった。

11212008/09/28(日) 01:28:38.20 ID:p8UTget/0
              ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,  ___
         ,,..;;;iilll"iilll"iiillllii"iilllllllliiiiill';;';;';;,,,, _
        ,;llli;lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllijノllllllllli;,
       (;:iilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllij/lllllllllllllllli;,
      ヽiillllllゞlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliiiiiiiiiiiiiiiiii;;;,,
       ゝ,illlllllii-==‐''''''''''''""""""'''''‐=..,,iillllllllllllllllli;ノ
        l;;;;;'"               ';;;;;"'=:;ill||i'
        .{;;;'       __ ,.........,,__   .,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'    もう出番無いけど、俺が奥山休賀斎公重。奥山キューガだ。
        |;;'"'ニ二ヽ  "-,z=ニ'.., ¨'‐、  ';;;;;;;;;;;;;;;'    奥山新陰流(奥山流)の流祖なんだぜ?
        l;' ,z,=ニ,、 ヽ   '"ゞ_,テッ    ';;;;;;;;;;;;;;'
        l; `'‐`''-' /     ̄      ;;;;;;;;;;;;;;'
        ,.}     ノ             ,;;/⌒,i
       .i {    '., =            ,z'ソ j }
        `l   _,...ノェ...,,,__         jl o ',//
        ゝ  ` ‐==‐           /`i¬'
         ヽ              , '  i|
          ヽ           ,.-'   {
           .iヽ       _,.-'  ,;   |
           { ` ‐---‐ '    ,;'    .il‐-、
           jl          ,;;'    ト  ヽ
       _,. - '" .|         ,;;'     ノ   iト
             奥山休賀斎公重

 なお、家康と新陰流の縁は、これが最初ではなく、
その昔、秀綱門下の一人(つまり石舟斎の兄弟子)、奥山休賀斎に7年間師事し、新陰流を修めている。
ちなみに、奥山新陰流は後に幕末の名流派、直心影流の祖となる流派である。

11412008/09/28(日) 01:31:14.69 ID:p8UTget/0
       ,ィ
      / i
      i、i、
       `ゝヽ-‐' ̄ ̄``ヽ
      r' /  i  i  ヽ iヽ     ちなみに家康は、新陰流の他に新当流も修め、銃の扱いにも熟達している上、
      ゝ i   {  /i  ノi i |    一日に何里も走って平然としていたなど、肉体的にも、武芸の技術的にも、
   iヽ、  トv'V´\| \/ト-i |   かなり優れた能力の持ち主だったそうです。
   ヽ ヽ  |i ==  === i |
    ヽヽ  |i、:::     ::: ノi |   「海道一の弓取り」の名は伊達ではない、ということですね。
     ヽヽ |i  ゝ、___, - ' i/
      ヽヽ,ゝr'´{/i},f }  ノ
       =ム、-/  ト、i|

11512008/09/28(日) 01:34:34.23 ID:p8UTget/0
                ,,,iill||||||||||||llii,,,
               ii||||||||||||||||||||||||||||ii
              .ii|||||||||||||||||||||||||||||||||ii
              | ゛!||||||||||||||||||||||||||||! |
               |  !|||||||||||||||||||||||!.  |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              |   ゛!|||||||||||||!     |    |
             ┌      ̄ ̄     ┐   |   興味が湧いてきましたよ…。
             | ] 、─-。、  , 。-‐‐,: [ |  <    
             └-、  | ̄`<_,、´ ̄|  ,.-┘   |    私に木刀をお持ちなさい!
                ヽ_| ー≡-7 | /.       |
                  `i 、_  _,.-i´        \___________
           ___ -‐' ヽ  ̄ /`ー-、___
        iiiii|||    ー──--、/--‐──'    |||iiiii

            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ○)(○)     と、徳川様!
          | し   (__人__)     何をなさるのですか?
             |     ` ⌒´ノ     (つーか、顔、変わってね?)
              | し       }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

 家康は腰を上げ、木刀を持ってくるように命ずると、
座敷から庭へ出て、石舟斎と宗矩のところへ歩んでいった。

11812008/09/28(日) 01:40:48.50 ID:p8UTget/0
                ,,,iill||||||||||||llii,,,
               ii||||||||||||||||||||||||||||ii
              .ii|||||||||||||||||||||||||||||||||ii
              | ゛!||||||||||||||||||||||||||||! |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               |  !|||||||||||||||||||||||!.  |    |   なに、簡単なことですよ。
              |   ゛!|||||||||||||!     |    |   無刀取りを私自身の手で確かめたいのですよ。
             ┌      ̄ ̄     ┐   |   今から私が打ち込みますから、その木刀を取りなさい。   
             | ] 、─-。、  , 。-‐‐,: [ |  <    石舟斎殿ほどの達人ならば…他愛ないことでしょう?
             └-、  | ̄`<_,、´ ̄|  ,.-┘   |    ホホホ…。
                ヽ_| ー≡-7 | /.       \___________
                  `i 、_  _,.-i´     
           ___ -‐' ヽ  ̄ /`ー-、___
        iiiii|||    ー──--、/--‐──'    |||iiiii

         / ̄ ̄\
       /   _ノ  \
       |    ( ◎)(◎)          あ、あぶのうございまする!
       | し   (__人__)        
          |     ` ⌒´ノ          (マズい!やらせじゃねぇかどうか疑ってる!
          | し       }            ここで断ったら新陰流の名も、柳生の名も地に堕ちる…!
          ヽ        }             断れねぇ!しかし下手すりゃ徳川様にお怪我が…!
      //⌒)⌒)⌒)  \ /⌒)⌒)⌒)    父上!どうする…?)
    ノ  | / / /   (⌒) / / / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /

 無刀取りの実演を見た家康は興味をそそられ、自分の手で直に体験してみたい、と言い出したのである。
あるいは、無刀取りそのものを疑っていたのかもしれない。これは宗矩にとっても想定外だった。

12112008/09/28(日) 01:47:41.03 ID:p8UTget/0

       ____
    / ~~~\
   /   ⌒ 三 ⌒\       …よろしゅうございます。
 /    -(◎)-(◎)-\    
 |      (((__人__)))  |     それでは、恐縮ながらお相手させて頂きますお。
 \      ` ⌒´ /     宗矩、お前は下がって見ておくお。
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

            / ̄ ̄\  て
          /   _ノ  \ そ
          |    ( ○)(○)      父上…!
          | し   (__人__)     (やっぱりそうきたか!
             |     ` ⌒´ノ     でも、万が一のことがあったらどうすんだよ、常識的に考えて!)
              | し       }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

 焦る宗矩を脇に、石舟斎は家康の申し出を軽く受け入れた。
宗矩を下がらせると、素手で家康の前に立った。

12412008/09/28(日) 01:50:19.82 ID:p8UTget/0
          ____
       /  ─三─\
      /  -(◎)-(◎)-\   …宗矩、よく見ておくがいいお。
    /    (((__人__)))  \     それでは徳川様、ご自由にお打ち込みくださいお。
    |       ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   /⌒)⌒)⌒)
    ノ  | / / /   (⌒) / / / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /

                ,,,iill||||||||||||llii,,,
               ii||||||||||||||||||||||||||||ii
              .ii|||||||||||||||||||||||||||||||||ii
              | ゛!||||||||||||||||||||||||||||! |
               |  !|||||||||||||||||||||||!.  |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              |   ゛!|||||||||||||!     |    |
             ┌      ̄ ̄     ┐   |   ホホホ…言いますね。
             | ] 、─-。、  , 。-‐‐,: [ |  <    ならば、手加減はしませんよ!
             └-、  | ̄`<_,、´ ̄|  ,.-┘   |     
                ヽ_| ー≡-7 | /.        \___________
                  `i 、_  _,.-i´       
           ___ -‐' ヽ  ̄ /`ー-、___
        iiiii|||    ー──--、/--‐──'    |||iiiii

 素手の石舟斎の前に、家康は木刀を手に迫った。
手加減なしの本気で打ち込む構えである。

12612008/09/28(日) 01:52:14.08 ID:p8UTget/0

                                               ,-‐''''""''''ヽ、
                                              /:::::::::::::::::::::::::::゙ヽ
                                            / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,
                                           /  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::_|
                                            |  \:::::::::::::::::::::,-'""/
                                      _  /||\  ‐---‐''"/,  /
                                    /:::::::::::::ヽ、lヽo | /,/─ /ヘl /
                                ,-── ̄\:::::::::::::::| /ヽ'/レoニ=‐/ ヽ
                 | /          _,,,,,/、,,-‐─'''ヽ、 ヽ--- || /ヽ-、 / /, //、         でやあッ!!
                | /  /     /   \\     \,,,,,,  \l二/ ,/ / ̄ ヽ:::::\
             \  | /  /    //   ̄   |l     /    ̄  ̄二ニ/ =| \:;ノ
              \,,|丿‐''"ニ,,-‐''''''""'ヽヽ    /、,,,,,-‐l" \             |ヽ/
            \丿   / / /,-''''" ̄ /ノl   /    \   \____/__    ./ ||
           \ノ    __,ゝ‐'",--、-、  /'''""'''"      / \__/::::::::::::::::::::::/'''‐/   | |
           ,,,,ノ   ヽ‐‐'''"""二"_/           /、    |::::::::::::::::::/、 /|   / /_
       ,,-‐'''"~  ,,,      ゝ             /ヽヽ   |::::::::::::/,,/   ヽ /,‐'''\
  ,,,-‐'''''"~  ,,,-‐'''"// /、,,,、ヽ‐\            /   |    >‐"/      |  |
‐''"   ,,,,-‐''"     ///  ヽ|ヽ \       ,,,-‐''"~          /       ヽ_ |
  ,,,,-‐'"         /      |        ,.‐'''""~          ,-'"ゝ、         ─''''"
''~            /      ヽ     /   /      _,,,,/-‐、   \
                        /   /    /  /'''"''ヽ、   ヽ    \──--,,,,,,
                        /  /     /  /\,,, ,,,ノヽ、  \    |    l  ゙''ヽ
                    ,,,-‐‐/ ''ヽ _,,,,,/ /   \‐''"  \  \    |  /      |
                  / ヽ ヽ  / ,-─'''"~       ゙''ヽ 、 "''''   ゙゙'''/)

 家康は、全力で木刀を打ち込んだ。

13112008/09/28(日) 01:56:31.99 ID:p8UTget/0
        ____       |  | 
       / ~~~\     |  | 
     /   ─ 三 ─ \    |  |
    ./   -(◎)-(◎)- \ {二二}_ ガシッ
    |     (((__人__)))   |<__(__> て
r―n|l\      ` ⌒´   ,/ (_<__(__> そ
  \\\.` ー‐ ' .//     (_<_ _(_ > そ
\       <  __)    (__  _>て
  \.       <  __)   | |◆|  \
    \.       <  ___)  \|◆| \
      \_    <____ノ    |◆|    \
                   □
              __
             □◆〈〈〈〈||二二二二二
      ____    〈⊃  }  ))   ))
     / ⌒三⌒\    |   |
   /-(◎)-(◎)-\  !   !
  /:::⌒(((__人__)))⌒:::\ |   l
  |     |r┬-|       |   /  取ったお!
  \     ` ー'´     //
   |        ___
  \      <  __)て
    \.    <  __) そ
      \.   <  ___) そ
        \_ <____ノ て

 石舟斎は打ち込まれた木刀を奪い、
もう片手の拳を家康の喉もとへ突き付け、そのまま家康を組み伏せた。
これが実戦であれば、家康の死…敗北である。

13612008/09/28(日) 02:00:31.81 ID:p8UTget/0
       ____
    / ~~~\
   /  ⌒ 三 ⌒ \       …徳川様、失礼致しました。
 /   -(◎)- (◎)-\     ご納得頂けましたでしょうか?
 |     (((__人__)))    |    これが、無刀の身にても相手を制する、
 \     ` ⌒´   /     我が新陰流の「無刀取り」ですお。
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

 石舟斎は組み伏せを解き、家康を解放すると、後ろに下がり、家康の答えを待った。
家康は起き上がると、信じられないものを見る目で石舟斎を見た。

13812008/09/28(日) 02:04:16.16 ID:p8UTget/0
  /:::::::::::::::::::/      ,イ|  / ///      ヽ "' :::::/二::::::    
  ,':::::::::::::::::::/     / ┃              /:::::/|   \
  |::::::::::::::::/     /    ┃    /        /::::::::| :|
 .|:::::::::::::,.'     /     ┃  /          |::::::ノ ヽ
 |:::::::::/l   /  /     ┃ /            |‐''"   \
 |‐'''"  |   |  /     // ̄ \         ヽ     \_     ………これが…これが無刀取りですか…!
 | |   ヽ  | ┃   //     \        ゙、
 | |    |ヽ|  ┃◯//     _ \       \    /::
 | / 、 ヽ,|   ┃ / /     __ ヽ \        ヽ、...:_,,,
 /┌‐   ゝヽ  レ'"// /   ___\  \       \,,,,,,,,-‐
 ヽ,  イヽ、\=ソl‐///   /  \\  \
  | /   ○フニl//‐''ヽ  / ,-''"""゙|l |  \         |、
  ヽヘ   // |/|  ,-  /,-"   ヽ||   \ \         |ヽ
    \ ゝヽ/ | ノ |  //    /、|゙、   | l \       |
     >、 |  |ヽニ'' /'"    /ヽ  |ヽ   | | \       |
  / ̄:::ヽ 、  l  ,//    /   /::::|   |/  \      |
./::::::::::::::::::ヘヽ   | ゝ   /    /:::/       \    /
:::::::::::::::::::::::::::゙、ヽ  | \、  /   /:::/         .|  //
::::::::::::::::::::::::::::ヽ \ \ \ヽ'ヽ  /:::/  ,::::::,,,-     | / /
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ、 ヽ ヘヽ-::::/  /::/"      / /

       ____
    / ~~~\
   /  ⌒ 三 ⌒ \      
 /   -(⌒) (⌒)- \     はい。武器のない状態でも、
 |     (((__人__)))    |    武器を持った相手を制し、生き残る技ですお。
 \     ` ⌒´   /     
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |

13912008/09/28(日) 02:06:40.26 ID:p8UTget/0
             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ       ……見事ですよ。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ      ここまで私をコケにする武芸者がいるとは思いませんでしたよ。
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l    
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ   
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i


            / ̄ ̄\   
          /    \ /\
          |    ( ●)(●)    
          | し   (__人__)     (わかってはいたがやっぱりすげぇ…これが父上…。
             |     ` ⌒´ノ      いや、剣豪・柳生石舟斎か…!)
              | し       }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

14312008/09/28(日) 02:09:17.04 ID:p8UTget/0
                ,-‐,,ii||||||||||||ii、-、
 `゛!!!iiiiiiiiiiiiiii;;;;;;;;;;,,,,,-‐/ i||||||||||||||||||||||||i ヽ‐-、,,,,,;;;;;;;;;;iiiiiiiiiiiiiii!!!"´
    '''''!!!!!|||||||||||||/   i|||||  |||||||||||||||||i   ヘ|||||||||||||!!!!!'''''
       ''''''''!!!!!I/   ||||||  ||||||||||||||||||   `iI!!!!!''''''''    /Vー-へノ\ノ\ノ\ノ\
           ヽ,   !|||||||||||||||||||||||||!"   〈      ノV               \
─────----了     ゛!!||||||||||||||!!"     `ヽ---─く
 |    |    | `ゝ.__       ̄Y ̄     ___ノ   ノ
 |    |    |  ,| ]下ミ ̄`。、_|_;'。´ ̄7エ"┬| |  ノ   気に入ったぞ石舟斎殿!
 |    |    |  |└、 トミミi─'´<_,l、三´,E=|#ナノ |  )
 |    |    |  | | `ヽトミ||^=====^|E彡/  ' | | |<    是非我が師となって、そなたの新陰流を教授しろ!!
、 |    |    |  | | ーヾミ||]⌒i⌒「|ソ‐'-─/ / |  )
  ヽ、  |   /^‐━, \_ `、`===='',/  _/ /\ |  └、
    ヽ、 | /ノ―、='、 \_二二`─´二二_/    \   Vヽ
      ヽ/´ /  / ̄`i、    ̄|| ̄        / \    ヽ/ ̄ ̄ヽノ⌒Vー-、/⌒V
      ノ  丿   l   | `i---┼-----------'´
      |   〈 l   〈 〉  |
      ゝ         ,/

 家康は石舟斎の技を賞賛し、その場で石舟斎に誓紙を入れて弟子となり、
また、剣の師として自らの側に居るよう命じた。

14612008/09/28(日) 02:11:39.49 ID:p8UTget/0
   ,f´  ` `        _ .、 ヾ、!_
  ,f .,r'´,r'/!  i、 , 、 ´ `、! .ヽ`、`!
.  i ./f / / .i   !`、.`、ヽ   i  .i ヽ`、    家康は、石舟斎の新陰流を、自らが学ぶに足る剣術だと認めました。
.  V ,! /i i  ヽ  ヽ `、.`、`、  .!  i .i,ム   これは、丸腰でも、武器を持った相手の攻撃から身を守る「無刀取り」が、
   i ! ト'_____,,,`、,,,,ゝーヾ、!'''、'´!  i .i,ノ   「将たるものは、まず自らの身を守ることを優先するべし」
   ヽ,! i,          ` `、!  .!、,!)    という家康の考えに合致したから、と考えられます。
    i ,i;;;;;;;;;;;;;;'  `;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''!  .!,!i`ヽ、
.    ! !___       .r‐‐‐、,i  i'i:i'ヽ、!  また、ここで剣の師として石舟斎に側で仕えるように、というのは、
.    i (ゝ、-'       `ー'7' i  ./ i;,i  `  万が一の際は、無刀取りによって自らの危機を救って欲しい、という
     ! / ` - ,___A__,, - '7´ i ,イ      ボディガード・SPとしての役割も期待していたものと思われます。
.     !/    ./ `、/!'i、,/i、  レ' , `、   

14712008/09/28(日) 02:14:16.77 ID:p8UTget/0
 あと、以下がこの時、家康が石舟斎に入れた新陰流入門の誓紙です。
             ____
             /ヽ__//
            /  /  /
            /  /  /
           /  /  /
          /  /  /
          /  /  /
           ̄ ̄ ̄
  『敬白 起請文事

   一.新陰流兵法相伝事
   一.無印可以前雖親子不可他言事
   一.対其方不可有疎意事

   右此旨於偽者日本国中大小神祇殊麻利支天当可蒙御罰者也 此起請如件
  
   文禄三年五月三日  家康(花押)

   柳生但馬入道殿』

 この上覧に至るまでの経緯には不明な箇所がいくつかあるものの、
結論としての、

 「石舟斎が家康の前で新陰流を披露し、
  その技に感嘆した家康が石舟斎に誓紙を入れた」

 ということと、それを成した石舟斎の実力は、
このような形で明確に残っているわけですね。

14812008/09/28(日) 02:16:41.63 ID:p8UTget/0
            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)     
          | し   (__人__)     (…あ~、ホッとはしたけど、父上の方にお声が掛かっちゃったよ。
             |     ` ⌒´ノ     これじゃ俺の出番はねーな。
              |         }      父上はどこにも仕官するつもりはないし、またどこか探さないとなあ…)
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

      ____  
   /  ~~~\
  /   - 三 - \  
/    -(◎)-(◎)-|    ………。
|      (((__人__))) |   
/     ∩ノ ⊃  /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

 家康が、父・石舟斎に誓紙を入れたのを見て、宗矩は安堵しつつも落胆していた。
あの無刀取りの後で、自分が仕官を願ったとしても、家康が納得するとは思えないからである。

15012008/09/28(日) 02:20:15.85 ID:p8UTget/0
     ____
    / ⌒ 三 ⌒  \ チラッ
  ./( -)-( ●)- \      
  /:⌒(((_人_)))⌒:::: |   
  |    ー       .|      
  \          /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

            / ̄ ̄\  そ
          /    \ /\ て
          |    ( ●)(●)    
          | し   (__人__)     (………!?)
             |     ` ⌒´ノ  
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

15112008/09/28(日) 02:22:42.40 ID:p8UTget/0
       ____
    / ~~~\
   /  ⌒ 三 ⌒ \     
 /   -((◎)-(◎))-\    …徳川様…それがしは既に年寄り。
 |     (((__人__)))    |     お側でお仕えするには、いささか体がきつうございますお。
 \     ` ⌒´   /         
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

       ____
    / ~~~\
   /  ⌒ 三 ⌒ \       
 /    (⌒) (⌒) \      …代わりと言ってはなんですが、
 |     (((__人__)))   |     ここにいるそれがしの息子、宗矩を
 \     ` ⌒´   /     それがしの代わりにお側仕えさせて頂けませんかお?
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||

15612008/09/28(日) 02:27:00.27 ID:p8UTget/0
      ____
     / ⌒ 三 ⌒\
   ./( ―)-( ●)- \     この者には、拙者自ら新陰流を仕込みましてござる。
   /::⌒(((_人_)))⌒::::|    それがしに代わり、十分、お役目を果たせるものと思いますお。
   |     ー      .|    もしお眼鏡に叶うようでしたら、是非とも。
   \          /
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     (又右衛門…ワシにしてやれるのはここまでじゃお。
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i      あとは自分の力で頑張るんじゃお…)
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||


            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |   o゚(●) (●)゚o (ち、父上…!)
          |     (__人__)  
             |     ` ⌒´ノ   
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!

 石舟斎は、家康からの自身への誘いを断り、宗矩を代わりにと推挙した。

15812008/09/28(日) 02:30:48.94 ID:p8UTget/0
             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ       ホホホ…いいでしょう。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ      宗矩…といいましたね、
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l       二百石で私の側仕えをしなさい。
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ        よろしく頼みますよ?
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i

            / ̄ ̄\  
          /    \ /\
          |    ( ●)(●)    は、ははあっ!
          |     (__人__)    
             |     ` ⌒´ノ    (父上…ありがとうございます!
              |         }      宗矩は、やりますぞ!!)
              ヽ        }
            ヽ、.,__ __ノ
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、

 こうして、宗矩は二百石で徳川家に召抱えられ、
家康の小姓(言うなればボディガード、SP)として仕えることとなった。
ここに、後の柳生一族の栄達の礎たる、徳川家との縁が繋がったのである。

 文禄三年(1594)、5月3日、石舟斎66歳、宗矩24歳のことである。

16112008/09/28(日) 02:33:52.27 ID:p8UTget/0
             ____
             /ヽ__//
            /  /  /
            /  /  /
           /  /  /
          /  /  /
          /  /  /
           ̄ ̄ ̄
 このことは、柳生家の記録である「玉栄拾遺」にこのように記されている。

 「文禄三甲午(きのえうま)の年、聚楽紫竹村にて宗厳公の剣術始て神君上覧。
  木刀を持玉ひ、宗厳是を執るべしと上意あり。即ち公無刀にて執り給ふ。
  其時神君後ろへ倒れ玉はんとし、上手なり向後師たるべしとの上意の上、
  景則の刀を賜ひて誓詞を辱(かたじけな)くす。時に五月三日也。且俸禄二百石を賜ふ」

 宗矩が二百石で仕えたことのほか、景則の刀も褒美として貰っていたとのこと。
そして、この時の家康が石舟斎へ出した誓紙も、また現存している。

16212008/09/28(日) 02:36:31.23 ID:p8UTget/0
         / ̄\       | |
        |     |      | |
         \_/       | |
           |         | |
       /  ̄  ̄ \     | |
     /  \ /  \   | |
    /   ⌒   ⌒   \ | |      はっはっは、権右衛門、よくぞ俺に打ち込んだ。
    |    (__人__)     | | |      褒美としてあと10回立ち合ってやる。
    \    ` ⌒´    / | | ☆    さ、しないを構えろ!
    /ヽ、--ー、__,-‐´ \ | |
   / >   ヽ▼●▼<\   | |ー、.
  / ヽ、   \ i |。| |/  ヽ (ニ、`ヽ.
 .l   ヽ     l |。| | r-、y `ニ  ノ \
 l     |    |ー─ |  ̄ l   |`|~ヽ_ノ
      柳生兵庫助(兵助)

     _____
   /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
    |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
    |::::::::ゝu ⌒ メ ⌒ |    あ、ありがとうございます、兄上…
   |::::::( ( ●)  (●)|    (う、嬉しくねえッ!)
   (@  ::::⌒(__人__)⌒)
    |  メ  |r┬-| U |
    \      `ー'´ / 
     柳生権右衛門

 さて、宗矩が徳川家に仕官したため、柳生庄に残ったのは不具の身の厳勝と、
この厳勝の次男・兵庫助(または兵助)と、三男・権右衛門であった。
孫の二人はまだ幼少であったため、石舟斎も手元から離す気はなかった。

16412008/09/28(日) 02:40:01.97 ID:p8UTget/0
       _________
      /~~~\
    /   ⌒三⌒ \
   /  -( ◎)-(◎)-\
   i   ::::⌒ (((__人__))) ⌒i   又右衛門も仕官できたし、ほっとしたお。
   ヽ、     `ー '   /
     /     ┌─┐
     i   丶 ヽ{ .茶 }ヽ
     r     ヽ、__)一(_丿
     ヽ、___   ヽ ヽ 
     と_____ノ_ノ
 
    γ::::::::::::::::桃::::::::::::ヽ、
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::  ヽ   
  γ:::::::::人::::人::人::::人  ヽ
 (:::::::::/ ⌒ 三 ⌒ \  )    まったくだよ。
  \:/ ((⌒)-(⌒)) \ノ     五郎右衛門も久三郎もいい仕官先が見つかったし、これで一安心だね。
    |    (((__人__)))  |
   \     ` ⌒´   /  
    /          \
       春桃御前

 宗矩は徳川家240万石、宗章は小早川家37万石、純厳は浅野家22万石と、
それぞれ、豊臣政権下における有力大名に仕えている。
家康の前での上覧のこともあり、新陰流の評判は上々、
子や孫の誰にせよ、新陰流を継げるだけの才能に恵まれており、
厳勝に代わる柳生家の後継こそ決まっていないものの、柳生家の未来は明るかった。

16712008/09/28(日) 02:45:59.57 ID:p8UTget/0
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|           \ヽ, ,、  
_   |            `''|/ノ  
\`ヽ、|             .|   
 \, V"         _   |   
   `L,,_         \`ヽ、|   
    |ヽ、) ,、        \, V"  
   /  ヽYノ           `L,,_  
  / r''ヽ、.|            |ヽ、)    ,、   
  | `ー-ヽ|ヮ          /     ヽYノ    
  |    `|          /    r''ヽ、.| 
  |.     |         |     `ー-ヽ|ヮ 
  ヽ、   |         |        `|   
   / ̄ ̄\         |.        |   
 /  _ノ ヽ_ \       ヽ、      |  
 |  (≡)(≡) l          ヽ____ノ
. |   (__人__) |           /_ノ ' ヽ_\
  |   ` ⌒´  |       /(≡)   (≡)\
.  |        }       /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
.  ヽ       }      |     |r┬-|     |
   ヽ     ノ        \      `ー'´     /
  
  
┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ 

【やる夫で学ぶ柳生一族(その4):「柳生一族と徳川家康の巻」】 完

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