やる夫まとめ劇場(仮)

自分が面白いと感じたやる夫系スレをまとめるサイトです。長編を多めにまとめていきたいと考えていますので、時間がある人はどうぞ。
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やる夫で学ぶ柳生一族 外伝その2「慶長年代の剣と武芸者」

112009/02/01(日) 22:00:40.00 ID:J7aB3t3n0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:なし】

            / ̄ ̄\
          / ─  ─\
          |   (●)(●)|
     ____. .|   (__人__) |   でも今回は問題ないんだな。
   /      \   ` ⌒´  ノ
  /  ─    ─\       .}   そうなんだお。
/    (●)  (●) \     }
|       (__人__)    |    ノ.ヽ
/     ∩ノ ⊃  /∩ノ ⊃|  |
(  \ / _ノ |  |/ _ノ |  |
.\ “  /__|  | /__|  |
  \ /___ //___ /

512009/02/01(日) 22:06:12.69 ID:J7aB3t3n0
    |┃三 ガラッ
    |┃  ____
    |┃/⌒  ⌒\     久しぶりだお!
    |┃(●)  (●) \    みんなのアイドル、やる夫だお!
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
    |┃  |r┬-|     |⌒)
    |┃   `ー'ォ     //
    (⌒ヽ・    ・ ̄ /
    |┃ノ       /
    |┃   つ   <
    |┃  (::)(::)   ヽ
    |┃/    >  )
    |┃     (__)

    |┃
    |┃  ____
    |┃/⌒  ⌒\
    |┃ (―)  (―)\
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
    |┃           |
    |┃          /
    |┃ヽ・    ・ ̄ /
    |┃ \    ,.:∴~・:,゜・~・:,゜・ ,
    |┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
    |┃  (::)(::)  ヽ    ・゜゜・∴~゜
    |┃/    >  )    ゜゜・∴:,゜・~
    |┃     (__)    :,゜・~:,゜・゜゜・~

912009/02/01(日) 22:08:22.67 ID:J7aB3t3n0
      / ̄ ̄\
    /ノ( _ノ  \
    | ⌒(( ●)(●)     久々に登場していきなり尿かましてんじゃねぇッ!!
    .|     (__人__) /⌒l
     |     ` ⌒´ノ |`'''|
    / ⌒ヽ     }  |  |
   /  へ  \   }__/ /             / ̄ ̄\
 / / |      ノ   ノ           / ◎)) ((◎\’, ・
( _ ノ    |      \´       _    (   (_人_)’∴ ),  ’   オヤクソクッ!!
       |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ   て
   ( ( .|             三三三三三三三三三 ノ    (
       ヽ           _,, -‐ ''"  ノ       ヽ   r'" ̄
         \       , '´        し/..     | J
          \     (           /      |
            \    \         し-  '^`-J


※ なんか72秒待ちとか連投規制とか色々出たでアリマス。
 今日だけなのか夜10時以降スタートだとこうなるのか…むう。
 ちょっとゆっくりめペースになるかもでアリマス。よろしゅうー。

1212009/02/01(日) 22:10:15.85 ID:J7aB3t3n0
               _______
    :/ ̄| :  :  ./ /  #  ;,;  ヽ
  :. | ::|    /⌒  ;;#  ,;.;::⌒ : ::::\ :   …でもやらない夫、ナイスキックだお!
    | ::|:  / -==、   '  ( ●) ..:::::|    一度くらいは、この
  ,―    \   | ::::::⌒(__人__)⌒  :::::.::::| :   
 | ___)  ::|: ! #;;:..  l/ニニ|    .::::::/      「やる夫ボケる→やらない夫ツッコむ」
 | ___)  ::|  ヽ.;;;//;;.;`ー‐'ォ  ..;;#:::/       
 | ___)  ::|   .>;;;;::..    ..;,.;-\        の流れをやってみたかったんだお!
 ヽ__)_/ :  /            \      

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)   まあな…。
.   |     (__人__)  お前が石舟斎で、俺が宗矩じゃ、
    |     ` ⌒´ノ  ボケ>ツッコミもやりづらいからなあ…。
   .l^l^ln      }  
.   ヽ   L     }    というか、途中から石舟斎が爺さん(やる蔵)に変わったから、
    ゝ  ノ   ノ    厳密にはまだ俺とお前が同時に出たことってないんだよな。
   /  /    \   
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

1512009/02/01(日) 22:11:33.96 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \    
 |  (●)(●) |     ま、そんなメタなネタはさておいて、
. |  (__人__)  |     今回はまた外伝なんだ。
  |   ` ⌒´  ノ   
.  |         }     そういうわけで、今回は俺は宗矩じゃなくて、やらない夫で、
.  ヽ        }    やる夫の奴も十兵衛じゃなくて、やる夫なんだ。
   ヽ     ノ     二人で、慶長年代の剣と武芸者についての話をしようと思う。
   /    く  \  
   |     \   \ 
    |    |ヽ、二⌒)、 

1612009/02/01(日) 22:13:03.61 ID:J7aB3t3n0
       ____
     /⌒  ⌒\ ホジホジ
   /( ●)  (●)\      んー、出番が来たのは嬉しいけど、
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   なんでまた外伝なんだお?
  |    mj |ー'´      |   こないだやっと2部が始まったところだお?
  \  〈__ノ       /
    ノ  ノ


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)   それがなあ…。
.   |     (__人__)  元々、>>1は本編の(その13)を書いていたんだが、
    |     ` ⌒´ノ  途中、慶長時代の武芸者について解説していたら、
   .l^l^ln      }   延々と延びちまってなあ…。
.   ヽ   L     }   
    ゝ  ノ   ノ     で、もう別にした方がいいよね!ということで、
   /  /    \    急遽、単品の外伝にすることにしたんだ。
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

1812009/02/01(日) 22:14:20.40 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\            ___           いつも通り、解説役に
 /   _ノ  \         /⌒  ⌒\        頼んじゃいけないのかお?
 |    ( ●)(●)  プニ  /(● ) (● ) \       ロクに萌えキャラの出番もない
. |     (__人_(ニ~`ヽ、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \     男だらけのスレ進行の中で、
  |     ` ⌒´(((_⊂>ヽ|     |r┬-|      |     解説役だけは唯一の彩りなんだお!
.  |         }    \ \   `ー'´      /
.  ヽ        }      ゝ-|          ヽ       というか、>>1はもうちょっと
   ヽ     ノ        \        ヽ   \    萌えキャラを出して
   /    く  \        \              やる夫と絡ませるべきだと思うお!
   |     \   \         \             めくるめくエロスモードを所望するお!
    |    |ヽ、二⌒)、          \


   / ̄ ̄\                ____      
 /_ノ \  \             /      \      まあ、理由は他にもあるんだが、
 | (●)(●)  ヽ           /─    ─  \    .じゃあ、その前に、(その13)で解説役を
. | (__人__)    }         / (●)  (●)    \   するはずだった奴を呼ぼう。
  | ` ⌒´    ノ    \   .|    (__人__)       |   
.  |         }      \  \   ⊂ ヽ∩     <     …おーい、来てくれ。
.  ヽ        }         \  |  |  '、_ \ /  )  
   ヽ     ノ   ヘ      \ |  |__\  “  /   (他の理由?なんのことだお?)
   /    く 、_/っ/        \ ___\_/    
   |     \--一''           \
    |    |ヽ、二⌒)、           \

2112009/02/01(日) 22:15:43.75 ID:J7aB3t3n0
. / / //...'i_// // // /  / ,',' ','l| ,
/ / /, ̄"'')) // /////  /  ///|ili/
. ///'"/ γ' /  // / / γ'"=-、//l|
/l l |//__,,/  / , '/ ./ /  //’./i////i |
 ヾ'"" ,-ー_’''ー< / ./ ,'  ,λ/ ////i/|/
. / ,-'"/ _  ト<二=、,,,'ノ/ /// .l |'
.>l ,'"l ん、."ゝ l(// ,' / ///// / /i
.( ゞl l C))//.,イ .)l .,' / / ///ー-,,/l|       ふふふ…今、私を呼んだ?
 ヽ|'、 ヽ、_,,/丿/|.| .' / ///// / /"'-、    
   ー;-- ,,__人ー l |/ i///  /// / /     
    "'ー--' .) )     / -ー'==''-' 、     .
     , ー--'_丿       /’,--、ヽヽ    
     ( (,          ( ((_ ,  l ',    
      "  '        、ヽ、__,,ノ ,l
     、、           ヾ   '"
     ヾミ 、               ,
、      '' ミ __、           //
ヽ                  ,,-"///
l| \              ,,-"/////
   ヽ、_        _,,-"l//// // ,
       ̄"'''''''''''''''''   ),./// // /

2312009/02/01(日) 22:17:13.67 ID:J7aB3t3n0
ヽ::::l:::.l|  l|   l | l| l _/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
l i:::i::::l  l|   l l l| l ヽ   その13で解説役になるはずだったのは私…。
  !:::l::.l_j l|  _l_l :l:||  | 途中まで書いて、あんまりにも長くなったから
 j/l:「! !!  /' 「T¬-l | 私の解説だと話に動きがなくて困るって…。
 lZヽi l| ! ,/ 土土/ /∧_____________________
l ijゝl } li l!  イ:ftッ::ト/ ハ    i
j/ツ ソ::.    ゞ= ' ' /l ! l| |
l |‐彳::::..,         /l/  /' l!
イ:::::::._, ..... _      イ j  l/   j
.{::::::::..`二´ ト、./_'  /   {
ハーッ:::.   /   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 !::込ztrイ|  そもそも>>1の解説が長いのが悪いのに…。
 |::::::::乂 l|  ふふ…うふふふ……。
 ハ:::::{:.. j ヽ.___________________


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)   まあ、そういうわけなんだ。
. | u.   (__人__)  …わかったか?
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }      / ̄ ̄ ̄\
   ヽ     ノ       /  ⌒  ⌒ \  
    i⌒\ ,__(‐- 、   / u (ー) ::::(ー)ヽ    …まあ、なんとなくわかったお。
    l \ 巛ー─;\  |   :::⌒(__人_)⌒:l   
    | `ヽ-‐ーく_)  \    `  ̄´ /    
.    |      l      i⌒\、___ ィヽ
    |      |     .l \ 巛ー゛‐;\

2512009/02/01(日) 22:18:33.12 ID:J7aB3t3n0
       ____
     /_ノ  ヽ、_\           しかしこの>>1も、
   o゚((●)) ((●))゚o         やっと2部が始まったのにまた外伝とか、
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \       とんだ計画性ゼロ野郎だお!
  |     |r┬-|     |    (⌒)
  |     | |  |     |   ノ ~.レ-r┐、
  |     | |  |     |  ノ__  | .| | |
  \      `ー'´     /〈 ̄   `-Lλ_レレ
                  ̄`ー‐---‐‐´


             うるせえ!
            大体、「やる夫で学ぶ柳生一族」なのに、
            お前の出番が全然無いから出してやろうってのが
            「他の理由」のひとつなんだよ!
   / ̄ ̄\ 
 /       \   柳生中3本の指に入る有名人(石舟斎、宗矩、十兵衛)のうち、
 |      ノ(   |  2人までお前がやってるのに、なんで全然出番がねぇんだよ!
. |     ⌒   |           、  ____    ,
  |          |           `/、,:/,';;}: ;\ /
.  |         }        \ /、,:',. -‐‐-、 ; ,\ ,.   /┃・・
.  ヽ        }           /` ;ヽ|:::: ::   |ノ ,'\    ┣━  ━━┓・・
   ヽニニニニノ 、_    ‐ ― | ',`冫|::::: :: :   |イ'; 、| --┃        ┃
  /::::::::::::::::::::: ̄`ーニニ==i=┬r===| ,. -―- 、|`;、'(⌒).       ━━┛ ┃┃┃
  ヽ:::::::::::::::::::::::ーt-.._:::::::::_,. -┴一″   (      ) /i ヽ                 ━┛
   ヽ::::::::::::::::::::::::i   ̄     l___ノ // `ー,,-一' ノノ ヽ___i

2712009/02/01(日) 22:19:44.93 ID:J7aB3t3n0
                   γ ⌒⌒ヽ
   / ̄ ̄\           ( ( ヽ ) ノ
 /_ノ \  \     (⌒) 三  ノ 从 ゝ          
 ( ●)( ●)  ヽ   三/ | ニ  ____     (⌒)   
. | (__人__) u  }   |  |   /\   / ) し / |  ミ  そんなのやる夫のせいじゃないお!
  | ` ⌒´    ノ   !   、 /(○ )::(○ )⌒\/ | ミ  いいからさっさと始めるお!
.  |         }    \./:::::::(_人_)::::::::  i'   |    
.  ヽ        }      |     )ww)     |  |    
   ヽ     ノ   ヘ   \    `ー"      ノ     わかったわかった。
   /    く 、_/っ/      \ .    .   \    じゃあ、早速始めるぞ。
   |     \--一''           \             雪華綺晶もいいな?
    |    |ヽ、二⌒)、          \

               ___      ______     ))
         _√ィ⌒)), < `ヽ /  `> 、((_r≦ヽ
       / 厶=ミ ∠__   `      ´── {f以}〉)\
.       /  《ゞツ辷ー           ニ 二 ̄ `ベ((_) 、\
      / / ((¨´   ̄        l     iト、   ∨  }  i
.     / / (__))    i   i | i l i| |li||il| | i   }  ,′|
     ' /     | i| l   i | | l l| |li||il| | l i /  {   ,
    〈 {  /  i| l| | l i | | l l| |li||il| | l i {  ヽ   ヽ    出番があるなら何でもいい…。
     , ', /  l| l| | | l | ))i l i| |li||il| | l lハ   .   }   早くはじめて…。
      ハ i {   il| l| l |, =彳|! l| ,」li⊥⊥⊥L! l ト  }  ,′
    / l i ヽ  il| ! | | r{辷ト、 | | l| | l⊥⊥_! l | l l }ヽ  /!
.  /′ ! i  ト 、ハl| l/バY^ト{ | リi イf弐_ケ`l ヽl  / /  //
/ /   }∧ ヽ ヽヽ ゞ弋ソソ      ` 冖'^ ∧ l  { /  / ′
. /   /  ,  ) } ハ ` ̄))  、       / }ハ ハ  ' |
 ′ (     } / // ∧ ((   、_,     イ イ '、ハ l  !
      ヽ  / /  {   /  > 、       イ ノ/,小、 \j l  、
      丿 '/{  ヽ { .ィ`Y´ > .. <ノ⌒´// i| `丶、\ヽ \

2912009/02/01(日) 22:21:01.17 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    じゃあ、まずは本編当時(慶長年間)の武芸者についてだ。
. |  (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ     さて、お前ら、
.  |         }    この頃…即ち「戦国時代末期~江戸時代初期」の武芸者といえば、
.  ヽ        }    どんな奴を想像する?
   ヽ     ノ   
   /    く  \   
   |     \   \  
    |    |ヽ、二⌒)、 

      ____
    /_ノ   ヽ_\ 
   /( ●) ( ●)\     …まあ、普通に考えたら宮本武蔵だお。
 / ::::::⌒(__人__)⌒:::::\  剣一筋に荒野を一人往く孤高の求道者…ってやつだお。
 |        ̄      |  
 \              /

     _)-―¬ニニ¬ 、r、}rヘ
     /   ,′  ´ ̄、`Y  l
   /    /   、    l くハ |
   ,′ , l !   , |  、 |  l l|   その対になる佐々木小次郎…。
.   l  | | | /| ∧__ハ| | | |   己の武芸で名を挙げて、立身出世しようとする野心家…。
  | |  l | ¦l7/斗‐r、 | | | |
  |∧ |Nヘ、!/ヘ::.::.::.} 〉  ,′l|
  ´ ハjミYシ′  `ー' /  /  l| \
   / lト《ヽ、 ー一  ,イ  /   l|   ヽ
.  /  l  l | }≧≦‐ | ∧   ヽ}  `、

3212009/02/01(日) 22:22:29.57 ID:J7aB3t3n0
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\    …でもまあ、今までの展開を考えたら、
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  それだけじゃないことくらい、やる夫にだってわかるお。
  |     (  (      |
  \     `ー'     /


    / : : /::/: :,:′: :′: /: : /: : i : :!┗┓{: : :
    ,′: : ,'::/: :/: : : /: : /: : :;′: :!: : l: :r┛`Y: :   そうね…。
.   {: : : : : :; : ,' ^) :;': : :,':⊥.」_: : :i: : :j: :} : : : i:   私たちが今言ったのは
   ', :{{:::{ : ::(( : { :{ :{ ⊥..」_`:.ノ:/: ;′: : :j:   あくまで一般的な「イメージ」「印象」…。
.    从从八;ゝ=:)) `` Tij:7ヽ/:/: / . : : :,′   「実際の武芸者」のことではない…。
     〉〉〉 〈(必リ    ゙ー'/: /: / .:/ : /: :
     j ij : : j{((′     /: :: /: : ::{ : :{: : {: : :    …吉川版「宮本武蔵」の印象は
    ,','/. : :八   ー  ,'. : ::;' : : : :', : :', : : : :   それだけ強かったということ…。
.    / /. : :/.: :j\    {: : :::{ : : : : :ヽ.: :、: : :
.  ノ /.: :ノ. : :ノ :ノ:`¬ァヘ、: ::、: : : : : :\: : :

3612009/02/01(日) 22:24:01.40 ID:J7aB3t3n0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     ふむ、そうだな。
   |    ( ●)(●    しかし、史実で考えても、やる夫の挙げたタイプなら上泉伊勢守、
   |      (__人__)   雪華綺晶の挙げたタイプなら、それこそ無数にいたわけで、
.   |        ノ    然程現実離れしたイメージというわけでもない。
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ     では、次の質問だ。
  (.  \ / ./_ノ │   お前ら、今それぞれ挙げた武芸者の目的はなんだと思う?
  \  “ /___|  |    これもイメージでいいぞ。
.    \/ ___ /

     ____
   /      \
  /─    ─  \     …剣を極めること、かお?
/ (●)  (●)    \   修行して自分の腕を更に磨くためとか、
|    (__人__)       |   あるいは、自分の流派を広めるためとか…。
\   ⊂ ヽ∩     <
  |  |  '、_ \ /  )
  |  |__\  “  /
  \ ___\_/

Y//〈(ノ///l l ll、\\ \ \丶゙ー"、l l !冫 
∧/ / /l、/ l ((ハ '、ヽ\\ \ ヽ\丶\ l ヽ
l ll ハ! l/イl _L_ヾl ヽ\_」ュヽ__ \', ヽ',\.l r,   仕官すること…?
! V ハヽし//ン \ ',\_,ュ、、\丶l、l ハl  ヽヽ  あるいは武功を挙げて出世すること…。
lヽヽ l V〈〈 〈必〉、〉  /f'愆㍉l l l l/l lハ ヽ丶
.l. l八 lハヾ、ゝ彡゙   ` '′ハヽl/ l! l ', 丶
.!:.! ! ハ! ハ )ソ 、_'_    イニヽ.Vメ、', ',  
/ !/ハ_ :!/ ヽ丶、 ` ´ f⌒)亠、八\ l 丶\
./'/イ//∧丶\_ >.<r~'    \ \、 \

3912009/02/01(日) 22:26:38.33 ID:J7aB3t3n0
     / ̄ ̄\
   / _ノ    .\      _,,         まあ、そんなところがイメージだよな。
   | ( ●) (●) |.     l;l         だが、どちらの目的にせよ、
  . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,        それら武芸者の物語から見落とされがちな点がある。
    |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶      
  .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l         「生活」だ。
  .  ヽ        }   ヾ~ `  i,     
     ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,       どんな武芸者にだって生活はある。
    ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,     物語じゃ省略されるから、あたかも剣だけに
   ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i    生きているようにも見えるがな。
,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,   そんなわきゃねえ。
  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
 "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
ヾ、    ゞ;;/        /  ,¬    V⌒l
. ,i      /ii'       / r-/|    l l
 l      /iil      /  l"v' y     }  l
,,,if    /iii|   ,,  〈-ヘ_,、 <、      /  i|


4212009/02/01(日) 22:28:05.30 ID:J7aB3t3n0
          ____
       / _ノ  ヽ_\           まーそりゃそうだお。
.     / (ー)  (ー)\         どんな剣豪だろうと、飯を食わなかったら腹が減るお。
    l^l^ln  ⌒(__人__)⌒ \       剣を振るだけじゃ飯は出てこないお。
    ヽ   L   |r┬-|    |       やる夫だってエロゲとオナニーだけで飯が食えるなら
     ゝ  ノ  `ー‐'   /        是非そうしたいものだお。
   /   /          \
  /   /             \       あー、どこかに一日エロゲーやるだけで
. /    /         -一'''''''ー-、.   月収50万とかの仕事をないもんかお…。
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))

            , ィヘ ̄>y‐ァ-─ -、 _
            |/ 〈(薔)Y⌒ヽ      ``丶、
           / /( >‐< , /   !         \
         / // こ) / /  ! !        ((_/⌒Y⌒ヽ
          /  l/ , / / /   ! !     |  |   i| /Y ニYi i
       /   / // l/i /  l ,! ,  |   !   ||.:i 人式i| |
        /   /   ,イ /   l  )/   l  /   / l|::|! /^Y^i |   …あら、剣を振れば、
      ,/  / 1 !(( /  ,rr=' l/  /l  /  / / l::|  _ノノi |  ある意味、肉が手に入るわ…。
      /  /  | |:.:〉こ二仆 l /1 / l /  / / |.:|(( _ ノ  |  くすくす…。
    ,/ /   | |:〈{ (Y) ) )}l/ l / ─‐- 、./ / /^i^7     |
    / /     〉トト、ト、こ ニソ    r==ミ、 ヽ| ,/ / |/     ,′ 
   ,/ /     // V^l/ ー‐'′     { ,fか} 〉i::/ / /   , /
  / /     //  l{ _)           ゞ‐‐ < :/ィイイ /   / / |
 ,/ /    //  |,.ヘ   ヽ _,      /   / /   / / .!
 ′/   人//  /(⌒) 、          ,.ィ:/   / /   / /  .:|
  / /    >イ   入L1 >‐──一<⌒/   / //!// /  . :.|
 _/    (  〉二ニ   / ⌒Y⌒ Y /   ,/ /  |/ /  .:.:::::|
        Vr‐-,  , 人_人_人/   / / ~~\ .:.:.::::::|
         ).::<_ノ入 _ _ノ入_/   //´        ヽ:::::::::|

4512009/02/01(日) 22:29:32.60 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)    おっと、そういうカニバリ気味なジョークは勘弁な。
. |     (__人__)    あとやる夫、そういうことは寝てから言え。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ  mm
   /    ̄ ̄ ̄ つノ
   |    | ̄ ̄ ̄

         |
    / ̄ ̄\
   /   _ノ  \.         ま、なんにせよ、武芸者だって人間だ。
   |    ( >)(<)       腹は減るし、眠けりゃ寝る。裸一丁もマズいだろ。
.   |  ::::::⌒(__人__)       寝るはともかく、腹を膨らますには飯がいる。
   |     ` ⌒´ノ       服だって勝手に湧いてくるわけじゃないしな。
.   |         }.    。   それが"生"きる為の"活"動…即ち「生活」ってもんだ。
.   ヽ        }    /    
    ヽ     ノ   ./      結果的に剣に集中しているように見えても、
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)     何かしらの手段で生活を維持しているからこそ、
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'      剣が使えるんだ。
    | |  ゚|  |\/       そこを無視すると、逸話以上の話は出来ない。
  _ | |  ゚|  |__        
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \       今回はその話をする。
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

4712009/02/01(日) 22:31:37.14 ID:J7aB3t3n0
                   ,, -‐ 、          
                  /'    ヽ         というかな、
       / ̄ ̄\      ./      i        こればっかりは柳生一族を主題にしてると
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i        なかなかできない話なんだ。
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l         まず、そもそもあいつらは所領持ちだ。
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!         おまけに所領を失った後も、なんだかんだで
      |         }/  .::::::::::::::::::::/         一族の人間が次々と仕官に成功している。
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/         それも二百石~五百石って石高だ。
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/            はっきり言って、これは相当なもんなんだぜ?
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|            当時、騎馬武者一騎の下限が五十石程度、
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l           徒歩武者の下限が十石程度、それ以下だと足軽、
r   、  /           !::::::::::: i..:..i           っていうくらいだったらしいしな。
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i          (尤も、この辺は時代や大名家ごとにばらつきがあって、
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i           均一化された定義はしづらいのですけど)
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ          
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,          要するに、柳生はこの件については例外なんだ。
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、  それも外伝にした理由のひとつでもある。
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''


5112009/02/01(日) 22:33:05.10 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \ 
 |  (●)(●) |    さて、それじゃ武芸者がどうやって生活をしていたか、
. |  (__人__)  |   というか、何をやって飯を確保していたか、だ。
  |   ` ⌒´  ノ   これもイメージに沿って言ってみな。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  \  
   |     \   \  
    |    |ヽ、二⌒)、

        ____
      /      \           大名とか地域の有力者の世話になるお!
     /  ⌒  ⌒ \         稽古をつけたり、立ち合ったりして褒美を貰って、
   /    (●)  (●) \       それで路銀が溜まったら、また旅立つんだお!
   .|    :::⌒(__人__)⌒::: |   __
   \      `ー' / ̄ ̄⌒/⌒  /  あとは、狩りとか釣りとか、
   (⌒\     /     /    /  山で生ったものを採ってしのいだりするんだお!
   i\  \  ,(つ    /   ⊂)

  ': : : :Y::!: ,!: :ハ: : : : : : : :: :ヽ: : :ゝ, :._:.__ノヽ
  |: : : /: |: ||: :| |ハ ! |::!:lj.:._ : :|: : : /: : : :ヽ: :.:ヽ
  |,.: : : :r-V L_| l! |ィ/ナ|_/|: :|: : :' : : : : : :!: : : l  …他の武芸者を倒したり、
  |: : : :> O ム  ィ' ´ } ,.リノィ::| : : : : : :1 : : '  道場破りをして、金をせしめる。
  |: : : ィー' `ー '    `ー'  /: : : :| : : : : :/: : :/
  !: : ハ    ー ‐   ""/: /! : :|: : : : : : : :/    …『無双許し虎参り』ね。
  !: : l: : ゝ        /:.:/:.|:.: :|: : : : : : :/
  !: : ゝ: : : `ー、   -{: :/.:.:.|: :.:|.:.:: : : : /
  |: : : : : : : : :ノY´⌒Y⌒V: : |: :.:|: : : : : :l

5312009/02/01(日) 22:34:30.12 ID:J7aB3t3n0
       / ̄ ̄\           まあ、そんなもんだな。
     /   _ノ  \         じゃあ、それぞれのイメージについて、簡単に補足しようか。
     |    ( ●)(●)
    . |     (__人__)         まず、やる夫、お前がイメージした
      |     ` ⌒´ノ        「道を追及する武芸者」についてだが、
.      |         }        この当時はまだ武芸に「道」の概念は薄く、
.      ヽ        }        武芸=芸であった、ということは前にも言ったよな?
     _ヽ     ノ_       
    ノ          \       つまり、「芸を見せて糧を得る」ということで、
  /´              ヽ    「芸人」に入るわけだが、この場合、
 |    l             \  「趣味人」という言い換えもできるかもしれないな。

                     _      ___、、、
                (   //   ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/、  誰  編  あ
                (   /  /::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ  だ  み  の
                (   / /:::::::::,,,-‐,/i/`''' ̄ ̄ ̄ `i::;|  あ  出  技
                (     /:::::::::=ソ   / ヽ、 /   ,,|/   っ  し  を
                (     | 三 i <ニ`-, ノ /、-ニニ' 」') !! .た  
                (     |三 彡 t ̄ 。` ソ ハ_゙'、 ̄。,フ | )    .の  
 趣味人て…。       (    ノ::i⌒ヽ;;|   ̄ ̄ / _ヽ、 ̄  ゙i )    は
なんか一気に        (    ノ::| ヽミ   `_,(_  i\_  `i ヽ、 ∧ ∧ ∧ ∧
妙なイメージが沸いてくるお。   |:::| ( ミ   / __ニ'__`i |  Y  Y Y Y Y
      ____     ○ (    ,|:::ヽ  ミ   /-───―-`l  |  //     |
     /      \。○  (    l::::::::l\   ||||||||||||||||||||||/  |     // | ←やる夫が
   / ─    ─ \    ( __.|:::::::|    、  `ー-―――┴ /    __,,..-'|   想像した「趣味人」
  / -=・=-   -=・=- \   ( `''l::,/|    ー- 、__ ̄_,,-"、_,-''XXXXX |  ノ
  |      (__人__)  U |    (XXX| |         _,  /ノXXXXXXXXXX| ソ
  \     ` ⌒´     /    ⌒

5612009/02/01(日) 22:35:53.80 ID:J7aB3t3n0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)      「求道者」とか言うからだよ。
.   |     (__人__)     仕官…つまり実利を度外視してるわけだからな。
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }       とはいえ、その芸で名声も上がっていれば、
.   ヽ   L     }      行く先々の有力者に迎え入れられて、
    ゝ  ノ   ノ       生活には困らないかもしれない。
   /  /    \       そういう人間が…
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

        ___
      /      \
   /          \
  /   ⌒   ⌒   \    いわゆる「剣豪」ってことだお!
  |  /// (__人__) ///  |
. (⌒)              (⌒)
./ i\            /i ヽ

5912009/02/01(日) 22:37:32.69 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\       ま、そういうことだ。
 / ノ  \ \     しかし、後でも話すが、当時、剣術というのは
 |  (●)(●) |    それ程特別な術って訳でもなかったんだ。
. |  (__人__)  |     ましてや、武士の表芸なんて代物じゃあなかった。
  |   ` ⌒´  ノ   
.  |         }     その意味では「剣豪」というのは、
.  ヽ        }    誰もがやっている趣味に凄く熟達した人、と言える。
   ヽ     ノ     或る意味、「すごく料理が上手い人」みたいなもんだ。
   /    く  \  
   |     \   \   もし、道場なんかを持ってるすれば、
    |    |ヽ、二⌒)、「カルチャーセンターの先生」みたいなものとも言えるかもな。


                (           -‐一……ー- 、       
                (       , '´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ      
                (      /::::, -‐ァ:::, -―ァ:::::, -、::::::',    
                (   /イ/-、∠/-― 、`ヽ:i  }::::::|  (その太刀筋は)
                (    /イ[≧y  T o ̄}  l」   |::::::|   うまいぞっ!
                (      l  r′    ̄    、ー' :::::|         
                (     r┴―――一'′     ヽ :::::|    
 …なんだかますます    (     |                    \|
イメージが変になるお…  (     |                }  ← やる夫が連想した
      ____     ○ (     |                /′  「剣豪」の図
     /      \。○  (     ヽ_____         '´ / 
   /      |||i \    (       /`ー――――一'´   /  
  /           \   (.    /  /⌒ヽ.        /   
  |             U |    (                   
  \             /    ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒

6512009/02/01(日) 22:39:13.29 ID:J7aB3t3n0
           / ̄ ̄\
         /  ヽ_  .\
        ( ●)( ●)  |    まあ、ともかく、
        (__人__)      |     そういう「求道者」系の武芸者は或る意味簡単だ。
        l` ⌒´    |    名声が一定以上の域に達していなければ
        {         |     有力者の世話になる、なんてこと自体出来ないんだから、
        {       /      そもそも生活が成り立たない。
        ヽ     ノ
    ▼/ ̄      ̄ ̄)____  必然的に、剣豪クラスの武芸者にしか
  〃(⊥) ´/    / ̄ ̄/ /   〃 取れない生活手段だと言える。
_i /⌒\./   /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i


        / ̄ ̄\
      /       \      あと、もうひとつ言ってた
      |::::::        |    狩りとか釣りとか、山で生ったものを採る話だが、
     . |:::::::::::     |    それが簡単にできるなら、
       |::::::::::::::    |    あの当時、誰も飢えてねーよ。
     .  |::::::::::::::    }  
     .  ヽ::::::::::::::    }      足軽になれば飯が食えるって言うんで、
        ヽ::::::::::  ノ     子供まで入れようとしたことが多すぎて、
        /:::::::::::: く      「子供を人数に入れるな」と御触れが出たこともあるんだぜ?
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,― その時々ならともかく、継続した生活手段としては厳しいと思うぜ。
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

6912009/02/01(日) 22:41:23.59 ID:J7aB3t3n0
       (⊃ ̄ ̄\        で、雪華綺晶。
     (⊃   _ノ  \      お前のいうタイプの武芸者は、或る意味、強盗と大して変わらん。
    (⊃   ( ●)(●)     なんせ、相手がもし立ち合いに同意しなかったら、
     |     (__人__)
     |     ` ⌒´ノ        「ころしてでも うばいとる!(金を)」
      |         } \
    / ヽ        }   \   しかないわけだからな。
   /   ヽ、.,__ __ノ     )  あと、そもそも路銀が尽きる前に、
  /        .   | _/  都合よく他の武芸者や道場に行き当たれるかどうかも怪しい。
 |         / ̄ ̄(_)
  \   \ /| JJJ (     まあ、強さをアピールするには手っ取り早い手段だとは思うが。
   \  /   /⊂_)

´  / ̄>t=ヘ_/ムイ-    ―- __  _
  /   イ{し}V≠  ̄     == ⌒しイ¬キ―‐、
 ./ />┬そ__        __,.. {{ 乃ノ i ハ
/ 〃 t(⌒´  ̄          ̄   ヾ一;、/ | ,     …そうね。
   {し_)     /  i         ヽ   ノイ  ′ !    でも、この場合、目的はあくまで仕官…。
  /./ / / 〃     ハ | i  ∥   ゙,   ∨ /  j|    この手段での路銀の調達は
 / / , ,  ″: | |i  Ⅵ| |∥ ,  | i  ' /|   〃   あくまで途中まで…。
/ イ | | ∥||| || ,..⊥l | |∥ |! | |  /' |  ||
  | | | ∥|l| | {f'´|メ | |∥ |! l/  /  |  ||
 /| ∥ | j⊥ヘ¬ ム)) |∧_/|_l_/j! /  /  i |  ||    (…まあ、強ければ仕官できるかといえば、
/  | 八 ∨{ ィrァミ くヾ ノ' 斗┬ャミ /  ,   i|  l|    それもまた違うんだがな…。
  ヽ |ヘ トヽいYレ' ノ    ゝツノ / ′  l   l|     その話はまた後でいいか)
    イ  |`ヾ二 イ ,      / イ  i  |   l
 //  | 下 乙  ,._    / /¦ |  |     |
/__/  イ  |{>‐、 `    / /l | |  |   |
K⌒Y´  し¬ \ (>z<:/ />| |   |     l

7112009/02/01(日) 22:42:52.15 ID:J7aB3t3n0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \     まあ、軽く補足をしたが、
   |    ( ー)(ー)   どっちも剣の腕が立つことが前提条件だよな。
.   |     (__人__)   前者だと人脈というか、それなりの評判も要るわけだし。
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }     でも、武芸者全員が、
.   ヽ   L     }    そんな風に生活できるかというと…難しいわけだ。
    ゝ  ノ   ノ     特に後者だと、負けた側は金を取られるわけだしなあ。
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ_ノ

           / ̄ ̄\
         /  ヽ_  .\       となると、勢い、別の事をして飯を食う必要がある。
        ( ●)( ●)  |      仕事をすること自体には腕の高低は然程影響せず、
        (__人__)      |        しかし、武芸を活かして働く事ができる仕事…。
        l` ⌒´    |   
        {         |        まあ、簡単に言えば「戦働き」だ。
        {       /     
        ヽ     ノ          仕官はできなくとも、陣借りなら、
    ▼/ ̄      ̄ ̄)____   牢人の身でも参陣できるわけだからな。
  〃(⊥) ´/    / ̄ ̄/ /   〃 ⌒i 飯は出るし、うまく功績が挙げられたらしめたもんだ。
_i /⌒\./   /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i

7412009/02/01(日) 22:44:27.99 ID:J7aB3t3n0
      ___    ━┓
    / ―\   ┏┛    あれ?おかしいお。
  /ノ  (●)\  ・     この>>1は、前から
. | (●)   ⌒)\
. |   (__ノ ̄  |       「剣は弓鉄砲や槍と違い、戦場では役に立たない。
  \        /       剣豪たちも戦場では槍を使っていた」
    \     _ノ        
    /´     `\       と言ってたお?
     |       |      どうして武芸…というか剣術が戦働きと関わるんだお?
     |       |     

      ,. -‐           `ヽ、 ___
     //´              f^jr= K.
   / /  ,              __,{くリニリ_ノ
  / / , イ             {{"  レ'T,ハ
 ./ / / /  i i l ヽ.         ' j i  l }    そう、「距離」という絶対的な差がある…。
 ' ,' , ,' / |i l i l l ヽ. i    i   //l l  l l    届かない剣豪の剣は、雑兵の石礫にも劣る…。
 l i il ! l  l , l ,.斗l‐l‐‐l、 i l l  l //l l l  lリ
 | l斗l-ト、メ. li l、l_l__l__Ni l l l  j// l l l  リ     資料によれば、宮本武蔵も
 | i l l⊥ムヽlヽト ィ弋ッツフl l l j/,ィヽ. l l l  |    島原の乱では一揆勢の投石によって、
 乂Nメ'::::;; ::} ヽ  ` ̄´ l/!〃 rチ}l l l  |    脚を骨折している…。
    ヾr‐ '´,        /'  _,.イ lV !  !
     '、           , ヘl__ll__//l lハ      いくら剣の腕が立っても、
       \  ^^       / __V//,i| l 小.    届かなければ何の意味もない…。
       |iヽ、  _,.  ' _,rく| ∨/Nハ lハ    当たらなければどうということはない…。
       |l ! l`Tl | >v'てノ { ! / ∧| ト┼l--ヽ.
       |小l _,レ l斗} 八_ jイてlハ/| l  い   \
      _,斗j 「 l l//_{ / L_l/´l l  ヽ.ヽ

7612009/02/01(日) 22:46:14.62 ID:J7aB3t3n0
 .  / ̄ ̄\
 ./ _ノ  .ヽ、\
 .|  (●)(●) |    まあ待て、早まるな。
 .|  (__人__) .|   .別に剣が戦場で主力だった、とか言ってるわけじゃない。
  .|   ` ⌒´  ノ   今まで言っていた通り、
  ヽ  ._   .}    戦場における主力が弓鉄砲に槍であることは言った通りだ。
   ヽ_/ } . ノ    
   /、 〈  く      事実、名のある武芸者たちだって
  ハ ヽ Y`ー.、i    戦場じゃ槍を使っていたわけだしな。
  { ヽ_ゾノ-‐1
  `¨´┬' . |


        / ̄ ̄\
.       _ノ,、 \_   \             ただ、これについては、
      ( ●)( ●)    |            >>1の説明が足りてない部分があったな、と
     (__人__)     |            思ったんで、補足しておきたかったんだ。
     (`⌒ ´     |             それは、
      {        |
      {         /              「剣は戦の趨勢を左右するものではないが、
       ヾ      /                まったくの役立たずというわけでもない」
       ソgヘ二ニ=7⌒ ̄"⌒ ̄〆"⌒ニつ
      ∧ii/ oィ/"  〃  (乙ノ≠^ソノ   ということだ。
     / .|//= ゝー─~゙─‐゙~'´      剣には剣の役どころってのがあったんだよ。
      l  |。     `~/              それについて、これから説明する。
     / |。      /             
    /ソ |。       (               武芸者の生活については少し離れるが、
    / リ∠\____ニゝ             そっちは少し待ってくれ。

7912009/02/01(日) 22:48:31.96 ID:J7aB3t3n0
    / ̄ ̄\       で、この「剣の役どころ」について話す前に、
  /   ⌒   \     2つのポイントを挙げておこう。
 ( ●)( ●)  |    
 .(__人__)      |    その1:「実際に戦で役に立たないのなら、
  l` ⌒´    .|         どうして皆が剣を持っていたのか?」
  {          .|     
  {       _ |    その2:「どうして戦場で役に立たないはずの剣術が
 (ヽ、ヽ   /  )|          これほど発達したのか?」
  | ``ー―‐'| ..ヽ|     
  ゝ ノ    ヽ  ノ     このポイントを軸に話をしていくぞ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ____       
   /      \       …言われてみりゃそうだお。
  /   ノ    \\    戦場で役立たずなら、あんなもん、持つ必要すらないお。
/    (●)  (●) \  
|       (__人__)    |     首を刈り取るため、って説もあったけど、
/     ∩ノ ⊃  /    倒した相手の首を取るだけなら、脇差でも十分だお。
(  \ / _ノ |  |     大体、鎧兜が邪魔で、斬るに斬れねーお。
.\ “  /__|  |    
  \ /___ /     そうなると…なんでみんな戦場に刀なんか持っていったんだお?


8212009/02/01(日) 22:50:13.23 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    だろ?
. |  (__人__)  |   なら、逆に言えば、皆が剣を持っていたということは、
  |   ` ⌒´  ノ   「戦場で剣が役に立つ場面があった」ということでもあるわけだ。
.  |         }   それがどういう状況なのかについて説明する。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ     まず、弓や槍と比べて、剣…つまり刀のメリットはなんだと思う?
   /    く  \  
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

     / ̄ ̄ ̄ \  
   / ―   ― \    メリット?
  /   (●)  (●)  \  弓や槍と比べて、刀にメリットなんかあるのかお?
  |     (__人__)      |
  \   mj |⌒´     /
     〈__ノ ホジホジ
    ノ   ノ

     _)-―¬ニニ¬ 、r、}rヘ      
     /   ,′  ´ ̄、`Y  l       そもそも弓や槍と比べて、攻撃範囲が短いから、
   /    /   、    l くハ |      相手の攻撃を一方的に受ける…。
   ,′ , l !   , |  、 |  l l|     
.   l  | | | /| ∧__ハ| | | |       敵の懐に潜り込めば、というのをよく聞くけど、
  | |  l | ¦l7/斗‐r、 | | | |      槍持ちだってそれを考慮に入れてるから、
  |∧ |Nヘ、!/ヘ::.::.::.} 〉  ,′l|     「槍襖」などの集団戦法を作っている…。
  ´ ハjミYシ′  `ー' /  /  l| \    それを崩すには、こちらも弓や槍が必要…。
   / lト《ヽ、 ー一  ,イ  /   l|   ヽ   
.  /  l  l | }≧≦‐ | ∧   ヽ}  `、  やはり、刀の出番はない…。

8412009/02/01(日) 22:51:27.76 ID:J7aB3t3n0
    __     まあ、そうだな。
   /   \  では、何故攻撃範囲が短いと思う?
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)         キリッ ____
. |     (__人__)           /\   / \     そりゃ、刀は飛び道具じゃないし、
  |     ` ⌒´ノ          /(●)  (●) \   槍と比べて短いからだお。
.  |         }         / ⌒(__人__)⌒   \
.  ヽ        }     \     |    |r┬-|      |
   ヽ     ノ       \  \   `ー'´     _/
   /    く. \         \  ノ          \
   |     \  \    (⌒二                |
    |    |ヽ、二⌒)、        \        |  |


   / ̄ ̄\           
 / ノ  \ \/`i        そう、それだ。
 |  (●)(●)./  リ       「短い」…つまり他よりも小さいんだよ、刀は。
. |  (__人__)..|  /        槍や弓と違って、打刀なら腰に挟めるんだ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ        
.  ヽ     //  ,`弋ヽ      即ち、「他の武器と一緒に持てる」。
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l    これが刀のメリットだ。
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //    
    |    フ-、`ー┴‐-〃      
         `ー‐一′
     __
   /― ―\     r@" ̄~@ヽ   
  /u(○ ○)\    /ノリliliハiliハ    「「あ…」」
 (   (_人_)   )  ノ从リ@-゚ノ从

8912009/02/01(日) 22:53:05.48 ID:J7aB3t3n0
                  ,イフ    <;;;、
                //  / ̄  ,,;;;;弐ュ
               //  /  \  ;;;;;;;;;;|    戦場における刀…即ち「打刀」は、
             //   (●)(● )  彡;;;;;!   弓や槍と比べれば、攻撃距離において劣るが、
           //     (__人__)   彡;;;;|   .脇差や素手と比べれば、まだマシだ。
          //      .(`⌒ ´    彡
         ,イ ,イ        {         |      そして、一人で槍と弓の両方、または槍を二本、
.       ,イ ,イ          {        /     なんていう組み合わせで戦うのは難しいが、
     (⌒ミく           \   ,r'´/⌒ヽ、  弓と刀、槍と刀なら十分いける。
.    {弓ミ>r'           ゝ;;;;フ//     ゝ
    / /イ ゙〈            > レ'''      ;;l|    ここに、刀の意味がある。
  ,r'⌒く.\  >ヘ、      _,.<         ;;;l
  {   〉ァ─―─≧=--¬¨             :;;l |   つまり、刀のメリットとは、
.  `ー‐ァ/                _,r<    ;;l   「誰もが持てるサブウェポンである」ことなんだ。
    ム_         __ ,r<  ;;;ヽ  ,,;;,'
        ̄¨¨¬=ニ二_|k ,|      ヽ;;,.'
                  lY       ;;;/7
                  「 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄レ

9212009/02/01(日) 22:54:53.72 ID:J7aB3t3n0
    / ̄ ̄\            実際、「功名を上げる(敵を倒す)」ことこそが
  / _ノ   ヽ_\          戦における武士/武芸者の目的である以上、
  |  (●)(●) |         その点で弓や槍に劣る刀は、確かに「役立たず」ではある。
  |.  (__人__)   |
  |  ` ⌒´   ノ           だがしかし、
  |.        }          その弓や槍が壊れたり、使えなくなった時、
  ヽ        }          刀は、鎧と共に自分の命を守る最後の盾になる。
   ヽ     ノ           即ち、功名以前に、まず「生き残る」ための
  /       l'l./ ̄\      拠り所になるんだ。
::i三三三三三三|;|i:::::::::::::::|二⊃
.. l          l,l.\;;;;;:/      だから刀は、戦場の主役でなくとも、十分必要なものである…。
 ..」        L          これが「その1」に対する回答だ。

         ____
        /⌒  ⌒\          なるほど…。
    (ヽ /( ●)  (●)\   /)     武器同士の優劣ばかり目がいってたけど、
   (((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i)))    そういう視点で見れば、確かに刀は必要だお!
  /∠ |     |r┬-|     |_ゝ\  
  (___     `ー'´   ____ )

    / : : /::/: :,:′: :′: /: : /: : i : :!┗┓{: : :
    ,′: : ,'::/: :/: : : /: : /: : :;′: :!: : l: :r┛`Y: :
.   {: : : : : :; : ,' ^) :;': : :,':⊥.」_: : :i: : :j: :} : : : i:
   ', :{{:::{ : ::(( : { :{ :{ ⊥..」_`:.ノ:/: ;′: : :j:    何よりもまず生き残る…。
.    从从八;ゝ=:)) `` Tij:7ヽ/:/: / . : : :,′  守るべき家がない武芸者なら、
     〉〉〉 〈(必リ    ゙ー'/: /: / .:/ : /: :   .命があっての功名…。
     j ij : : j{((′     /: :: /: : ::{ : :{: : {: : :
    ,','/. : :八   ー  ,'. : ::;' : : : :', : :', : : : :
.    / /. : :/.: :j\    {: : :::{ : : : : :ヽ.: :、: : :
.  ノ /.: :ノ. : :ノ :ノ:`¬ァヘ、: ::、: : : : : :\: : :

9412009/02/01(日) 22:56:34.13 ID:J7aB3t3n0
        / ̄ ̄\                 そういうことだ。
      /   _ノ  \               言ってみれば、これは現代において言えば、
     |   ( ●)(●)              以下のような置き換えが出来るかもしれない。
    . |     (__人__)
      |     ` ⌒´ノ                 弓・鉄砲 : 火砲
    . |         }                  槍    : 小銃
    . ヽ        }                 .刀    : 拳銃
      ヽ      ノ
     ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ              戦場で拳銃が主力になるかというと、
    (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈             まあ無茶な話だが、それは拳銃が無力だとか、
     `|  _r'゚lニニニl]_ ____/l        役立たずだとかいうのではない。
fニニニニllニニ|  \[ l===ニニl]}||||||||ll]}コl|====iニコ  最低限必要な威力は有しているし、
|l_,,=-'''~  | \... ヽ'''ニ「_,,,l⌒l。__。_]三i三三i    何よりその携帯性故に最後の武器となり得る。
      | 〈,,/ヽ___)|ll [`ー' ̄          戦における刀も、同じ役割だったんじゃないかな?


    / ̄ ̄\      それに、槍や弓が使いづらい状況…、
  /   ⌒   \    つまり、城に攻め込んでの屋内戦や、障害物の多い地形での戦闘、
 ( へ)( へ)  |   あるいは大道具の持ちこめない隠密からの奇襲など、
 .(__人__)      |    状況によっては、最初から刀主力での戦闘だってあり得るんだ。
  l` ⌒´    .|   そういう意味では、刀も十分戦の役に立つ。
  {          .|
  {       _ |    まあ、肝心の大規模集団戦において、
 (ヽ、ヽ   /  )|   槍や弓と比べれば不利なのは変わらないわけだが、
  | ``ー―‐'| ..ヽ|   実は刀で功績を挙げた猛将の逸話もあるんだぞ。
  ゝ ノ    ヽ  ノ   .その話もしようか。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

9712009/02/01(日) 22:57:46.98 ID:J7aB3t3n0
 黒田家の家臣、野口一成は、
黒田二十四騎の一人として名を挙げていた猛将だった。

        .r‐O ,-‐O
  ,;''iヽ     .!   !
 .!l.i l i  ,.-┴、 ,..l..__,;:-‐‐、
 i.!i i j  i   ,;'~  /    .)
  `!i´   ヽ i'   .i ,;-'"⌒ヽ.
 ,/~゙i    ) l    l/     i
(l/ニフ   i'⌒ヽ((^jノ、   il"~゙.!γ⌒ヽ    やあ!野口一成だ!
.f.;=ョ'7  j  .ヘヽ r'"ゝ、il   i,'   _」     ン~フフ~今日のラッキーストーンは何かな~?
.i =,マ ー'(   i´サ) ''ル) il   l   ,;' ゛
.l :./    ) ノ、''゙ー ''_  ゝ-' l  l
ヽ(゙=")  γt' l ヽ.i ̄.ノ ィ /   l  l,..__
´:! :| ,/  .l .l   i、='ノ i/    l、_ノ
. i: .:i"  /゙`ー-.、 ヾi、l'       i
: i、 ノ_,,..:'"     ヽ、___ ,,,,.._____  ヽ、
  ゙"~            ノヽ=-‐''"
         野口一成

9912009/02/01(日) 22:59:08.15 ID:J7aB3t3n0
 ある時、一人の武芸者が城下に道場を開き、剣術指南を行った際、
この野口一成と仕合をすることになった。

           ,..._ ,__
         ,/ ̄`ヾ,;:'´ ̄~ヽ\
       /~  l ;´ヾv'',;;;   ヾヽ
      ,;''/  /,!l::=ミ,'.'=‐i| 、. ヽ ヽ 、
     ,;'// , ,;" i|     l!;il、  ヽヾ.、
     〃/ /ィ,.-‐'‐   ─'-゙、ヾil  ヽ     野口一成…。
     i' ィil .//-rヵi‐ヽ  ‐ゥ;-ヽ j.i.! i |    黒田家の猛将と言われた人物かぁ~。
     l、 i ,-、i  ,. ̄ ;    ̄  i;-、リ、/l   (…超DOKIDOKIするぜ…!
     ヾ| :'::!  ''" ,|   '"" .l.::゙ソ'      もし、鬼みたいなのが出てきたら…
      ヽ.-.!    `     .i-"/      うん、潔く、正々堂々と、
        |、`゙!、  `゙="´  ,ィ' 〃      決して走らず急いで歩いて逃げよう…!)
        ヽ i\  `´   ,.イ ,.イ'
         ヽiヽl.ヽー-", l リ'
          _,,,.゙'i ;,   ,;: iリ ._
         f<..,,!_  ,;:'_,,,..>l  ,.┐
       ,,.-|.   |!   .!l    ト,,.l .liィi
  ,,..-一''""  ``ー-i!  !l-‐''"´ .i l ゙i ゙゙``ー-,‐、
 / i         ,..ヘ /'     l i :i    /  ヽ.
          とある武芸者

10212009/02/01(日) 23:00:56.54 ID:J7aB3t3n0
 やがてやってきた野口と武芸者は仕合をしたのだが、
この仕合を見ていた黒田家の家臣たちは大いに失望した。
何故ならば、野口の剣法は、ただ突いて突いて突くだけの単純な剣法だったからだ。

 ╋┓┃┃  __|\ |\
 ┃┃   \;;;;:::::::::::: ̄::: ̄‐、_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
┣━┃┃//::::::ノ|/∨|/\|\|:::::::::|
┗━    |/|/┼|┼| |┼|┼ ||;;:/||    ______
  ┃    |  | | | | | | | | |  |-、|   /
  ┃    ゝ |  < __ u _ノ  <  何で突くだけなんだ──!!
         \ |_____| /|     \
  ━ ┃     \____/  |        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ━━┛    ___|‐_ ___‐‐‐|__
        /|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|\
           黒田家家臣

 そして更に、相手の武芸者だけではなく、皆を唖然とさせる行為を野口は行った。

10612009/02/01(日) 23:05:33.86 ID:J7aB3t3n0
 武芸者の木刀を左腕で受け止め、
そのまま右腕の刀で斬りかかったのである。

──── _──_ _──______────────────
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──|:::::::::::::::::::::::| |::::| |::::|── ̄ ̄ ̄ ̄|::::::::|── ___|:::::|_───
── ̄/:::/ ̄|:::::|  ̄  ̄──‐______|::::::::|──‐|:::::::::::::::::::::::::::::|───
── /:::/  |:::::|─────‐|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|── ̄ ̄/::::::::| ̄───
──\/   |:::::|─────__ |::::\__───‐/:::::/|::::|────
─────  ̄ ─ | --=二::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ|\ \/  |::::|────
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────────/:::::::::::::::/ |/ ∨__|::::::| \:::::::::::::::::::\──────
_  ──────|/|:::::::::::/\_  _/ / \| \:::::::::::::::::::::|──────
  ̄─ _        |::::::::::::|ゝ|. ヾ_ノ┰┰、    ∧∧ | ̄\ | ̄|───
       ~~ ̄ ̄\ |:::::::::::/| ̄ノ `~" ̄ ̄" __|   \|   ∨  |/|/
             |::/\( | ヽ 、      |
            ノ/|:::::|::::| |  |ゝ二_\   \  ああNOる怒
──_______        |::::|:::|  ヽ |    |  l二   手話LU杖ねっガー!!
───  ̄ヽ  \   |:::|::|   \===  /\
───── \ \  |::|:|     \____--‐  /
===============================================================
              . .
             :   :    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           `==(⊥)==' < ごぶしっ!!
    武芸者→     [ ヽ:   \_________
               ノ∧|
                 :

10812009/02/01(日) 23:07:26.39 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄丶 ̄ ̄ノ(
 //  \    \⌒丶
/  /  ∧|∨//||丶  | |  
| | | /| | | | | | || | || | ||    いい加減にしろ!
| | | || | | | | | || | | || | ||   剣を腕で受け止めて、そのまま戦うなんてあるか!
| | |/| | | | | | || | | | || | ||  もっと真面目に…そしてフレンドリーに戦おうZE!
| ||/| ″  |  ″ メ |ヽ|/|
^| ||ゝ| // <| 、   u |ノ||  
  ||/\  |二二|  //|ノ  
    |/\|____|//ノ    
     ,--|    |- 、
───| _|_ __|__|──

       /(__  、‐-、
     ___(:::::::::::ヽ--ヽ::::::ヽ.     ━┓
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶ノ|   ┏┛
 /:::::::::::::::::::::::::::::::;、:::::::::::::::::::::::::ヽ   ・
 )/ |::::::::::::::::::::://::::/丶:::::::::::::::ヽ
(/   ノ::::::::::|\( 丿ノ  _∨:::::::|ヽ|    え?そんなにおかしかったかい?
  ∠_ノ::::::::| ' -二l  l二-ヽ|::::::|    なら、ウチに遊びに来るといい…!
    /:::::::::|、 '. ∪ ヽ  ∪丶|;;;;ノ    .今なら出血大サービスだ!
    |:::::::::| |   " |  ゙゙  | |
    |:::/||ゝ|    (     |ノ
    ||∧  \  ー ‐- /     ∧
    _|:::|___,.|\_ /( __________,|:::|
  / |::::|    | |    /     |::::| ̄丶

 怒る武芸者に対し、
野口は「己はこのやり方でずっと勝ってきた。望むなら証拠を見せよう」と言い返し、
武芸者を己の屋敷へ招いた。

11112009/02/01(日) 23:08:41.39 ID:J7aB3t3n0
       /(__  、‐-、
     ___(:::::::::::ヽ--ヽ::::::ヽ.
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶ノ|
 /:::::::::::::::::::::::::::::::;、:::::::::::::::::::::::::ヽ
 )/ |::::::::::::::::::::://::::/丶:::::::::::::::ヽ
(/   ノ::::::::::|\( 丿ノ  _∨:::::::|ヽ|
  ∠_ノ::::::::| ' -二l  l二-ヽ|::::::|      見てくれ…これが動かぬ証拠だ!!
    /:::::::::|、 '. ∪ ヽ  ∪丶|;;;;ノ
    |:::::::::| |   " |  ゙゙  | |      (なんで鎧櫃に「ごはん」って書いてあるんだ…?)
    |:::/||ゝ|    (     |ノ
    ||∧  \  ー ‐- /     ∧
    _|:::|___,.|\_ /( __________,|:::|
  / |::::|    | |    /     |::::| ̄丶
 |___  |::::|   |    /     |::::| ___  |
「UU─────────────UU]  |
{ |                     |ノ  |
 ||   __ ,,     ∩⌒~ヽ       | |  |
 ||  ー     ( Cο。 )        | |  |
 ||  |,古    (0ιoΟ    )       |  |  |
  |   ,    ヽ`======='ノ       |  |  |
  |  /、l     \__      _/       |  |  |
  |           l二二二l          |    |
  |        野口一成        .|─‐ノ
  |_________________,|

 野口は、武芸者を屋敷に招き入れると、己の鎧櫃の中からあるものを取り出した。

11312009/02/01(日) 23:10:17.89 ID:J7aB3t3n0
    __,,|. 0},ノ;;;゙i,.
 ヽ;;三彡. ゙ー'  ::::゙i, 
  |三三彡,,-- 、 :::゙i,.
  `´゙ヽ :::::::\ ヽ ::゙i,
     \ ::::::ヽ ヽ `i.
       \ ::::ヽ ゙i;.j‐、
        ヽ=='<`|、 ヽ
        ;;|-r‐''"゙::::. |.゙、
        |゙i:: |::::l:: ゙! |ヽi,;
         ゙i,しr‐<フヽjヽ__)
         \,>、ス_<ヽ_ノ    ゴトリ

   / ̄ ̄丶 ̄ ̄丶
 //  \    \ 丶
/  /  ∧|∨//||丶  | |    ┃
| | | /| | | | | | || | || | ||  ━╋━┓┃┃ ┣━━┃┃       ━━  ┃
| | | || | | | | | || | | || | ||   ┃  ┃    ┃      ━━━       ┃
| | |/| | | | | | || | | | || | ||    ┃  ┃    ┗━━          ━━━┛
| ||/| ″  |  ″   |ヽ|/|
^| ||ゝ|   <| 、   u |ノ||  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ||/\  |二二|  //|ノ <  何これ──!(作品違うー!)
    |/\|____|//ノ    \________
     ,--|    |- 、
───| _|_ __|__|──

 それは無数の傷跡が残る鉄の篭手だった。

11612009/02/01(日) 23:11:49.14 ID:J7aB3t3n0
             ハ..八 八
    や       /:::::::::::::::::::`レ
     |       (:::ハ::ハ::::::::::ノ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     い       | o  ヽ::_/    |
  や         ⊿ 〃  レ )   < うふふふふ・・・・・
   |          ヽ∇  ノ´     |
   い           Tニ|___    \_____
            /| ̄ ̄ ┃\
           / /T     |\ \ ))
          /  / |    ┃ )  |
       (( (ル′ |    ┃(人ノ
              |___┃
              |  |┃|
              |  |┃|
             丿 丿┃ Lノレ| ))
           / /  ヽ_ ノ
         (( ( ハ(

 愕然とする武芸者に野口は、

 「筋金を何本も入れて、特に頑丈にしてある。
  戦場では、これで相手の太刀を受け止め、仕合でやったように相手を仕留めたものだ。
  これが拙者の流儀でござる」

 と言い放ち、更に戦場で使っていた太刀も見せた。
それは、見かけこそ錆だらけで粗末なものだったが、先端は鋭く尖っており、
「とうてい折れそうにない」代物だったという。

11912009/02/01(日) 23:13:19.17 ID:J7aB3t3n0
                ,.--、、
                  ,:'    ゙ヽ、
               / ,,.-‐-- 、..ユ_
              /レ´       `ヽ、
                , ´_   ,:''´ ̄`ヽ.    ゙ヽ.    戦場でも、ヨロシク!!
              ,:',r´ ゙ヽ::i       「`''‐-、 ヘ   
           lイ   j:{       ト 、  `ヽi
              |{    (__)、_  __,.ノ′ ヽ、   l  ←戦場での野口一成
             {,.ゝ-‐' __|_,,..二_      ヽ.  l ,;ァ
         ,..,r‐、|  ,r'´_,..-─--ヾ、      ヘ.ム' j
          | } | l. |リ k‐''''゙゙´フ  ヽ       ノ/ ス二ニ
       | j |  ヽ! { `'''゙´ ,,,...   ゝ=-、_∠c'ン-‐''´‐
        | j^l|   ヽ-ヽ. ゙゙"´   ,,,;;;'   ,ノノク
       j' 丿/レ´)     ヽ、_,.-1;;;;; _.ィ//,.-‐─=
      {'´ i'ノ /         _,.!-‐',ィ,イ,r'´

 つまり、野口の剣法は、

 「相手が剣を振り下ろしてきたら、それを篭手で受け、
  その隙に右手の太刀で相手の鎧の隙間を突いて仕留める」

 というものだったらしい。
そして、これで必ず相手を倒していたので、どういう剣法であるか
今まで誰も知らなかったということである。

12312009/02/01(日) 23:15:10.96 ID:J7aB3t3n0
          / ̄ ̄\
        /  ヽ_  .\       …まあ、真否はともかく、刀だって馬鹿にしたもんじゃないってことだ。
       ( ●)( ●)  |      尤も、この逸話じゃ、また武芸者(と剣術)が
       (__人__)      |       .戦場働きの荒武者にギャフンといわされる羽目になっているがな。
       l` ⌒´    |
       {         |         さて、では刀の「もう一つのメリット」についても話そう。
       {       /         これが「その2」で挙げた、
       ヽ     ノ
   ▼/ ̄      ̄ ̄)____     「何故これほど剣術が発達したのか」
 〃(⊥) ´/    / ̄ ̄/ /   〃 ⌒i
_i /⌒\./   /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i   の答えにも繋がるんでな。

 
           ___   ━┓
         / ―  \  ┏┛
        /  (●)  \ヽ ・
       /   (⌒  (●) /      もうひとつ?
       /      ̄ヽ__) /      どういうことだお?
.    /´     ___/
    |        \
    |        |

12512009/02/01(日) 23:16:32.85 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    そうだ。
. |  (__人__)  |   さっき、「誰もが持てる」って言っただろ?
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ     
   /    く  \   
   |     \   \  
    |    |ヽ、二⌒)、 

          /  l/ , / / /   ! !     |  |   i| /Y ニYi i
       /   / // l/i /  l ,! ,  |   !   ||.:i 人式i| |
        /   /   ,イ /   l  )/   l  /   / l|::|! /^Y^i |
      ,/  / 1 !(( /  ,rr=' l/  /l  /  / / l::|  _ノノi |
      /  /  | |:.:〉こ二仆 l /1 / l /  / / |.:|(( _ ノ  |   …数が多い?
    ,/ /   | |:〈{ (Y) ) )}l/ l / ─‐- 、./ / /^i^7     |
    / /     〉トト、ト、こ ニソ    r==ミ、 ヽ| ,/ / |/     ,′
   ,/ /     // V^l/ ー‐'′     { ,fか} 〉i::/ / /   , /
  / /     //  l{ _)           ゞ‐‐ < :/ィイイ /   / / |
 ,/ /    //  |,.ヘ   ヽ _,      /   / /   / / .!
 ′/   人//  /(⌒) 、          ,.ィ:/   / /   / /  .:|
  / /    >イ   入L1 >‐──一<⌒/   / //!// /  . :.|

12912009/02/01(日) 23:18:06.11 ID:J7aB3t3n0
      (ヽ三/) ))
       ( i)))
   / ̄ ̄\ \    正解!
 /   _ノ  \ )  刀は数が多い!
 |    ( >)(<)   これは立派なメリットなんだぜ?
. |  ///(__人__)  
  |     ` ⌒´ノ    今でこそ「芸術品」扱いの印象が強いけど、
.  |         }    当時の刀ってのは、護身のための実用品だったんだ。
.  ヽ        }    それに、成人男子なら当時は大抵の奴が持っていた。
   ヽ     ノ    
⊂ヽ γ    く      つまり、誰でも持っていたって事なんだよ。
i !l ノ ノ    |    (だからこそ「刀狩」などが成立するわけで砂)
⊂cノ´|     |    


  ./ />┬そ__     == ⌒しイ¬キ―‐、
 / 〃 t(⌒´  ̄     ̄ __,.. {{ 乃ノ i ハ
/   {し_)     /  i          ヾ一;、/ | ,
   ././ / / 〃     ハ | i  ∥ ヽ ノイ  ′ !
  // , ,  ″: | |i  Ⅵ| |∥ ,  ゙, ∨ /  j|
/ .イ | | ∥||| || ,..⊥l | |∥  | i ' /|   〃
   | | | ∥|l| | {f'´|メ | |∥ |! l/ / |  ||    うふふ…もっと褒めて。
   | 八 ∨{ ィrァミくヾ  イ | |∥ |! / /, i| l|
   ヽ |ヘ、トヽいYレ'ノ  ノ/ |_l_/jノ /  i l  l|
    | 「ヽ!ヾ二 イ     ミ、、_ ノ/ イ i|  l
   イ | ヽヽ  ::::  l    ::: `゙゙=ミ / /|  |   |
 // .| ヽ \    !ーァ   ::: /:///| |  |
 __/イ .\   \ `´    ,イ⌒ア^〉 / |   |
K⌒Y´  }-、,-、__}>r-ァ´ ̄ / /// | |  |
| ヽjし  >-、_ 7―、`/      ノト |┌ 、|   |

13112009/02/01(日) 23:19:25.29 ID:J7aB3t3n0
     ____
   /      \
  /   ノ    ─\     (なんか悔しいお…)
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |    なるほど。
/     ∩ノ ⊃  /    感覚的には西部劇の拳銃みたいなもんかお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


      / ̄ ̄\       お前もいい例えをするじゃないか。
    /   ⌒   \     槍や弓は戦で役に立つが故に、
   ( へ)( へ)  |    平時に持ち出すのは憚られるものがあったけど、
   .(__人__)      |     刀剣はそれより脅威度が低く、携帯性に優れていたので、
    l` ⌒´    .|    平時でも気軽に持てた…。
    {          .|    
    {       _ |     要するに、戦場よりも普段の日常で使う
   (ヽ、ヽ   /  )|    「護身具」として認識されていたってことさ。
    | ``ー―‐'| ..ヽ|    (無論、そういう数打ちの実用品ではなく
    ゝ ノ    ヽ  ノ    宝物扱いの名刀も同時に存在していたわけですが)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  

13412009/02/01(日) 23:21:41.03 ID:J7aB3t3n0
    / ̄ ̄\
  / _ノ    .\      _,,
  | ( ●) (●) |.     l;l          そして、ユーザー母数が多かった分、
 . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,         その刀を扱う術…即ち「剣術」には
   |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶        需要がそれなりにあった。
 .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l
 .  ヽ        }   ヾ~ `  i,        だからこそ、剣術の武芸者は
    ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,      他の武器の武芸者よりも数が多かったし、
   ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,     剣術を習おうとする人が多かったからこそ、
  ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i     道場経営や廻国修行も成り立ったんだ。
'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
/_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
"   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
     /ii'         / r-/|    l l
    /iil        /  l"v' y     }  l
   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|

             (ヽ三/) ))
         __  ( i)))       
        /⌒  ⌒\ \      わかったお!
      /( ●)  (●)\ )     つまり、剣術を習う人間が多い分、
    ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\     達人の絶対数も増えた、ってことだお!
    |    (⌒)|r┬-|     |
    ,┌、-、!.~〈`ー´/   _/       戦国時代でも、
    | | | |  __ヽ、   /       「役に立たない」はずの剣術の達者が多いのは
    レレ'、ノ‐´   ̄〉  |       .どうしてかと思ったら、そういうことかお!
    `ー---‐一' ̄

13712009/02/01(日) 23:23:14.74 ID:J7aB3t3n0
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i       そういうことだ。
 |  (●)(●)./  リ      プロスポーツでも、ユーザー層の多い方が
. |  (__人__)..|  /       メジャーになるし、プロの数も多いだろ?
  |   ` ⌒´ リ  ヒ       それと同じさ。
.  ヽ     //  ,`弋ヽ
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l    武器同士の優劣よりも、まず需要の多さ。
   /〈  `ー〈::....ノ   V   これがキモだ。
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ // 
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′


   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \      剣が特別だったから、それを学ぶ者が多かったんじゃない。
 |  (●)(●) |     むしろ、特別ではなく、普段から使うものだったからこそ、
. |  (__人__)  |     それを使う者の数が多かったんだ。
  |   ` ⌒´  ノ     上でも軽く触れたが、この頃、剣と剣術は特別なものじゃなかったんだよ。
.  |         }     まさしく日常のための護身具・護身術だったのさ。
.  ヽ        }     
   ヽ     ノ      だからこそ、使われる頻度が高く、使う人間の数も多かった剣術は、
   /    く  \    その中の達人である剣豪たちの工夫により発展していったんだ。
   |     \   \   これが、「その2」への回答だ。
    |    |ヽ、二⌒)、 

13912009/02/01(日) 23:24:38.57 ID:J7aB3t3n0
  まとめるとこうなるな。
 わかったかなー?
         |
    / ̄ ̄\
   /   _ノ  \.      ・ 実際に戦で役に立たないのなら、
   |    ( >)(<)       どうして皆が剣を持っていたのか?
.   |  ::::::⌒(__人__)        →護身の為
   |     ` ⌒´ノ
.   |         }.    。 ・ どうして戦場で役に立たないはずの剣術が
.   ヽ        }    /   これほど発達したのか?
    ヽ     ノ   ./     →普段から多くの人に使われていた為
     / lヽ介/lヽ、 ,rE)
.     | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
    | |  ゚|  |\/____E[]ヨ___________
  _ | |  ゚|  |__
  |\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
  |\\  ⌒  ⌒ 甘 \
  |  \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

     __           , ^@ ̄@^、
    /⌒ ⌒\         !iノ从ノ)))) ∩   「「は~~い」」
  / (● ●) \r´`i      ノ从∂ヮ゚从ノノ 
  (   (_人_)   ノ ノ     ( ( (t,,,ξ)( (
       `-'           ) )(,,ζ,,,,)( (
                  ( ( (  UU ) ) )

14312009/02/01(日) 23:26:40.74 ID:J7aB3t3n0
            ___     
           /      \    さて、そういうわけで、武芸者にとって、
          | ─    ─ |   それなりの技と名声を持っているわけでもない限り、
          | (●)  (●)|   飯の種を稼ぐのに一番手っ取り早いのは戦働きな訳だが、
          |\(__人__)/|   それ以外だと、この辺りがあるな。
           \ |` ⌒´ |/   
           / 丶'  ヽ:::::    用心棒  : 村や商家なんかに住み込みで用心棒をする。
          / ヽ    / /::::           あるいは旅人の護衛をして路銀を得る。
         / /へ ヘ/ /:::::   
         / \ ヾミ  /|:::     人足   : 土木工事などの現場で人足として働く。
        (__/| \___ノ/:::::::   
           /    /::::::::     寺に頼る : 寺に行って宿を請う。
           / y   ):::    
          / /  /::::      物乞い  .: 要するに乞食。
        /   /::::       
       /   /:::::          奪う    : 盗みでも追剥でも強盗でも何でもいいが、
     (    く::::::::                  要は他人から金を奪う(力ずく含む)
      |\   ヽ:::::         
      |  .|\  \ :::::        まあ、これはあくまでも、「武芸者」の生き方を
\    .|  .i::: \  ⌒i:       メインに据えている場合のことだ。
  \   | /::::   ヽ 〈::       農民や職人、僧侶など、他の生き方で糧を得つつ、
   \ | i::::::   (__ノ:       武芸者として名を挙げる奴だっているんだぜ?
   __ノ  ):::::             (僧侶の宝蔵院胤栄、染物業の吉岡憲法など)
  (_,,/               

14512009/02/01(日) 23:28:41.98 ID:J7aB3t3n0
     ____
   /     \
  /  ─    ─\     …なんだか全体的に貧乏臭いお…。
/   ‐=・=‐ ‐=・= \   もうちょっとなんとかならないものかお?
|  u    (__人__)    |  つか、最後のはただの犯罪だお…。
\     ` ⌒´   ,/


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \       まあ、定職に着かず、
   |    ( ー)(ー)     といって人に認められるほどの腕もないんじゃ、
.   | u    (__人__)     こんなもんだ。
    |     ` ⌒´ノ   
   .l^l^ln      }      そういう意味では、「武芸者」っていうよりも、
.   ヽ   L     }      「牢人の武芸者」と限定した方が正確ではあるな。
    ゝ  ノ   ノ  
   /  /    \       どっちにせよ、その日の糧を得るだけで精一杯、
  /  /       \     というのが実情だったと思うぜ?
. /  /      |ヽ、二⌒)、(まあ、別に武芸者に限った話ではありませんが)
 ヽ__ノ

       , -――-、
     /      \    
    /::::::::::::::     ヽ    ちなみに、道場を開いて、その教授料で生計を立てる…というのは、
   /::::::::::::::::::     ヽ   そもそも、そこまで達する事自体一苦労な上、
   |::::::::::::::::::::::    /   また話がややこしいので、今回はちょっとパスだ。
   .|          /    いずれまた別に話ができれば、と思う。
    \        /
  /        \

14712009/02/01(日) 23:30:51.33 ID:J7aB3t3n0
            / ̄ ̄\         まあ、そんなわけだから、一部の例外を除けば、
          /  ヽ_  .\       武芸者たちにとって仕官…、
         ( ●)( ●)  |      即ち「名声と生活の安定の確保」は一大目標であり、
         (__人__)      |        そのためにこそ腕を磨いたと言っていい。
         l` ⌒´    |       
         {         |         だから、大抵の武芸者にとって見れば、
         {       /         将軍家指南役である柳生宗矩・小野忠明の位置は
         ヽ     ノ          まさしく武芸者の頂点と見られていたと思っていい。
     ▼/ ̄      ̄ ̄)____    名声の点でも、生活の点でもな。
   〃(⊥) ´/    / ̄ ̄/ /   〃 ⌒i 
__i /⌒\./   /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i


       〈 〈 V/ ̄  __∠/_ <´ ̄ ` =  、
      _Yrミx < //  / `丶_<>¬、  \
   /r=、rヽ ゙も' ヽ    -‐¬((゙Y句⌒) 、  ヽ _
   /((介光))ニ          ゙='イ トーラ、ゝィ′   l )
 /、))///"  // l、\ \ \ ヽl X 、 ll l ト、   l(,r、   柳生宗矩、三千石…。
./ Y//〈(ノ///l l ll、\\ \ \丶゙ー"、l l !冫    )   小野忠明、六百石…。
イ ∧/ / /l、/ l ((ハ '、ヽ\\ \ ヽ\丶\ l ヽ  f゙´    どちらも、その日暮らしの牢人からすれば、
.l l ll ハ! l/イl _L_ヾl ヽ\_」ュヽ__ \', ヽ',\.l r,ノ   )     夢のような石高ね…。
/! ! V ハヽし//ン \ ',\_,ュ、、\丶l、l ハl  ヽヽ r、/  
/∧lヽヽ l V〈〈 〈必〉、〉  /f'愆㍉l l l l/l lハ ヽ丶`ヽ
´ ∧ l l八 lハヾ、ゝ彡゙   ` '′ハヽl/ l! l ', 丶 ン  
./ l !:! ! ハ! ハ )ソ 、_'_    イニヽ.Vメ、', ',  丶    
/ l/ !/ハ_ :!/ ヽ丶、 ` ´ f⌒)亠、八\ l 丶\  \ .
′/ /'/イ//∧丶\_ >.<r~'    \ \、 \\  \

15012009/02/01(日) 23:32:42.96 ID:J7aB3t3n0
       / ̄ ̄\            まったくだ。
     /  _ノ ヽ、.\         そして、「武芸者」として考えれば、
     |  (●)(●) |         小野忠明こそ、まさしく仕官を望む武芸者にとって
     |   (__人/,〉.|         理想的な「成功パターン」なんだ。
     {   ´フ´ ./._ }         
     ヽ  ./,二ニソ}          1:剣で名声を得る
     _ヽ/  ,-― 、}ノ              ↓
     /:;:{'   ノーヘJ:;:;ヽ        2:名声を聞いた将軍家からお声が掛かる
   /:;:;:;:;:;|  _,イ{:;::;:;:;:;l:;:;}            ↓
 /:;:;:;:;:;:;:;:;:\_/:;:;:;::;:;i:;/\        3:高禄で仕官!
 {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;〈:;:;:;:;:\ 
 ヘ:;:;:;:;:;:;:;:;/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:\:;/ヘ、    というわけだからな。
    ̄ ̄7:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l;:;::;ゝ、`ーj   宗矩の場合は石舟斎からの推挙という形を取る上、
     ./:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l:;:;:;:;:;:\~   立身の仕方がややこしいので、
    /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|ヾ:;:;:;/    あんまり参考にならないからな…。

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     まあ、モデルというか、
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  わかりやすい成功例があるのはいいことだお。
  |     |r┬-|     |  後続の武芸者にも励みになるお。
  \      `ー'´     /

15212009/02/01(日) 23:34:33.55 ID:J7aB3t3n0
    / ̄ ̄\
  /:::::::⌒ ⌒\
  |:::::::::(●)(●)|    まあ、そうなんだが…ここからが問題だ。
 . |:::::::::::(__人__)|   慶長五年(1600)まではこれでよかったんだが、
   |::::::::::::` ⌒´ |  それ以降、世の中が一変する。
 .  |::::::::::::::    }
 .  ヽ::::::::::::::    }    戦場が消えたんだ。
    ヽ::::::::::  ノ
    /ヽ三\´
    |:::::::::::::::: \
             __ ,..-- 、
            「/ ,.-_へV⌒丶_── -- 、 __ __
           /  「fトォ ゞ!|´⌒ヽノ             `ヽ
              /   ,朴_二_ノ   / / /         ̄ 'ヽ \
.            //  〃`--、ヽ , / / /   l/    ー-- イ ヽノヽ__,..‐ 、
          //  //  γ_j l/l/ / /  /         ゝニニノ Vー 、  !
           //  // / /`^.ィ / / /l  ,' !/! | !   | ! ヽ      { (ftト} l'^ヽ
        //  '/   ,ノ_j / / '/  | | l! ! ! // l! |  !   ゞーイ| |  |
         //   !|!| /イ// /l  |!  ' | l! | | // / ノ  |     乂ノ !  !
       イ!    |l |!((  |!'' /! | __ _)) | l ' l! l// /, イ   ,.  |  ( ヾ !  !
      / !   |l | |,.>',ニ_ヽム'~l!'´|i!| !/,/ // /,ハl  /  |    ノ  | ''   …関ヶ原の合戦、ね。
      '   |   ハ ヽ/ | Vrォゝl!ヽi| 'l!|/‐/-/ 、//! , / !  | / /   |/
     '    |   | |!∨ ハ ゞしjイ! ヾリ!//'_/_//, \/ /!/ / !/ / /   l
  / ,    |    ハ| { lヘゝ二ノ      〃,. ‐/メノ\ , ,イ/ / /     !
, '  /     |   / ハ ゝニ、、           l:::し::j j|ノイ / ' / / /    !
      / | |  ! / . ヘ `冖''           `ー ' '' レ'  / / / /    l
/  / /   | |  ! /  ハ    ヽ  __        イ/  / / / //    |
     ,. -人 |!  γフ\           // /  /|/ / /     |
    /      \ノヽ!ヽ 「ヽ!\       __ イ! /    .イ / /  ,イ|     |
   '      ノ L___ `ーj V ノ ̄ノ、j ̄!._ ノ レ'   / | ノ´| / |      |

15412009/02/01(日) 23:36:08.52 ID:J7aB3t3n0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)     そうだ。
.   |     (__人__)    それまでであれば、戦場に困る事はなかった。
    |     ` ⌒´ノ    しかし、関が原以降、徳川家によって
   .l^l^ln      }     日本全体が支配された事で、戦場は消えた。
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ       戦場がなくなれば、
   /  /    \      当然、そこで戦働きだってできなくなる。
  /  /       \    武芸者にとってみれば、飯の種と、
. /  /      |ヽ、二⌒)、功名を上げる機会の両方が消えたわけだ。
 ヽ__ノ


     / ̄ ̄\
   /       \        おまけに、豊臣時代からの刀狩で、
   |::::::        |      表向き、武士以外は刀が持てなくなった。
  . |:::::::::::     |      実際はどうあれ、これによって、
    |::::::::::::::    |      剣を学ぶ人間の絶対数も減った。
  .  |::::::::::::::    }       道場主たちも経営の危機だ。
  .  ヽ::::::::::::::    }       
     ヽ::::::::::  ノ         大手を振って往来していた武芸者が、
     /:::::::::::: く         生きづらくなりつつあった時代。
―――|:::::::::::::::: \ -―,―   …それが関ヶ原以降の慶長年代だ。
      |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

15712009/02/01(日) 23:38:59.89 ID:J7aB3t3n0
     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\    厄介な話だお…。
/    (─)  (─) \  衆を集めてひと暴れ、というわけには
|       (__人__)    |  いかないのかお?
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


   / ̄ ̄\      わざわざ戦を起こしてどうすんだよ。
 /   _ノ  \    それじゃよくて一揆、悪けりゃ盗賊扱いだ。
 |    ( ●)(●)   速攻で鎮圧されて打首がオチだ。意味ないだろ常識的に考えて…。
. |     (__人__)   (…常識的に考えれば、なんだが、な)
  |     ` ⌒´ノ  
.  |         }  ミ        ピコッ
.  ヽ        } ミ  /\  ,☆____
   ヽ     ノ    \  \ /     \
   /    く  \.  /\/ ─    ─ \    それもそうだお。
   |     `ー一⌒)  /   (●)  (●)  \  何か他の手を考えるお。
    |    i´ ̄ ̄ ̄ \ |      (__人__)     |
               \_   ` ⌒´    /
                /          \

16012009/02/01(日) 23:40:43.44 ID:J7aB3t3n0
               ___      ______     ))
         _√ィ⌒)), < `ヽ /  `> 、((_r≦ヽ
       / 厶=ミ ∠__   `      ´── {f以}〉)\
.       /  《ゞツ辷ー           ニ 二 ̄ `ベ((_) 、\
      / / ((¨´   ̄        l     iト、   ∨  }  i
.     / / (__))    i   i | i l i| |li||il| | i   }  ,′|   …じゃあ、今、指南役をやっている
     ' /     | i| l   i | | l l| |li||il| | l i /  {   ,   武芸者を倒すのは、どうかしら?
    〈 {  /  i| l| | l i | | l l| |li||il| | l i {  ヽ   ヽ  負けて元々で損はないし、
     , ', /  l| l| | | l | ))i l i| |li||il| | l lハ   .   }  もし勝てば自分の剣名は上がるし、
      ハ i {   il| l| l |, =彳|! l| ,」li⊥⊥⊥L! l ト  }  ,′ うまく行けば、後釜に座れるかもしれない…。
    / l i ヽ  il| ! | | r{辷ト、 | | l| | l⊥⊥_! l | l l }ヽ  /!  
.  /′ ! i  ト 、ハl| l/バY^ト{ | リi イf弐_ケ`l ヽl  / /  //    一石二鳥の作戦…。
/ /   }∧ ヽ ヽヽ ゞ弋ソソ      ` 冖'^ ∧ l  { /  / ′
. /   /  ,  ) } ハ ` ̄))  、       / }ハ ハ  ' |
 ′ (     } / // ∧ ((   、_,     イ イ '、ハ l  !
      ヽ  / /  {   /  > 、       イ ノ/,小、 \j l  、
      丿 '/{  ヽ { .ィ`Y´ > .. <ノ⌒´// i| `丶、\ヽ \
    / / ィ )(⌒ヽ.i.=fjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfj=.i: r¬ ) ) ',  ヽ
. / / // //⌒) .|                |_) {_ .イ  i i|
  /   '/./    ゝ.|      い い こ と    | ニ、ー- 、| lハ
' /   / /      |   思 い つ い た  |    ヽ } } ヽ丶 '、
/    / ′    .r‐┴、             ./´ヽ   } ' ハ ヽヽ.\
    / !    (` ー、 ヽ           / /ヽ } / .イ i  i }  \
   {    ヽ/  .r'ー-、 ゝ',           (_./ /  |/ /  !   l ノ   ヽヽ
  ∧   〈    〉- ..__`゙)           ゝ-´__ -'{ 〈  /  / 、  i|

16212009/02/01(日) 23:42:19.72 ID:J7aB3t3n0
           (ヽ三/) ))
       __  ( i)))
      /⌒  ⌒\ \
    /( ●)  (●)\ )    おお!それはナイスアイデアだお!
  ./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\   そうだお!椅子が足りなければ、
  |    (⌒)|r┬-|     |   今座っている奴をどかせばいいんだお!
  ,┌、-、!.~〈`ー´/   _/    手っ取り早く立ち合って、勝てば儲けもんだお!
  | | | |  __ヽ、   /
  レレ'、ノ‐´   ̄〉  |
  `ー---‐一' ̄

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー) 
.   |     (__人__)    …まあ、そう考える奴も当然いただろうな。
    |     ` ⌒´ノ   
   .l^l^ln      }
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

16512009/02/01(日) 23:43:58.51 ID:J7aB3t3n0
      ___    ━┓
    / ―\   ┏┛
  /ノ  (●)\  ・
. | (●)   ⌒)\    やらない夫、なんだか含みのある言い方だお?
. |   (__ノ ̄  |   何か問題があるのかお?
  \        /
    \     _ノ
    /´     `\
     |       |
     |       |

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \ 
 |  (●)(●) |       問題、というか、
. |  (__人__)  |      そもそもの前提条件が足りてないだろう。
  |   ` ⌒´  ノ      常識的に考えて…。
.  |         }
.  ヽ        }       もし、相手の指南役が
   ヽ     ノ       立ち合いを受けてくれなかったらどうすんだよ。
   /    く  \
   |     \   \  
    |    |ヽ、二⌒)、

16812009/02/01(日) 23:45:23.89 ID:J7aB3t3n0
          ____
+        ./ \  /\ キリッ
      / (●)  (●)\     相手だって同じ武芸者だお!
    /   ⌒ノ(、_, )ヽ⌒  \  立ち合いを申し込まれて断るなんて、
    |      `-=ニ=-      |  そんなことはしないはずだお!
    \      `ー'´     / +

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \      やっぱりそんなもんか…。
   |    ( ー)(ー)    あのな、「武芸者」ってカテゴリでくくれば、
.   |     (__人__)    そりゃ同じかもしれんが、
    |     ` ⌒´ノ    人間、ひとつのカテゴリだけでくくれるわけじゃないんだぜ?
   .l^l^ln      }   
.   ヽ   L     }      視点を変えれば、「無名の牢人」と「名のある武士」だ。
    ゝ  ノ   ノ      無名の牢人なんて、戦場なら雑兵も同然だ。
   /  /    \     そんな奴に挑まれて、いちいち立ち合いを受けるわけないだろ。
  /  /       \    .どういうメリットがあるんだよ、常識的に考えて…。
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

17212009/02/01(日) 23:46:58.46 ID:J7aB3t3n0
 , ィヘ ̄>y‐ァ-─ -、 _
 |/ 〈(薔)Y⌒ヽ      ``丶、
  / /( >‐< , /   !         \
 / // こ) / /  ! !        ((_/⌒Y⌒ヽ
  l/ , / / /   ! !     |  |   i| /Y ニYi i
  / // l/i /  l ,! ,  |   !   ||.:i 人式i| |
  /   ,イ /   l  )/   l  /   / l|::|! /^Y^i |
 1 !(( /  ,rr=' l/  /l  /  / / l::|  _ノノi |   出てこないなら、
 | |:.:〉こ二仆 l /1 / l /  / / |.:|(( _ ノ  |  無理にでも引っ張り出せばいいじゃない…。
 | |:〈{ (Y) ) )}l/ l / ─‐- 、./ / /^i^7     |  
  〉トト、ト、こ ニソ    r==ミ、 ヽ| ,/ / |/     ,′ 「ここの指南役は臆病者だ。
// V^l/ ー‐'′     { ,fか} 〉i::/ / /   , /     拙者からの立ち合いを逃げ回っておる」
/  l{ _)           ゞ‐‐ < :/ィイイ /   / / |
  |,.ヘ   ヽ _,      /   / /   / / .!    とか言い触らせば…釣れるんじゃないかしら?
  /(⌒) 、          ,.ィ:/   / /   / /  .:|
イ   入L1 >‐──一<⌒/   / //!// /  . :.|
 〉二ニ   / ⌒Y⌒ Y /   ,/ /  |/ /  .:.:::::|
Vr‐-,  , 人_人_人/   / / ~~\ .:.:.::::::|
).::<_ノ入 _ _ノ入_/   //´        ヽ:::::::::|
.:.:/。゚ /´ ̄`7弐く7 /   //           `,::::::|

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\     うはwwwwきらきーも言うおwwwww!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  そうだお!なんでもいいから引っ張り出せば、
  |    /| | | | |     |  こっちのもんだお!
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄

17512009/02/01(日) 23:49:15.75 ID:J7aB3t3n0
         / ̄ ̄\
       / -  - \
       |  (-)(-) |     
       |  (__人__)  |     ………ふぅ。
        |   ` ⌒´  ノ
  r"ヽ   |         }     
 (   =‐' ヽ        }      
  ゝ-'    ヽ     ノ     _
       _/     l__   / /
  __ゝ_/         ヽノ   ノ
  \___ノ'          ノ

        ____
      /   u \
     /  /    \\    な、なんだお?
   /  し (○)  (○) \  やらない夫、そのため息は!?
   | ∪    (__人__)  J |  なにかおかしいところがあったのかお?
    \  u   `⌒´   /

  {!」_/ / _ ノ  、_ヾ=' l !`ヽi__ノ } ヽ
 ,ィレi  ´ /   、_  ̄ ヽ:!_ー<-'´ヽ i!
(/ レ′ ,     i    ヽ ̄、_ノ´i`iLィ´  l    …おかしいと言いたいなら、
  /  〃    |     l  ヽ r' (」_    |   はっきりと言いなさい…。
  ′ /    , = 、_ノ  |  }  「`iノ    ! 
 l i l _{_>-、{{ ! -――!‐i !  l ´   |   そういう風にされるのは
 Lハ,イ_r'_ヘ.! 'r'└'ィチ孑z ル'l  l      l   とても不愉快…。
  {iY ゞ'_ノ_ノ   辷シ /  l  l     |
   7ト仟'´ '       ;  r'  、      ト、
  /  iT>、  ^   ,. イ  l:    i      l ヽ
  /   く  t>-r__7-l l   !、   l     ヽ

18012009/02/01(日) 23:51:26.20 ID:J7aB3t3n0
                   ,, -‐ 、
                  /'    ヽ
       / ̄ ̄\      ./      i
     / ._ノ  ヽ、\    /    ...........i
     |  (●)(●) |  /   ..:::::::::::::::|     じゃあはっきり言ってやる。
     |  (__人__)  |  /  ..::::::::::::::::::l    そのやり方じゃ指南役になるどころか、
     .|   ` ⌒´  .} ./  ..::::::::::::::::::::!    殺されるのがオチだ!
      |         }/  .::::::::::::::::::::/
      ヽ       ./   .:::::::::::::::::::/      それも、立ち合った末に負けるどころか、
      .ヽ    . ./  .:::::::::::::::::::/      ゴミクズ同然に扱われて、な。
   ,. ‐'"´  `'‐,r''"~   .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′     ..:::::::::::::/|
:,'      /       !.:::::::/:i..:..l
r   、  /           !::::::::::: i..:..i
l  .......`:i    i         !:::::::::: ゙、:.i
!  ::::::::::/    i       i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/     i      .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::|  `、   `、  .....::::::::::::l::::::::::::  `,
/ \:::l.   `、   ヽ::::::::::::::::::::l:::::::::::  /'''ー─----、
   `ヽ   `、  .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,,   ,. ‐;''

       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\    ど、どういうことだお!?
  /    (__人__)   \   ゴミクズってなんだお!?
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /

18212009/02/01(日) 23:53:11.63 ID:J7aB3t3n0
    / ̄ ̄\
  / _ノ    .\      _,,              お前らのやり方なら、
  | ( ●) (●) |.     l;l              相手を引っ張り出す事はできるかもしれん。
 . |   (__人__)  |  _,_,|,|_,             武士は面目あっての武士だからな。
   |   ` ⌒´  |, ト-=y  丶
 .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l             ただ、逆に言えば、
 .  ヽ        }   ヾ~ `  i,           そこまで相手の面目を失わせておいて、
    ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,          正々堂々と立ち合ってもらえる…というか、
   ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,         まともな相手として扱ってもらえると思うのか?
  ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i         …ってことだよ。
'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,        
/_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、        うん、ちょうどいいから、
"   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、     またひとつ、話をしておこうか。
、    ゞ;;/          /  ,¬    V⌒l    相手の面目を失わせたせいで、
i     /ii'         / r-/|    l l    命を落とした一人の武芸者の話だ…。
l     /iil        /  l"v' y     }  l
f    /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|

18612009/02/01(日) 23:55:48.98 ID:J7aB3t3n0
 その昔、常陸に斎藤伝鬼坊勝秀と言う名の武芸者がいた。
元の名を金平(馬之助)といい、塚原ト伝が開いた流派・新当流の門に学び、
後に夢で修験者の啓示を受けたと称して一流を開き、天流(天道流)を名乗った。

    \::::ノ\l^!_
     /\ノノ:::|::7
      〈::::/\L:」/\                      かみさまが私に教えてくれたの。
      ̄ \\ヽ::::::\                      だから「天流」なのよ。
         \\ヽ:: ノ\      ,. -─‥─- 、..__        r‐、
          \!)\∨ \  ,. '´彡´ -‐ ̄ ̄‐` ー- ̄-ニ =ー\ト、        `丶`丶、
            〉、:::::ヽ:::::ム/ /~入-‐ 二二ニ =ー─=三<二>云_ヽ    zミミミミヽ、 、、、
              〈::〈|\::::ヽ::::\/:/\ミt、         t===//ノ ハ`\  ツ´++ヾミ、ヽヽヾヾ
           _LC_ |\:::ヽ::::寸-‐`ー'' ───---- ‐ィ///ノノ } ヽ Y++++ハヘヾヾヽ
           /,//ハ≠≧\::ヽノト、r─ ------ ─ _ 千///// / /_  /ィ- 川+、++++',++++
           人_' _ノ/ / /|云/_」 弋三仁ヱュzz--∠トトN l l'´_`//r_チjノ+、++、+++',+++
         (/:7:{_| 〈 〈/ /|;;;;\...... /\ ̄ ̄ ̄ ̄/:::::::: ̄`代´┴'` 、"从++ \++++!+++
         〈_:_:_:_ノ Y / / \;;;;;\./   \_-三イ::::::::::::::://仆 、 _r_/入__++ヾヽ+++lリ++
         ヽ>ヽ> { {  l { /\;;;;|{{ <ニニコ\彡\::::::く_/ ノヱフ´   }}:::::::`ヽ+ ヾヽ++ /+++
             (l 戈 ヽヽl{ 彡/\  \\ ()  〈::::/ソ}}/77介t、_{{:::::::::::::: \+ミ!+ノ++!+
              `ヽヽハ八( /// \  \〉|__ |:/ソ::::廴ムz{}}:::::::::::::::::::::::::::::::::〉+ノ'´++/+ +
                ソ ノ  ソl上|   /弍、___∧ }ノ{/::::::::::::::::::{}}::::::::::::ヘ::::::::::::::::://++/+ ++
                     \\/`ー{ーくー'\:_: :::::::::::::::{}}::::::::r─‐─‐'' "´++/+ + + j+
                        ̄_/辷人  〉〉::::::::::::::{}}::::::人´+ + + +++++ + + +〃+
                       之/::::::::::::}ニ| //::::::::::::::::{}}:::::〈、士ー--─ "´+ + + ̄ ノノ+ +
                          {{{{ :::::::::::::|ニ|//_::::::::::::::::::ソ:::::::::\ー --‐──+  ̄+/+ + +
                       _茨}::::::::::::: \ソ/l|::::::::::::::::l!::::::::::::::::} ヽ+++++++/+ + ++
                     ,rzrツ´::::::::::::::::::::/l|::::::::::::::::l::::::::::::::::::|+ ヽ、+__+__+ノ+++
                   r少'´::::::::::::::::::::::::/んハl|::::::::::::::::!::::::::::::::::::|++++++++++
                  r彷::::::::::::::::::::::::::::/んハ/l|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ+++++++++
                                斎藤伝鬼坊勝秀

18812009/02/01(日) 23:57:22.38 ID:J7aB3t3n0
 その後、勝秀は上洛し、御所において「一刀三礼」なる太刀を使い、そのことで左衛門尉を拝任。
井出判官入道伝鬼坊を名乗り、故郷、常陸下妻の領主・多賀谷重経に仕官した。
なお、伝鬼坊の名は、この勝秀の衣装が「羽毛を以って衣服となし」といい、
まるで天狗のような衣装であった事に端を発するという。

                                  /f゙ヘt、`-、_
      ヽ、;;;、\      |      :::|     \\   /f~´  i゙;;'、';;t、`'‐ 、
        ` ー ゝ     }     ::::|        \〉 \(z、   ``ツr;;';;ゞz;;`'‐ 、
       __,.   ---──┴‐‐‐┐::::}            `'‐、ゞ、_ '´ `゙゙ ゞネ'゙‐ヾミー 、_
       \´、`゙`ゞヾミ''ゞ~^`ji:|:::::|                  `゙'-、ゞ 、     _,ノ;//
         `-- ─ー‐‐┬‐--=!::::{    ,. ィニニz、ー=‐-_、        `゙''-、ゞrt.;.ォ//
     _          |    ::::j ,. '´  ` ̄ア/バヾこ>、ヽ       ``''‐゙、/
      /{            !     :::|/ , ' ,. ´//'/ l Ⅵ丶. ヾ'、   ふふふ、判官様のお通りよ。
    / 代          冫 _ 、 :::|. / / , ´∨ ′ | L.〉  、 `,   下郎ども、道をお開けなさい。
   《ミ 、 ハ         i   .:::::|/ / / /! i  l  l ゙,  ',.、 ゙,                    /|
    ヽ:i; }         |   ::::| ,' _,゙.. ム |   l|  |  }  l | },              , ‐'゙ /
      ソ         |   .:::{ {´ ! ! { {  jリ゙"ノ メ、 リ |ハ          _,.. ‐´fじ''´
                }   .::::::|、.トィ丐Zミ、   ,.,._ニ,,_ ノ/l リ ゙,           ノ_,. -''´
                    /!   .:::::::::ト代、,, ̄`    └丐癶イノj八 `,        ´
                ,./ 、 .:::::::::::ハ::::|      '    ''' /ィ ハl 丶 '、         __ ノ′
      \ー-  ....//___V:::::::/:::::}}:人   ` ー'    ,.仏{´: . !l `,  '、    ´ ̄ ̄ ̄
         `ーz─‐{----┘:::,'::::::ノ;;斗{丶     , イ: :|: :l: .  !l  ヽ  '、
          /   ∧  ::::::i;:::::;ィ'´   Ⅵ、`'ーセ升入_;.j-┴ 、 !l.  丶 `、
         /    / ∧  `::::;::::{{    八Ⅵ/|/ イ: : \: .  \.!l   ヽ  ヽ      /\

 一説によると、諸大名にも仕官を誘われたものの、新当流の門下にあった時、
自分を見下した兄弟子たちを見返すため、わざわざ故郷で仕官したとも言われている。

19312009/02/01(日) 23:59:01.18 ID:J7aB3t3n0
 その兄弟子の一人に、鬼真壁と呼ばれた真壁城主、真壁氏幹がいた。
又の名を暗夜軒といい、これも霞流という一流を開いていたという。

    |┃三     , -.―――--.、
    |┃三    ,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
    |┃    .i;}'       "ミ;;;;:}
    |┃    |} ,,..、_、  , _,,,..、  |;;;:|
    |┃ ≡  |} ,_tュ,〈  ヒ''tュ_  i;;;;|
    |┃    |  ー' | ` -     ト'{
    |┃   .「|   イ_i _ >、     }〉}     _________
    |┃三  `{| _;;iill|||;|||llii;;,>、 .!-'   /
    |┃     |    ='"     |    <   話は全部聞かせて貰ったぞ!
    |┃      i゙ 、_  ゙,,,  ,, ' {     \ 金平はシベリア送りだ!!
    |┃    丿\  ̄ ̄  _,,-"ヽ     \
    |┃ ≡'"~ヽ  \、_;;,..-" _ ,i`ー-     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃     ヽ、oヽ/ \  /o/  |    ガラッ
           真壁暗夜軒氏幹

 この氏幹が、かつての弟弟子である伝鬼坊の態度に反感を持ち、
家老の桜井大隅守に命じ、門弟の中で最も優れた一子・桜井霞之助との仕合を挑ませた。

19612009/02/02(月) 00:01:10.79 ID:GF8tbxU90
         /:/  -  ̄  ハ ` ‐ 、ヽ  !,
         Y .// / /  |:i    \、 i
         /ー-、/、_ :/ ', i i,.ヘ ',  ヽ:i|
       r―´   ´  /   i /:  ト 、  i:ヘ
      ノ          ヘ | ,.ィ  i  `ー 、 i
     i ,.イ        / ハi,|//|  i    `
      /   i ハ  i /  i|`ー- |
      'i i  ハ ト! ィ:ハ i ハ   ノイ /  i
      ハ/|  |iL__V`'くハハ     |イハ  :i
      / V\ト卞乏`ミヾ`  ー-=≠―| ./      了解(ヤー)。
    /  | :ト、ゞ、:.:.:´彡  i えzゥ‐ラ/:/  /
   /   :/| /iト-=;,;_i'    `   ‘/イi イ /
- ´  / :/ | i :ヘヾ、;,/       /イ//イ |ハ
   /  /,.イ :/ :||;ヘ=:{ _`´_   /イ|i  |  i
  / .:ノ´./:/  |:|:i,:\{ `ー- `  ,.イ: `| i |   i
/_ -/ //  /:|:i:',: \ ` ,. イi;:/:.  | l ト、
ニ -/  :/´  :/ \:i,.  ` ´  i:;ハ:  | :l | ヽ
.:/   /´  /   `!      /  ヽ |  i:l ヘ
            桜井大隅守

 なお、余談ではあるが、この桜井大隈守の孫の一人に、
あの鍵屋の辻の仇討における敵の一人、槍の名手・桜井半兵衛がいる。

19812009/02/02(月) 00:02:22.89 ID:GF8tbxU90
  ,イ\  l ノl ト、_,-'´     ̄`ヽ、二`l
  l`-、_  / |_,-'´    ,-‐==-、_ \ニ|、
  `lフ―‐'‐'´     //´__     `lニニ|
  ∨ , u      / /´ lニ―-=l u `lニ|
   | / ニ、―、  `ノ  ` 〇__ノ    |ヲヽ
   Y´ ,-=、\              | /、|     ふしゅ、ふ・・・
    | l l´〇ノ  |        u     |`ゝl
    `ヽヽ-'´  ノ  ― 、         \/
     |    `l  )-、ノ     u  ;;;;;;;||
     l-|     `-'' ,,,,,,,,,,:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;フ;;;;;;;; |-'ヽ、 ふしゅる・・・・・
     `l `l, u  ,,::;;;;;;;;;;; ,-―-,-/ /;;;;;;;;;;;/   `l,     
     \`l ,,,:::;;;;l ̄二, -‐'´ノ,,,,,,,::;;;;;;;;;;/    \-―
       \l;;;;; ̄`l、´_, -''´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ        `ー、
        \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/       |
             桜井霞之助

       \    ゝ _ /   ./ ./      ヘ__/
.\        \  ,.イ      / :/         //:
  `_      r‐`'ィ /     / /  /       /く:
  /_  ` 、   /:.:.:.:.:.i,.ヘ    ./ i  i //-―- _:/  `
 i:.: :.` 、  \ イ:.:.:.:./ i: \  /  |  i :il     /`ト、    あら、あなたが私の相手なの?
 !: :  \  ヽi:.:./  ,'   \/  :|i :i _i|_i   .:.|.:     ふふふ……。
      ,ゝ  \',  .{    /  /|ハ :i トてノ`ドミヾ-`_/
     (   ̄ ̄ ヽ ',   ./  ゝ` :.N: | ` ‐-´ `ヽ
     .ノ` ー―- 、 i `、 /   /ヘ ー\!
     ',  、__. ', l ∨   ://  `-!
     {      `, V  |   ://   人        /
       ゝ ー-z、  、.ゝ | ̄ ̄` 、 /:il.|\   `ー _

 こうして、伝鬼坊と桜井霞之助の仕合が始まった。

20212009/02/02(月) 00:03:41.93 ID:jVa3ach60
 しかし、勝負は一瞬でつき、霞之助は伝鬼坊に打ち殺されてしまった。

           r―.、
           |;;;;;;;;|
      \ 、,|!,,v,
        `y:::::::::::Y´ ̄`
       ,.-/;;::::::::::;:',_,,..
     ´ /ィ:::::::::::i´  ←霞之助(だったもの)
     ,./´.:ハ::.:::.:ハ:.:.`.ヽ、
    ハ. . :.::::i,.ヘ;.:/!:.:.:. . ハ
    |::i:::::::::::|:. :}:. .:|:::::.:.:i..!
    i:::v::::::::|:. ..:i。 .:.:!:::::::::i::|   ,.r;;不ふヽ
    ';::|:::::::|:. `ヾ、,,.:|:::::::::i::i  {.:.:::::::::::::::::.:',
    /::i::::::i_ェュ! .:.:|::::::::i:ノ  .ハ;::O::::::O:::::ハ   …もうおわり?
    ./://:::::{:i::| ,..:.ハ:::::ヘ  l .:';::::::::::::::イ:::. ',   つまらないものね。
    !//:::::::::::i::::|。  ヘ;;_:i l .::::::::::::::::::::::ヽ:..',
   /:::::::::::::::::::::i:/|  .:/::::::::`l.:.:/::::::::::::::::::::::::::〉ヘ
  /:::::::::::::::::/⌒|.:.:.:/:::::::::::l.:::::ヘ:::::::::::::::::::::::/::::.\
  |:::::::::::v- ´   i/ `ー-l.:.::::::::ハ:::::::::::::::::ハ::::::.:.:.i
  |:::::::::::|          |.:::::::/:::::';:::::::::::/::::::i:::::.:.:.i

20612009/02/02(月) 00:05:04.24 ID:GF8tbxU90
           //__/_/ / |  ヽ \\ ',
           r┴' / / `∧ ! /^\< ̄ヾヘ
         // /    / ,、∨,、  \ヽ  \\
       ∠..ノ /  /  / ∧ヽ|/∧ヽ  ヽ\  ヽ ヽ
        r' / ,'  /  /l /´`"゙`´ ', ! 、   ', ヽ\}        同志軍曹(仮名)、全員召集。
        | { l   リ ,' 从     リ |  〉  }  } リ       奴を狩る。
      /レヘ |\トヘ匕L.._,. 、__/厶∠L/ l lイL
   ,ィ ´ / ∧ト、ゝ弋‐辷テミ、   ,ィ辷テァ//|,.イ ヽ\ー- 、   「了解(ヤー)」
  /  /-ー彡'´|l lヘミi` ̄彡 | ヽ ` ̄´/ // ! ` ‐- \`ヽ \
 _,.〉<´  //   |l トゝミ彡'7   |     //,' |ヽ   `¨ ー-  ヽ
.´       //   |l |ヘ三彡゙  ┘'   ,.フ /  l  \      `¨>ー 、
.       ,'/     | ', ヽ.l`マ{ ゞ二.Tミ、/l l  |    ヽ        〉   ',
      /     /| l l|  \    |ヽ|´ | l  l|     ',.      /   l
.     ,'    ,' | l l|    ` ー'|ヽl   | l l ト、  |     /     !
    /__ /  | l  |   \  ゞ'゙   | l l | ヽ___⊥__    /     ,'
    ヽ,      | l  |彡   ` ´ ィ三ミ:! l l |     /    /    /
      \   ノ l  |三i        ゞミ三| l l |      /    /     /

 これを恨みに思った桜井大隈守は家中の士・数十名を集めて伏兵とし、
伝鬼坊を呼び寄せた。

20912009/02/02(月) 00:06:21.31 ID:GF8tbxU90
     //    //   / ∧/ ||  |    |斗─-<,_  ! ヽ l  | ! ',
     //    l //   ,斗- ┼ー||  |    | !    l} ` ト、 || ,' ∧. l
     / | l  |/ l /  ll   |   ||  |   / |__l|___|L. / / / ', l   
    ,′l |  | イ   ||__ヽ_レ'  ̄ ̄´,. -─ー   ` / / ∧  l l   
.、  /  ハ ヘ   ', ヽ__/ - ── 、      ,ィ千天卞ミ >/ ∠、l  l l    …まだやられたりないのかしら?
 ヽ/ ./ ∧ \ \  l,ィ扞弌ミト、        ┴ゞ'ー'  //ヽ} 〉 l  l l   まあ、あなたもあの男のようになるわ。
  \/ /  \ \ ∨厶⊥ゞ'┴                 ´ ,'Y´ノハ. l  l l 
    \  //{\{ \ゝ          i            /´ ,イヾ, l  l l
´:: ̄::`ヽ\厶ヾ `ゝハ                        //| |  | l  l ',
::::::::::::::::::::\>、__\\∧       ー- -ー '゙     / ̄\l | l  l  ヽ
:::::::::::::::::::::::::::´::/ ` ーヘ                 ,. ′    ヽ | |  ',   \
::::::::::::::::::::::::::/       ` 、                /       \ !  \   \
::::::::::::::::::::/         ∧ > 、       ,.イ>            \    ヽ,   \
::::::::::::::/           /  \  `ミューィ≦´//          〈:\ _ \
::::::::/             〈.    \ _ヽ/__,/ /            }:::::ヽ::::::: ̄:::::

 伝鬼坊はこれを受け、約束の場所へ赴いた。

21212009/02/02(月) 00:09:04.08 ID:GF8tbxU90
                       ,.ヘ、___ __
                    ,心、_| ハ \ミ\ \ヘ癶、
                  /ノ ノ rミl:l:lハ  ヽ `ヽ \ー'\
                 〈  /  |ジ´,,´´} /Nヽ ト,l\ V Yヘ      お終いなんだよ。坊や。
                 ノ 〈l  lハ  ゞjノー--H/、| } lハ \〉    もう少し理性が働けば気づいたはずなんだよ。
                // / Nゝ!'^`ヽ  ~''´_,z≧、_N | l ∧ ヽ    自分がエサ場に飛び込んでいることに。
               /  l {イ弓彡、ミ_j  、_´¬‐’='^j/ l ハj)ハ
                |  l ! トト!〃_(・'`/        ゚ // /イ 〉 |   さあ、「矢切の太刀」を見せてもらおうか?
                \l,! ヘ|Z彡7ヽ r、      !イ/ /ト! } | | 
                 ヽ、|ミ彡彡{          ス//|rノ |    同士諸君、攻撃開始。
                   |lマ三彡7∠_ 二`ニー'    j/´| ! |      
                   | l∨辷/           |  | ! |    ( ⌒ )
                   | ll \払   ´ ミ      /|  | ! l   (~  ノ
              /}       | |l  l\}         /ケl  |   |   ノ
     ヾ 彡\ /ー'/        ! li  | l |\           |  |   lヽ∫
    /`ヾ /  /       ノ| l  | llハ ::::\ _ ィ   _ィ|  |l   r_i~\
   /  /  / \─‐-、_/ム|  l  l/ハ  ヾ壬/   `ヾ|  l|ハノ人、ヽ_三⌒ヽ
  | _/  /‐ヾ、ノリ\::::::::::::::::|  l |三∧    _ _    __,|z ニ1'\ヘ\ _`ヽ_ミリ
  ヽ  ー'´ー=ハヾ、ジ ==二_ァこ- |-¬'}^´ ̄ー´  ̄   │! lヘ:::::::`ー--..、ル(_rヘ
   l     _/  〉:::::::::::::::::::::::/  ノ |  /     ノ    ',  、、\::::::::::::::::::::`丶、
   |l       .ィ:::::::::::::::::::::::/ ハ/  l ─--、   く_.. --─∧ゞ ニ _\__:::::::::::::::::::::
   /::\    ´ ヽ:::::::::::::::::/{ !  _ノ|ゝヘ   `~    z‐、/::::::\ _ ヽ ム:::::::::::::::::
  /:::::::::∧      }::::::::::::〈 ノヽソ (::::||彡〈       〈ミ/::::::::::::::::::ソ フ ノ::::::::::::::::

 桜井大隈守が合図をすると、伏兵たちは一斉に矢を放った。

21512009/02/02(月) 00:11:10.79 ID:GF8tbxU90
                  ;'::::'      /    /
 /         /     ;'::::;'
                ,、 .;:::::        /
      /       // :::
            ,:";  ::'             /   ----,``
   /       ,、 ;' ,:' ::    /                  /   ヾ  / 、
          //::,:'            /         /`、  ヾ  /  -、ー, ────┘
 /          ,"':::;                       /  `、 ____ノ    ヽ
         ,、、、、、、、、、      /      /            ,"
  /     / 〉〉〉〉〉〉〉〉        /
       /。゚////////  /                      ,"
/      /。゚////////      ________          ,"
     /。゚////ヾ>==>,     il ., -,、'; __ '; __ ';
      /。゚///// ! !--i !     il i,___,i .';____';__ __    /;';';';'
    . /。゚////ヽ、i_i//,i_i` 、   il    lー────;",,,,,`;  /;';';';'  ,--、
⌒) :〈__//,==========、、---、il    l , - ‐ 、-、 i lllllllll.、 /;';'X<__,_.i -' ゙==、
::  ,;" ::゙; //,"””ヾ,"””ヾ i i_ ̄_il___l /,"””ヾ゙;_゙;_i_lllllllll__゙; '(_)(_)`ー'ー‐"(_)゙
 (" :: ~: i::(*)::i;i::(*)::i::i゙ー─;,”ー‐-"i:::(*)::i::i;;;;]二二二二i '゙'゙'゙'゙'゙'゙''゙'゙'゙''゙''''゙'゙゙'
⌒:: )::⌒: ::゙、:::::::ノ゙、::::::ノノ゙、:::::ノノ     ゙、::::::ノノ゙、::::::ノノ
"'"'"'"'"'"'"'"'"'"'"'"''"'"'"'"'"'''"'"'"'"'"'"'"'"'"'"'""'"'"'"'"'"'"'

22212009/02/02(月) 00:12:32.87 ID:GF8tbxU90
     |  _ | |             [二二ヽ‐_ヽ    //:/
     |三{ ´| |    /       ┌─_─ヽ\ \__ ///
     |三|、_ヽ|   /l_       /‐''"_´ ̄ ̄三`ベ/
    ´ ̄ ̄  \  ̄|   /    /〃/ ,. _'"´ ̄/ ク \       `)ヽ、 __/〉__
    }         !  ノ 7フ   / イ/ / __   `ヽ ヘ//ハヽ   _ ノ  __//_
    ゝ、      |    /´ ツ/r¬/  <゙{ぴ;;ぇ、ヽ  z 、ヘノ ハ   \   ヽ-‐ァ r‐__‐┘
    〈     n_∩7  // { {r    ` ヾ    _  〉リ}.} }    |    //云 rヽヽ
      ン  rh^ /´::| / /  /ム l            {=ミ  ノ//     |   /ク`/ /ノ
     (ン´⊆ /:::::::::::::Y /  /  彡ハ     z- 、_  ´ `/ノノ      |  〈〈// // 「l
     / /〈:::::::::::::::::ヽ  /  /l!:/  、    {   )ア   ∧´       、 |   ̄ ∠ィ'| rニニ lコ
     |⌒|/ ヽ:::::::::::::::::ヽl:--─/    ヽ   ー ´  ノ、 \   _ ノハ |        | | __//_
     |  |   llヽ::::::::::::::: ヾ≡Aヽ    ;;;\ __,... <二、 _>ー~''´   ∪      |」(<フノ┘_/〉__
     | ::|   l| ヽ::::::::::::::::ヽ==弋之二テ´,r-''"´::::::::::::Y   、             ̄「|└ r‐┘
     | ::|  /Z| ハ:::::::::::::::::ヽ三/´u/  /::::::::::::::::::::::::::::|  X´`)              | |r‐' ト、
     | ::|/ /|l ヽ::::::::::::::::::::\ 小、_/:ヾ:::::::::::`::::::::::: |   ヽ             |」<フノ `´
     |__::」/|  |1 |lヽ::::::::::::::::::::::::〉尤:::ヘ::::\::::::::::ヽ:::::::::|   7_               ̄
       |〃|  |l |ミヽ:::::::::::::::::/:::::ハ::::::::、:::::::::::::::::::::::::::|   c_ノ _     「_ ̄ ̄\   ロ「|r>
       /|  |∩|1 |:::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ー‐、    | `ヽ ヽ\ </
      /:::::|  |J |1 |:::::::::\:::::::::::::::::::::ゝ::::::::::‐-、:::::::::: /        ノ     \  `、 } }\__
     ノ::::::::|_じ ヘ l|>::::/オゝ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/        ツ  ___> } }l} / ヽ
   /::::::::::::〈 ̄\ 1ト;://////\::::::ヘ:::::二:::::ー二;;;/       /〉  /  l!     | |!   }}
   :::::::::::::::/ `ー 、ハ(ン:{{{{ { { {::::::::ヽ、::::::::::::::;;/´   |/フ    c´ /l!    l!    ィ/ /    ノ
   ::::::::::::{(二つヽン´:::::{{{{{ {!::::::::::::ヽ` ̄:::´:`丶、   j/ ̄\/ 〃   ノ  ´/ ´  ´

 伝鬼坊は、秘術「矢切の太刀」で振り払うものの、
矢は雨の如く降り注ぎ、そして、遂には…。

22512009/02/02(月) 00:14:00.21 ID:GF8tbxU90
   .// /:/   //:::|:.:.  :.:. :.:.:';斗:.:´:.:.:_V:.:.:.:i:i: |i
 / /  ハ::`ー-':ハ:.:i:.:';:.:.:.:.:ヘ:. :.:.:v´∨二:.:∨:.:i:.:||
/  .i  :| ` ー ´i:.:.`-':.:./:.:.:.';:./::::::Yirくヽヽ∨:ハ
  :i   i   i:.  ';:.:.: /:.:.';:.:./::::::::::.:.:.`:い;;ハ`|ぐ       ああ…きれいだわ、そら…
  |   .:i:.  ::i:.:. .::X:.:.:.:.:/二:::::::.:.:.:.:.:.:.:.ゞ、ソ ' ::':,
  i |  :.:.i  :.ヘ:. ./:.:.:.:v./==ミ`:.:.:.:.:.:.: ` ー 、:. :.ヽ
 :i:|:i   :.:.i  :.:∨:.:.//;イヽ:.:ヽヽ :.:.:.: :.:    ハ:.. .:. ',
 i :| ', ',  :.:.i  : :.:.∨:.:イ:i い:;;ソ:.:|/:.:.:. : :.     :.::. i
 i :|. ヘ  ';:. :.:. .:. :.:.:ゝ:ハ:L_ `ーz/.: :.:.:. :.   ,.ィ  .: |
  |  ヘ ',.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.: :.:.:: :.: : :.:.:.    ' ´  ::.:i´ ̄ `ヽ
  |   \、 ゝ:.:.:ゝ:.:.:.:.:::`:-:._ :.: .:: .. ::  :.:.:..     :i '' r:; '' \
  |   i| \、\:.:.:`.::.、ー―-:.: : :::. :..  :.    :ノ ,.';.:,  ,.. ヽ
  | :; i| i :.:.ハー-`  ̄:.:.::  :. :.:.  :.:. ::    ,. ´r;:.:.:.:;:.:.:.; '` ヽ
  !  :i:| :i :.:.:.:.:`ー----::.-:::--::::::-:..-:::―、<    `  `ー '' ;:.,  ヘ
  |  i | :i :.:.:.:.: :.:.:.:.:.:. ,ハ:.:ヘ  :::::::.  ::  i:| \     `;:.:.、    :i ̄ -
  i:|  i | i :.:.:.: .:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.`´V:.:.`:.:V v:|:|:.:.:.. `  、  ..  :..   i::.    ヽ

 古の弁慶の如く、全身ハリネズミのような姿となり、息絶えたという。
(なお天流は一子法玄、また主の多賀谷重経によって受け継がれた)

23112009/02/02(月) 00:17:20.86 ID:GF8tbxU90
        ノ L____           なんだおこれは!?
       ⌒ \ / \         単に負けた側の桜井大隈守が
      / (○) (○)\       逆ギレしただけじゃないかお!
     /    (__人__)   \
     |       |::::::|     |       それに、立ち合いに弓を持ち込んで、
     \       l;;;;;;l    /l!| !    集中攻撃って、どんだけなんだお。
     /     `ー'    \ |i     あとゴスロリっ娘は人類の宝なんだお!!
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ     てゆーか、これと武芸者の立ち合いが、
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <   どう関係あるんだお?
               レY^V^ヽl


    / ̄ ̄\      大有りだよ。
  /:::::::⌒ ⌒\    是非はどうあれ、相手の面目を失わせるってのは、
  |:::::::::(●)(●)|    こういう結果を招くこともあるってことだ。
 . |:::::::::::(__人__)|
   |::::::::::::` ⌒´ |    招かれて立ち合ってすらこれなんだ。
 .  |::::::::::::::    }   ましてや一介の牢人風情が、暦とした武士を愚弄しておいて、
 .  ヽ::::::::::::::    }   正々堂々立ち合ってもらえるわけないだろ。
    ヽ::::::::::  ノ    
    /ヽ三\´      狩り出された挙句、こんな風に殺されるのがオチだ。
    |:::::::::::::::: \     仕官どころか、命があるかどうかも怪しいもんだ。

23412009/02/02(月) 00:18:50.81 ID:GF8tbxU90
    ,. -─ -、 ___r_― v ―-ャ  ____/_
    f'   /: : : : : : ヽ.ヽ /ー v    ヽ
   人 / : : : : : : : : : : V : : : :{      l
  ': : : :Y::!: ,!: :ハ: : : : : : : :: :ヽ: : :ゝ, :._:.__ノヽ    
  |: : : /: |: ||: :| |ハ ! |::!:lj.:._ : :|: : : /: : : :ヽ: :.:ヽ
  ,.: : : :r-V L_| l! |ィ/ナ|_/|: :|: : :' : : : : : :!: : : l   いい考えだと思ったのに…残念。
  |: : : :> O ム  ィ' ´ } ,.リノィ::| : : : : : :1 : : '
  |: : : ィー' `ー '    `ー'  /: : : :| : : : : :/: : :/
  .!: : ハ     へ   ""/: /! : :|: : : : : : : :/
  ,!: : l: : ゝ        /:.:/:.|:.: :|: : : : : : :/
  .!: : ゝ: : : `ー、   -{: :/.:.:.|: :.:|.:.:: : : : /
  |: : : : : : : : :ノY´⌒Y⌒V: : |: :.:|: : : : : :l

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\    
/    (─)  (●) \   ううん…正面から立ち合うのが無理…。
|       (__人__)    |  なら、不意打ちはどうだお?
/     ∩ノ ⊃  /  
(  \ / _ノ |  |     一人でいるところを狙って挑めば、
.\ “  /__|  |    相手だって立ち合わざるを得ないお!
  \ /___ /

23612009/02/02(月) 00:20:17.65 ID:GF8tbxU90
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)
.   | u    (__人__)    あのなあ…いい加減、立ち合えばいいって考えから離れろよ。
    |     ` ⌒´ノ   これを最初に言うべきだったんだろうが、
   .l^l^ln      }    そもそも、ただ単に立ち合って勝っても、指南役にはまずなれねーぞ。
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\      な、なんでだお?
  /    (__人__)   \   立ち合って勝った方が強いに決まってるお!
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |   強い奴が指南役になっちゃいけないのかお!?
  \    |ェェェェ|     /


24012009/02/02(月) 00:23:17.91 ID:GF8tbxU90
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    だからさ、単なる武芸者と違って、
. |  (__人__)  |   「指南役」は単に強ければいいってもんじゃないんだよ。
  |   ` ⌒´  ノ  
.  |         }    …お前ら、指南役がどういう存在かわかってるのか?
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  \  
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\      将軍や大名に剣を教えるんだお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   だからこそ「指南役」なんだお。
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /

    / : : /::/: :,:′: :′: /: : /: : i : :!┗┓{: : :
    ,′: : ,'::/: :/: : : /: : /: : :;′: :!: : l: :r┛`Y: :
.   {: : : : : :; : ,' ^) :;': : :,':⊥.」_: : :i: : :j: :} : : : i:
   ', :{{:::{ : ::(( : { :{ :{ ⊥..」_`:.ノ:/: ;′: : :j:    それに、
.    从从八;ゝ=:)) `` Tij:7ヽ/:/: / . : : :,′   その家臣たちにも剣を指南するわ…。
     〉〉〉 〈(必リ    ゙ー'/: /: / .:/ : /: :   主も家臣も皆、自分の弟子になるのよ…。
     j ij : : j{((′     /: :: /: : ::{ : :{: : {: : :   武芸者にとって、とても名誉なことね…。
    ,','/. : :八   ー  ,'. : ::;' : : : :', : :', : : : :
.    / /. : :/.: :j\    {: : :::{ : : : : :ヽ.: :、: : :
.  ノ /.: :ノ. : :ノ :ノ:`¬ァヘ、: ::、: : : : : :\: : :

24212009/02/02(月) 00:25:32.75 ID:GF8tbxU90
   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \/`i      わかってんじゃねーか。
 |  (●)(●)./  リ     じゃあ、聞くぞ。
. |  (__人__)..|  /
  |   ` ⌒´ リ  ヒ      「氏素性の知れない武芸者が、
.  ヽ     //  ,`弋ヽ    ある日、家臣の指南役を倒したと称して、
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l   自分を替わりに取り立てるように言ってきました」
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //   …さあ、どうする?
    |    フ-、`ー┴‐-〃
         `ー‐一′

         ____
       /     \
      /  u   ノ  \    そ、そう言われれば…。
    /      u (●)  \
    |         (__人__)|
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \

    / : : /::/: :,:′: :′: /: : /: : i : :!┗┓{: : :
    ,′: : ,'::/: :/: : : /: : /: : :;′: :!: : l: :r┛`Y: :
.   {: : : : : :; : ,' ^) :;': : :,':⊥.」_: : :i: : :j: :} : : : i:
   ', :{{:::{ : ::(( : { :{ :{ ⊥..」_`:.ノ:/: ;′: : :j:    確かに、取り立てるどころか、
.    从从八;ゝ=:)) `` Tij:7ヽ/:/: / . : : :,′  まず捕えるわね…。
     〉〉〉 〈(必リ, || | ||゙ー'/: /: / .:/ : /: :   
     j ij : : j{((′   u /: :: /: : ::{ : :{: : {: : :    そして、それが本当だったら、
    ,','/. : :八   ー  ,'. : ::;' : : : :', : :', : : : :   …まず、生きては返さないわね…。
.    / /. : :/.: :j\    {: : :::{ : : : : :ヽ.: :、: : :    師匠の仇だもの…。
.  ノ /.: :ノ. : :ノ :ノ:`¬ァヘ、: ::、: : : : : :\: : : 

24412009/02/02(月) 00:28:31.47 ID:GF8tbxU90
          / ̄ ̄\
        / -  - \       そういうことだ。
        |  (-)(-) |       指南役ってのは武芸者である前に大名の家臣だからな。
        |  (__人__)  |       余程のことでもない限り、
         |   ` ⌒´  ノ       自分の家臣を倒した牢人を召抱えるなんて
   r"ヽ   |         }       酔狂な大名はいないだろ。
  (   =‐' ヽ        }       
   ゝ-'    ヽ     ノ     _  おまけに、その家中の弟子たちにすれば、
        _/     l__   / / 自分の師匠を不意討ちした相手だ。
   __ゝ_/         ヽノ   ノ  ただで済ます訳ないよな?
   \___ノ'          ノ  


               / ̄ ̄\         それに、これも当たり前の話ではあるが、
             /  ヽ_  .\       指南役ってのは、将軍や大名を相手に、
            ( ●)( ●)  |      木刀やしないとはいえ、武器を持って
            (__人__)      |        前に立つことができる人間なんだぞ。
            l` ⌒´    |
            {         |         そこに素性が知れないのに腕の立つ牢人を当てるとか、
            {       /         どんだけ警戒心薄いんだよ。
            ヽ     ノ          もし刺客だったら、とか考えないのか、って話だ。
        ▼/ ̄      ̄ ̄)____
      〃(⊥) ´/    / ̄ ̄/ /   〃 ⌒i   当然、身元が明確で、推挙した人間も
  ___i /⌒\./   /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i  信用が置けるのが当たり前だろ。
                             常識的に考えて…。

24712009/02/02(月) 00:30:01.27 ID:GF8tbxU90
   / ̄ ̄\          
 / ノ  \ \/`i       そして何より、そもそもの「役目」の話だ。
 |  (●)(●)./  リ      お前ら、強ければいい、みたいなこと言ってたよな。
. |  (__人__)..|  /       なら聞くぞ。
  |   ` ⌒´ リ  ヒ
.  ヽ     //  ,`弋ヽ     「指南役に虎と立ち合せたところ、
   ヽ  - ′.Y´  , `ヽ`.l    指南役は噛み殺された」
   /〈  `ー〈::....ノ   V
   | ヽ_ー 、 `ヾ_/ //     さて、この場合、虎は指南役より強かったわけだが、
    |    フ-、`ー┴‐-〃    この大名は虎を指南役にすると思うか?
         `ー‐一′


   / ̄ ̄\            ___
 /   _ノ  \         /⌒  ⌒\      やらない夫、なに言ってんだお!
 |    ( ●)(●)  プニ  /(● ) (● ) \   虎が指南役になるわけないお!
. |     (__人_(ニ~`ヽ、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \  常識的に考えるお!
  |     ` ⌒´(((_⊂>ヽ|     |r┬-|      |  (言ってやった、言ってやったお!)
.  |         }    \ \   `ー'´      /
.  ヽ        }      ゝ-|          ヽ
   ヽ     ノ        \        ヽ   \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、          \

25012009/02/02(月) 00:31:44.43 ID:GF8tbxU90
        /   (●)  ヽヽ
       /   (⌒  (●)/    お前、さっき、
      /       ̄ヽ__) /    「強い奴が指南役になってはいけないのか?」って言ったよな?
      /     ____/     虎は強いわけだが、何で指南役になれないんだ?ん?
      /   ;/(○)三(○)
    /   ;/ノし (__人__) ヽ;
  /   ;|   ^    `⌒″ ui     …く、くるしいお…やらない夫。
  i   ; |   ;j        |;    そ、そんなの、虎は人じゃないからに決まってるお…。
  ヽ   \    n⌒)  /;    言葉も通じないし、そもそも、虎に物を教えることはできないお…。
   | \  (⌒ヽ/ ./  ノ `i
   |   \  ̄_/ ̄ ̄ ノヽ.  グッ
   |    ;/ ̄   ̄ ̄ ̄   |

  //  〃`--、ヽ , / / /   l/    ー-- イ ヽノヽ__,..‐ 、
 //  //  γ_j l/l/ / /  /         ゝニニノ Vー 、  !
//  // / /`^.ィ / / /l  ,' !/! | !   | ! ヽ      { (ftト} l'^ヽ
/  '/   ,ノ_j / / '/  | | l! ! ! // l! |  !   ゞーイ| |  |
/   !|!| /イ// /l  |!  ' | l! | | // / ノ  |     乂ノ !  !
    |l |!((  |!'' /! | __ _)) | l ' l! l// /, イ   ,.  |  ( ヾ !  !   あ、わかったわ…。
   |l | |,.>',ニ_ヽム'~l!'´|i!| !/,/ // /,ハl  /  |    ノ  | ''  指南役にとって大事なのは、
   ハ ヽ/ | Vrォゝl!ヽi| 'l!|/‐/-/ 、//! , / !  | / /   |/   「剣を教えることができること」なのね…。
   | |!∨ ハ ゞしjイ! ヾリ!//'_/_//, \/ /!/ / !/ / /   l
    ハ| { lヘゝ二ノ      〃,. ‐/メノ\ , ,イ/ / /     !
   / ハ ゝニ、、           l:::し::j j|ノイ / ' / / /    !
|  ! / . ヘ `冖''           `ー ' '' レ'  / / / /    l
|  ! /  ハ    ヽ  __        イ/  / / / //    |
人 |!  γフ\           // /  /|/ / /     |
\ノヽ!ヽ 「ヽ!\       __ イ! /    .イ / /  ,イ|     |
 ノ L___ `ーj V ノ ̄ノ、j ̄!._ ノ レ'   / | ノ´| / |      |

25512009/02/02(月) 00:33:06.06 ID:GF8tbxU90
        /   (⌒)  ヽヽ
       /   (⌒  (⌒)/    そう、それだ。
      /       ̄ヽ__) /    指南役の役目は、「剣を教えること」だからな。
      /     ____/     無論、強いにこしたことはないが、それよりも
      /   ;/(=)三(=)     まず、「剣を教えることができる」能力がないとダメなんだ。
    /   ;/ノし (__人__) ヽ;
  /   ;|   ^    `⌒″ ui    …う…ううう……は、外すお…や…やらな…い……夫…‥
  i   ; |   ;j        |;
  ヽ   \    n⌒)  /;
   | \  (⌒ヽ/ ./  ノ `iギュウウ
   |   \  ̄_/ ̄ ̄ ノヽ. 
   |    ;/ ̄   ̄ ̄ ̄   |


        /   (●)  ヽヽ    だから、指南役には一流を立てた人間がなることが多い。
       /   (⌒  (●)/   自分の技の説明もできないんじゃ、指南なんて無理な話だからな。
      /       ̄ヽ__) /   いくら強くても、「人に教える事ができない」んじゃ意味が無い。
      /     ____/    
      /   ;/(-)::::(-)      更に言えば、「まともに人と接することができる」のも前提になるな。
    /   ;/ |||i"(__人__)"ヽ;    剣は教えられるけど家中に揉め事を起こすようじゃ失格だ。
  /   ;|       `⌒″ ui    この時代の剣術は、まだ武士に必須って訳じゃなかったんだぜ?
  i   ; |   ;j        |;   面倒を起こすようなら、放逐されることだってあり得るんだ。
  ヽ   \    n⌒)  /;
   | \  (⌒ヽ/ ./  ノ `i     ……………………うぅ…。
   |   \  ̄_/ ̄ ̄ ノヽ. 
   |    ;/ ̄   ̄ ̄ ̄   |

25812009/02/02(月) 00:35:09.16 ID:GF8tbxU90
        / ̄ ̄\
      / ⌒  ⌒\ 
      |:::::: (●)(●)|   ほれ、外したぞ。
     . |:::::::::::(__人__)|  …ま、そういうわけだ。
       |::::::::::::::` ⌒´ |  指南役…に限らず、そもそも牢人が仕官しようと思ったら、結局は、
     .  |::::::::::::::    }   武芸者としても人としても、それなりの評価がないと駄目だってことだな。
     .  ヽ::::::::::::::    }
      //⌒)⌒)⌒) \  /⌒)⌒)⌒)
    ノ  | / / /   (⌒) / / / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /


         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\     うう…ヤバかったお…。
     /    。<=>:::::<=>。  今のやらない夫は「本気」と書いて「マジ」と読ませる感じだったお…。
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j
     \、   ゜ ` ⌒´,;/゜   …つまり、その「それなりの評価」を得る為に、
    /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。   腕を磨いて、まともに実績を積むしかないってことかお…。
   / ,_ \ \/\ \    戦もないから功績も挙げられないわけだし、
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.  なんていうか地味だお。夢も希望もないお…!

26012009/02/02(月) 00:37:36.84 ID:GF8tbxU90
. / / //...'i_// // // /  / ,',' ','l| ,
/ / /, ̄"'')) // /////  /  ///|ili/
. ///'"/ γ' /  // / / γ'"=-、//l|
/l l |//__,,/  / , '/ ./ /  //’./i////i |    戦場が無くなって、功名を上げる機会も、
 ヾ'"" ,-ー_’''ー< / ./ ,'  ,λ/ ////i/|/   その日の糧を得る手段もない…。
. / ,-'"/ _  ト<二=、,,,'ノ/ /// .l |'
.>l ,'"l ん、."ゝ l(// ,' / ///// / /i     一発逆転を狙って、名のある指南役と立ち合っても、
.( ゞl l C))//.,イ .)l .,' / / ///ー-,,/l|    別にそれで自分が成り代われる訳でもない…。
 ヽ|'、 ヽ、_,,/丿/|.| .' / ///// / /"'-、
   ー;-- ,,__人ー l |/ i///  /// / /    ただ、腕を磨いて名を上げて、
    "'ー--' .) )     / -ー'==''-' 、   いつか誰かに認められる機会を待つ…。
     , ー--'_丿       /’,--、ヽヽ    …闇夜でもがく様に…。
     ( (,          ( ((_ ,  l ', 
      "  '        、ヽ、__,,ノ ,l 
     、、           ヾ   '"
     ヾミ 、               ,
、      '' ミ __、           //
ヽ                  ,,-"///
l| \              ,,-"/////
   ヽ、_        _,,-"l//// // ,
       ̄"'''''''''''''''''   ),./// // /

26212009/02/02(月) 00:39:33.34 ID:GF8tbxU90
   / ̄ ̄\       
 / ノ  \ \      まあ、そういうわけだ。
 |  (●)(●) |     とりあえず、慶長時代の武芸者がどういう状況だったのか、
. |  (__人__)  |     そして、そんな彼らから見て、宗矩や小野忠明が
  |   ` ⌒´  ノ     どれだけ羨望と嫉妬を受ける立場にあったのか…。
.  |         }     その辺を感じてもらえれば、本編の話がしやすくなるんでな。
.  ヽ        }
   ヽ     ノ       そんなわけで、今回はこれで終わりだ。
   /    く  \    少しまとまりが悪かった気もするし、粗もあると思うが、
   |     \   \   その辺、ツッコミがもらえると有難い。
    |    |ヽ、二⌒)、


   / ̄ ̄\
 / ⌒ ⌒ \  じゃあ、また、本編で!
 | (⌒) (⌒) |               ____
. |  (__人__)  .|             /      \   やる夫もやってやるお!
  |  ` ⌒´   |   、、       /  ⌒  ⌒  \   
.  |        }l⌒l ノノ      /   (⌒) (⌒)   \l⌒l ))
.  ヽ       .}`'''|  \     |      (__人__)     |`'''|
   ヽ     ノ ./     \   \     ` ⌒´    _/ /
   /    く/ /      \  ノ            /
   |     \ \     (⌒二             |
    |    |ヽ、二⌒)、      \            |

26512009/02/02(月) 00:41:00.95 ID:GF8tbxU90
                       ___
                    〃 ̄`ヾ;        _ - 1!
                    {廴__,  リ _.  - ´    ||
                       ` ̄ 〃 |        ||
                           { ! |        ||
        __, -──‐- 、       ヽ`ー‐…⌒}    ||
     フ/´  ̄ ̄ `ヽ\    , -- 、.`丁 ̄~¨´_    ||
      .//          ヽ\ ,/r'⌒ヽヘ |勹´!イ {    ||
      { {    , -─v‐- 、ヽ、//、  ヽ.∨ / /ノ ノ     ||
     八ヽ  /, '´ ̄`¨¨ヽ\{{ヽ_`辷彡>、`-' /     ||
      ヽ∨/       `ーリ- ニニニ イ'¨´      ||
        i`r、ヽ     ((__〃         |        ||
      〃 j } ヽヽ    ` ̄´          |        ||
    、__{{,ノノ   リ                  `  - _     ||
    `´`==彳       ______ , ─‐ 、 ` ー 」|
               /  . ==== Lf⌒辻)、
                   {   (            `丶、 `丶、
                ヽ   ` ー─- ====’    |
                  \                |
                   `   .___________,ノ
                          |爿
                          |L|
                          |__|
┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ 

【やる夫で学ぶ柳生一族 外伝その2「慶長年代の剣と武芸者」】 完

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