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やる夫まとめ劇場(仮)

自分が面白いと感じたやる夫系スレをまとめるサイトです。長編を多めにまとめていきたいと考えていますので、時間がある人はどうぞ。
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やる夫で学ぶ柳生一族 その49「九州大名出陣」 後編

716やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:03:18 ID:tHaz7rPY
丶、           \                    |
   ヽ、         ヽ               |
     丶、        ヽ              |         , -、r‐r‐、
       丶、        ヽ             ′        /つ | | | ヽ
          ヽ、     ヽ               ,′      /一∪∪∪ノ、
              \     '、           /        { 、      ヽ
               \   '、        /          〉 ヽ       |
                   \  '、       /          「マー‐- 、   |、
                  \ '、     /        │ | ヽ  `ー- / 〉
                      \'、    /            | | │     / /
 ̄\                    )ハ  /ー- 、      | | │   / /
    `ー- 、_________ノー`ー'ー‐-、 \      | |    /  /
          /   /:::::/  /      \::\ \   / |     /
         //   ///  / /   |  |  、 ヽ  ヽ /  .|      /
        // /  /  イ / .! /   | |  | |  ヽ  ヽ ∨   !    /     皆さん、3週間ぶりの再開なのですよー!
       // /  イ   | l   l !   | | .-|┼‐r‐!  |  /    |   / 
       // /  l   レ「 ̄「 |、   | |// !ヽ| !  | /     |  ./
.      |/|/!  ||  /! | ヽ |、| ヽ | 〃ィ≡ミ. | / /      /
.      | .| |l  || |  | ィ≡ミ   ヽ|   !::::O| ∨ /      /_
        | |l   || ヽ 〃ィ::::Ol      |::::.。)} |//      /-、 \
        l ヽ ||  | {{ |::::。)}       つ::ノ //      /  ',   ',
           ハ|ヽ. |ハ ヽつ_ノ  '     ̄ ((/、      ./   }  }
.          /  / ヽ/ ハ ::::::::: r ´ ̄ ! :::::: / /::)      ∧   /  /
         |  !  | 人     V   !  / /::::(__   /:::)ー'′/
         |  !  | | }ヽ、  `ー ′/ 〃:::::::::::::(_/:::::(ー一'′
.   ,っ   _ヽ  ヽ__| |ノ   ノ>. 、 _∠|  ! |::::::::::::::::::::::::::::ノ
  //⌒l⌒l^ヽ )\_.| |__...イ ‐'´ //||  |  ! |:::::::::::::::::::/ ̄
  ! !  .l  | |/ ヽ   | |:::::/   // ||  |  ! |::::::::::::::::/

717やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:03:49 ID:tHaz7rPY
 さて、九州の大名家当主達に島原への出陣が下知された頃、柳生家では…。

 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /      
//      .   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
/     ......  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
         |    (─)(─)  /;;/
        . |    (__人__)  l;;,´   とうとう、越中守様(細川忠利)や信濃守様(鍋島勝茂)まで出陣だそうじゃ。
          |     `∩_ノ)━・'   懸念はしておったが、やはりここまで膨れ上がってしもうたか…。
        .  |     |_ノ
         /ヽ    |  |_  
         |  \_/ ノ ヽ
         \     /_|  |
         | \ /  _/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      まあ、御歴々までが出陣したならば、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|     不安はなかろうよ。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     あとは戦勝の報告を待つのみだ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
         沢庵宗彭
      (たくあん そうほう)

718やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:05:47 ID:tHaz7rPY
   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |          わしとてここまでなった以上、
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   この戦の勝敗そのものに不安を感じてはおらぬ。
.  |        |    .) ;;;;) 
.  ヽ       }   /;;/     わしが気にしておるの、
   ヽ     ノ   .l;;,´      越中守様のお体のことよ。
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       む…確かにな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      去年の十一月頃まで療養に努めておられたしな。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\  
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 以前も述べた通り、前年の寛永十四年(1637)、折からの天候不順により、病気になる者が続いていたが、
細川忠利もまた、その中の一人であった。
九月頃には「痰の熱」に苦しみ、登城もできぬほど痩せ細っていたという。

720やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:07:07 ID:tHaz7rPY

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   …去年、印可を与えたのはそれが理由か?
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |   
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (●)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    …さて、どうかの。
  |     `∩_ノ)━・' 
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/

721やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:08:29 ID:tHaz7rPY
 ここで時を少し遡る。
寛永十四年五月、宗矩は忠利に対し、印可を与えている。

               / ̄ ̄\
             / ノ  ヽ、.\
             |  (●)(●) |         越中守様、この印可状を以って、
             / ̄ ̄ ̄ 丶人__).  |        我が柳生の新陰流の印可と致します。
         /        \ ._|_____ 
       , --'、             /         `〉  では、こちらを。
        / ⌒ )        /         /
       ,′  ノ          /           /
       l  T´ .._     ./       r'´ ̄ヽ
      ヽ ノ   ./丶、  /       (  ̄  l
         `'ー'´   | .`'ー'――┬― --、/   _.ノ


三三彡〃ィ;;;;;;;;ィ'/;;;;;;;;;;r'"/;;;/l;リ l;;;;;;;;;;;;;;;;゙i l! lj
三彡イ7 l ! ゙'"んr7〃/ツ;;;;;;;ノ /;;/l;;ノ^l;;;l ll
彡:ヲ;;;ヾ, jl f;;;;r/,-;ィ=i―'''''"^ ,ノノ ,lリ=、レ' リ
三ヲ;; /;;l レ/;;;fr'r''" ll,,..,,,.、 ''"   Eヲイ /
イ7;;H f;;;i /;;;;l゙″ ,ィ''^''ー',ノ: : :  : :i,: : :l'"
〃リハ l;;;;;;;;;;;;;t  ´`゙゙゙゙´ : : : : : :  : ゝ-i、     ありがてぇ…。
リソノll;;;;;;;;;iヽ;\_,; : : : : : : : :   : : : ィ′    謹んで、頂かせてもらいます。
イヲ ,ノ;;;;;r、;;`ヾ''ー''": : : : : : : : .   "`: l
イイミ;;く ヾ、;;;ヽ、,, : : : : : : : : : __,..,...ィ:l
゙i;;;;;ゝ、ヽゝ、`゙''''"´  : : : :、_,,ィ '''"´,ノ,l
,l;;;;,t、_`ヽ_入      : : : : : :  ̄ ̄´ ,i′
リ;;ハ、 ~´, :::::ヽ、      : : : : : : : : :l
ノ    ̄   ::::::`ヽ      : : : : : : :l
         細川越中守忠利
  (ほそかわ えっちゅうのかみ ただとし)

722やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:11:06 ID:tHaz7rPY
         -=ニヾヽ:Y:::::彡‐---- 、
       彡´:::::::::.......::!:..:. ...::::::::::::::::ミ、  て
      ノ彡.. .:::.. .. .::::::::::::::::::::::..... ::::.. ::.:::ミ  そ
      |':::...:::::::::.. .: .::.:::. !:. :.:. :::::::::::....::::.:::ヾ
      !:..::::::::.:.::/::::;:::l!:::!:::::ヽ,.-‐:: :... :::::::::ヽ-'
      ノ: ..::::::/!:::/}:::!!::/ヽイ、ヽ、_:::::::::....::..::ヽ
     !:::::::l:://〃/ノl://,イ○`ヽヾ`` :::::::.::ト、     ……ッッ!!
    〈::: ::!リ``≧、、 /' `  ー ''"´ ノ!:!|:.|:. ::::!    師匠ッ…こいつはッ!
    トヽ:.::l イ´○ノ`i         リノ:;、:::..:::}
    ヽ:::l:::::ト``´  ,}...        /イ) 〉:::::リ
     ソ!::l:.ヽ   ヽ._ ,.-    lj '´ !'/::::::ト、_
      ノノ'!:::{ヽ     __.._ ・     /`i::::::::`Y
       イ:::`'ヽ   イ_ .. -゙'     , '  ヾーr=
       ノイ:::::::::\   ー '    ,.イ    |! ',
      ´  ヾヾ、::::`ト、       / i     /,! !
           ノノ:::,ト、` ー-‐ '  |   //  |
            -イ{ ',  ヽ   i /  i  | |
            /i l !、  ヽ._ /   !   ! |
             / { | !、__,..ノ´      !  ゙'
         ,.イl   l ト-- ‐ '´      !


   / ̄ ̄\
 /    -  -
 |    ( -)(-)
. |  .   (__人__)   ………。
  |     .`⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
    i⌒\ ,__(‐- 、
    l \ 巛ー─;\
    | `ヽ-‐ーく_)
.    |      l


 しかし、その印可状を受け取った時、忠利は驚いたと思われる。

 何故ならば──

723やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:12:25 ID:tHaz7rPY
                                    __,ノ
           /⌒ソ/⌒ヽ、                    ) .
        . /  //    ..\      ._,         -=ニ   …白いッ!
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /,)
        /  //                  \,.   _..ノ⌒ヽ
    .   /  //                     ⌒´   .| ノ⌒ヽ, -、/^ヽ「`
      /  //                          |  
      /  //                           |
    . /  //                            .|
    /  //  .                          |
    /  //                             .|
   ./  //                            . .|
\_人_人∧_人_从_//                       .|
 )           >                       |
<  真っ白だッ! >   ._,.イ⌒ヽ               |
 <          (.._,ィ''´      `'ー- 、           |
 /^Y ̄∨Y^YY^^Y^            .\,.   _., 、   . .リ
                            ⌒´   \._,ノ


 ── それはおよそ、通常の印可状にある
    流儀の縁起や技の目録などの文章が一切ない、白紙の紙だったからである。

724やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:14:10 ID:tHaz7rPY

    .   /  //                     ノ. 
      /  //   ┃ ┃                ).  ....┃
      /  //   ┃ ┃                ヽ   ┃
    . /  //    .┃ ┃                . i  ....┃
    /  //     ┃ ┃                く.   .・
    /  //  ┃  ┃ ┃                .厶,
   ./  //   .┃  ┃                    ⌒Y⌒ヽ
  /  //    .・  ┃ 
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、             
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ 
          `ヽ,.._,ィ''´      `'ー- 、
                         .\,.   _., 、  . 
                            ⌒´   \._,ノ

  ´))i.);;;rr;;;;;,;/彡三彡i;;r彡ミ
 )r( (v ((,;,;r''""''ヾ、彡彳ン彡
.i(ミミ i ;;;ヽ;;;/ ,r=一 ` ‐=、ミ、
._ン,ヽ,;;;;;;;;ィ-、./ ,r== 、:::::`ヾミ   (まさか間違い…!?いや、違うッ…!
  (ミ≡=彡 ヾ .l ○.ノ´:::::::::::`´   端のところに何かが…!?)
  `  ̄ ニヽ,   "´   ::::::::::i,
     ' .O,) .),,´ ̄    ::::::::::|||
    、ミ=-'´(_,,.,:::: ・  .::::::::::/||
     `ミ、,'´   ,. -っ  ::::::::/|||
.      ヽ、 ' こノ::  :::::/|||||
         、     :/||||||||
        , '´ ; ``‐‐イ''" ゙|||

726やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:16:13 ID:tHaz7rPY

 一見、白紙と見えたその印可状であったが、最後に一文が記されていた。


                  以
             寛    白
             永    紙
          細  十    伝
          川  四    兵
          越  年    法
          中  丑    之
          守  年    心
          殿  五
        参    月
             吉
             日

          柳
          生
          但
        宗 馬
        矩 守

        (花押)


 それは『白紙を以って兵法の心を伝える』という一文であった。
また、印可の証として、宗矩の花押も載せられていた。

727やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:18:48 ID:tHaz7rPY
/// /    /  /| ∧.  l  l〉,  j.  `ヽ、| `ヽ、  |   ヽ
l /〃  / l  A、リ / l /,〉 .レ|  ,r‐'_,ニニ| lニ=ァ .}  /    |
 .|l |  /!    リ\ <  // (_|.リ l /./´ `ー-‐リ/´ / /ヽ   |
  ヽ! / .l ト、.ヽr'彡r,\′ 〃 /イ `ー― ''7´ __ノイ   }    l      (こいつは…!
   l l  ヽト `ー Y  `ー ,}! /  ′     ノ       /   ,/ヽ
   ヾ、  ヽ、 ,ノ`ー‐'´ i                 /  ,/ ノ /    いや、まだ続きがある…!?)
    `    .7 i.   ノ三           ー==彡 '´  /_/ (
       _ノ,ィ/ l. i´  `ヽ                /´  / `
      ̄ ̄ / , l ゝ-、 '´'                    /ゝ-'
        .l ./ .l   (_ノ   _____、          /
         l/l. ∧  (` t‐'´ ,、_,.-‐' ̄´ i           /      
         | / 〉,  `V` ̄      /j          /
        ー―'' ´ ヽ  l.  _,.. ェ>'´        //       
              ヽ iゝ┴‐''´ /       /´ ,'     ,.ィ
               ヽ ゝ--‐‐'       ,/    .i    / _
                ヽ         /     l  //´
                 ヽ       /       l / /
                  ヽ、__,,. <´ ̄ ̄丁`i 、 |'  /
                             |  l リ ,/

728やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:20:16 ID:tHaz7rPY

 更に、宗矩の一文の後、もうひとつの文章が付け加えられていた。


             今  昔
             以  年
             一  玄
             紙  沙
             之  備
             白  禅
             即  師
             之
                 以
             針  三
             頭  丁
             削  白
             鉄  紙
             耳  贈
                 イ
             加  山
             毫
             返
             焉

             沢
             庵
            (花押)


 『昔年玄沙備禅師、三丁の白紙を以ってイ山(※)に贈る。今、一紙の白を以ってする。
  之に即すれば、針頭鉄を削るのみ。毫を加えれば返す』という沢庵の追記である。

 ※ 「イ」の字は出なかったのでカタカタ表記とする。本来の字は以下を参照。
  (イ山霊祐 : ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E5%B1%B1%E9%9C%8A%E7%A5%90

729やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:21:37 ID:tHaz7rPY
三三彡〃ィ;;;;;;;;ィ'/;;;;;;;;;;r'"/;;;/l;リ l;;;;;;;;;;;;;;;;゙i l! lj
三彡イ7 l ! ゙'"んr7〃/ツ;;;;;;;ノ /;;/l;;ノ^l;;;l ll
彡:ヲ;;;ヾ, jl f;;;;r/,-;ィ=i―'''''"^ ,ノノ ,lリ=、レ' リ
三ヲ;; /;;l レ/;;;fr'r''" ll,,..,,,.、 ''"   Eヲイ /
イ7;;H f;;;i /;;;;l゙″ ,ィ''^''ー',ノ: : :  : :i,: : :l'"
〃リハ l;;;;;;;;;;;;;t  ´`゙゙゙゙´ : : : : : :  : ゝ-i、        …な~るほど。
リソノll;;;;;;;;;iヽ;\_,; : : : : : : : :   : : : ィ′      そういうことかぁ…。
イヲ ,ノ;;;;;r、;;`ヾ''ー''": : : : : : : : .   "`: l
イイミ;;く ヾ、;;;ヽ、,, : : : : : : : : : __,..,...ィ:l
゙i;;;;;ゝ、ヽゝ、`゙''''"´  : : : :、_,,ィ '''"´,ノ,l
,l;;;;,t、_`ヽ_入      : : : : : :  ̄ ̄´ ,i′
リ;;ハ、 ~´, :::::ヽ、      : : : : : : : : :l
ノ    ̄   ::::::`ヽ      : : : : : : :l


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( -)(●)
   |      (__人__)    …おわかりになりましたかな?
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

730やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:23:11 ID:tHaz7rPY

   .i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i     ;,,_,,;;;;;;;;,,..;_   、     ,.__..,;_,,,;;;,,;;;;;;;;__,,___  ....;;;;;;;;;;;;;;;;;
   :!;;;;;;;;;;;;;;;;;;フ;'"゙゙゙゙゙゙゙゙゙~~ ̄゛  `!i、            ̄´  ̄ .`''‐  i;;;;;;;;;;;;;;;;
   . l;;;;;;;;;彡;;;;;ゝ .if'=====ー゙  ::          ,.========r    ゙i;|.l;;;;;;;;;;     白紙の紙では印可にならない……。
    ヽ;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;  .`''`-ヽ--''゙゙゙  ;;         '゙ゝヽ-ノ-‐'゙´   ;.i;;;;;;i.フ;;;;;;l′
      ゙l;;;;;;;;;;;;`、         ,!                   : ,、|ll/ ;;;;;;;;r"   そんなふうに考えていた時期が
      i;;;;;;;;;;;;;;l、           /   ;:;:              :.゛゛:l ;;;;;;;;./
       '';;;;;;;;;;;;;i         i;;;;;;.;:;:;;;;;;;:                  .i;;;;;;;;;;;;;;;     俺にもありました
         /;;;ゝ       ./´:::: ´;:;:;;;;;;                 ,!;;;;;;;;;;;;;;;;;i
           ミ;;;;'!       .ヽ;;、_;.::__::::;;::              /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
       : 、.-、/;;;|l            `;:;:;:               ,.ノ.::: :lく;;;;;;;;l゙゙′   …印可、ありがたく受け取ります。
      ''";;;;;;;;;;;;;'l、     .,,   :::::::::___   ・         ,'" ::::::  .ヽ;;;;;丶;
       ;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,    ゙゙--= ゙̄~゛`''>,,._,..,r;"      ,,l゙ ::::::::::::   i;;;;;;
       .`";'"゙;;;;;;;;;;;;;i、    ヽ_ ゙̄ ̄゛_、        __r:::::::::::::::::    ヽ
            ;;.'ミ;;;;;;;;;:'.、    ゙゙゙゙"'''"~        ‐""::::::::::::::::::::    i


   / ̄ ̄\
 /   _⌒  ⌒
 |    (⌒)(⌒)
. |     (__人__)     流石は越中守様です。
  |     .`⌒´ノ    …では、あらためて、こちらもお贈り致しましょう。
.  |       nl^l^l
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

 そして、この「白紙印可」と共に、宗矩は、もうひとつ「あるもの」を忠利に贈っている。

731やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:25:01 ID:tHaz7rPY


.   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|    
    | ._  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
    | |活| | ._  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
    | |人| | |殺| | ._        ...|_|
    | |剣| | |人| | |進|       .....|_|
    |.  ̄  | |刀| | |履|       .....|_|
    |    .|.  ̄  | |橋|        .|_|
    |    .|    |.  ̄          |_|
    |____|    |           |_|
   └──.|__ |          ....|_|
       └──|________ |_|   スッ
           └───────┘

733やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:27:39 ID:tHaz7rPY
         -=ニヾヽ:Y:::::彡‐---- 、
       彡´:::::::::.......::!:..:. ...::::::::::::::::ミ、  て
      ノ彡.. .:::.. .. .::::::::::::::::::::::..... ::::.. ::.:::ミ  そ
      |':::...:::::::::.. .: .::.:::. !:. :.:. :::::::::::....::::.:::ヾ
      !:..::::::::.:.::/::::;:::l!:::!:::::ヽ,.-‐:: :... :::::::::ヽ-'
      ノ: ..::::::/!:::/}:::!!::/ヽイ、ヽ、_:::::::::....::..::ヽ
     !:::::::l:://〃/ノl://,イ○`ヽヾ`` :::::::.::ト、    し、師匠ッ!
    〈::: ::!リ``≧、、 /' `  ー ''"´ ノ!:!|:.|:. ::::!    これはまさかッ…!?
    トヽ:.::l イ´○ノ`i         リノ:;、:::..:::}
    ヽ:::l:::::ト``´  ,}...        /イ) 〉:::::リ
     ソ!::l:.ヽ   ヽ._ ,.-    lj '´ !'/::::::ト、_
      ノノ'!:::{ヽ     __.._ ・     /`i::::::::`Y
       イ:::`'ヽ   イ_ .. -゙'     , '  ヾーr=
       ノイ:::::::::\   ー '    ,.イ    |! ',
      ´  ヾヾ、::::`ト、       / i     /,! !
           ノノ:::,ト、` ー-‐ '  |   //  |
            -イ{ ',  ヽ   i /  i  | |
            /i l !、  ヽ._ /   !   ! |
             / { | !、__,..ノ´      !  ゙'
         ,.イl   l ト-- ‐ '´      !


   / ̄ ̄\
 / ⌒  ⌒ \
 |  (●)(●) |
. |  (__人__)  |    そう…『兵法家伝書』。
  |   .`⌒´  ノ   我が柳生家の秘書です。
.  |         }
.  ヽ        }    今の貴方ならば、これをお渡しできると思い、
   ヽ     ノ     用意致しておりました。
   /    く   
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、

 それは『兵法家伝書』であった。

 自家の分と、進呈したかどうかが定かではない家光へのものを除けば、
この時期、鍋島勝茂にのみしか与えていなかった伝書を、この時、忠利のために新たに用意したのである。
(後にこれは、四つ現存する兵法家伝書のうち「細川家本」と呼ばれるものになる)

734やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:30:02 ID:tHaz7rPY
           `i,;;ノ);;;;;;;;ノ-ノ;;;;j′  );;;;;j   ゙i;;;;;;;;;;;;;;;l ゙i;;ll;;;l ヾヽ;;`i,.;:‐----=l;
           ゙i,;;彡;;;;;;/フ;;;;:-、`ー-=ノ;;/   l;;;;;l;l;l;;;j'  j;jl;;;l,,,.ノ;;ノ;ノ,ィ'''"""゙'''l;
           ゙i;;;;;;;ノノイ   `゙`>;;ノ、   i;;;;;;/;;;ノ ,r'/;j;;;-ナ;;;;j'"      j;
            lr'_f'ニニ二二ニー、  ヽ、  ノ;;;/;;;/  7;;ノ /;/,.=-‐ニニニ-ナj
            lフゝ、  ゙ヽ、::::::>ヽ、 \,/;;;;;;/ ノ'" ノィ'",,f'"ゝ、::::::::.ィノ``
            l.  `゙゙``''''''''''''ー='′ ノ;;;;/,,.ィ'´       `ー―--ナ=="     上様以外には、
 ありがてェ~~ j           _,.ィ"ィ" "´          ,,..;;::''"′       信濃守殿にだけしか
           ハ        `~゙^"~´   i                        与えられなかった秘書を俺に…ッ!
           ノ、ゝ               l
          人_,゙i             ,j;;,,, 
            ノ、 `i,              ノ''''''''''''   、
        ,/;;;;ヽ、 j、          (       j
     ,,..ィ'";;;;;;;;;;;;;;;`^;;i           ゝ、  ,.:ー''"
―‐='''"  i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ      ,.     `iー''i
      ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙t     (、,__,,.ィ'ー-t..ノ、.,__       ・
       ``j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙i,      ``ー<("`ー-----`、,___,.,.;:ィー
        /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lヽ.        `i`ー=:;、__,,..=-‐フ''"´          /
      _,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ヽ、      t、       ,r''´            ノ
  、_   彡ノ;:イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;::」  ヽ、     ゙`ー----‐='´            /
   `~゙`^"~´ _,,;: ィ''"´  j′   \    ,.ィ'"~~~^`ー=、         ,.:ィ'"
    _,,..=‐''"´      ノ      ヽ                   ,.ィ"


   / ̄ ̄\
 / ⌒  ⌒ \
 |  (⌒)(⌒) |
. |  (__人__)  |    ははは…これからも精進くだされ。
  |   .`⌒´  ノ   
.  |         }
.  ヽ        }   
   ヽ     ノ    
   /    く   
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

 ── これが細川忠利が新陰流(柳生流)の印可を得た顛末である。

736やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:32:09 ID:tHaz7rPY
                            ...    \ミ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
                               /::::::::::::::::::::::::::://::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
 さて、これが細川忠利に印可を与えた際の  .  /:::::::::/::::/:::://:/ |:ハ::|\::::::::::::::::::::::::::::::::l
エピソードなんだけど、これだけじゃ      .....  /:::::::::_十-、 |/ ヘ:ハ ____:ハ|::::::::::::::::::::::::::l
ちょっとわかりづらいから、           ......   |::::/ ̄""'''   =''"""`\ |l::::::::::::::::::::l  
この印可の内容の補足説明をしなきゃね。       k;;; ゙===ミ    _ィ===ミ、  |::::::::::::::/  
                            ...    ヘll|  "   l         ゙  //'l::::::/
 シャロちゃん、お願いできる?          .     .l    (         /_ノ:/
                                   ヘ    -- --.._    /:/
                                    \  `--‐'"   /l
                                    _.ヘ\ "" __,-''"  |lヽ__
                             ____,,,,--( )" | \"''''"    ノ | \)""


      /.: ::{   /´ ̄ ̄       ̄{::::::::::::::ff__)::::Y:::::::::}
      ,'.:.: :ゞ/           <《___.以:::::::ソ::::::::ノ_
     {.:.:.: /      ____ __乂:::::::::::八`¨^ー‐く.:.:.:.:.:.:.:`.:.:.、       任せてください!
     ゞ.:/    ,.。 ≦=ミ.:.:.:.:.:ト::i´ {.:.:.:.ヽ ーイ.:.:.∨:::::::::::》―- 、.:.:.:.:.:.ヽ     私、張り切っちゃいますよ!
      イ  ≫´/:l:ト、.:l \.:.:.:∨\ィr=≦ミ、:|.:.:.: |`寸""      \.:.:.:.∧
   /.:.:.:.:しi´:|.:.:':!:|∧,rf忝ミ\.:.:\/ん ..:かメ!.:.:.:.|.}トl|        ∨.:.:.:.',    この忠利に与えられた印可状は、
  /.:.:.:.:/  |.:.|:.:∧l ,//ん か  `  从:::::::り ル'.:.:|从j          i.:.:.:.:.:!   「白紙印可」と呼ばれ、
 ,'.:.:.:./   ∨V∧|《/从:::::::ハ     ゞ廴メ /イ.:.:.:|ソ          ;.:.:.:.:.:!   宗矩の他の印可状と少し違ったものなんです。
 !.:.:.イ     \∨\`ト ヾ斗'  丶   xxxx/ ノ|.:.: ト           /.:.:.:.:.,’
 !.:.,':{      /.:.:/|乂_ xxxx  ー '´    /イリ.:.:.:.!.:.\        /.:.:.:.ル'     その最大の特徴は、
 ∨.:ヘ      /.:.:/:j /.:.ト         イ_))'/.:.:.:.:|゙、.:.:.`.:ー― .:´.:.:.:.:/     「ほぼ白紙」であることにあります。
  丶.:.:.\__j.:,イ.:/-'.:.:/  > --r ´ 以/r}.:.:.:.:j \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>"       忠利も驚いたでしょうね!
   \ .:.:.:.:.:.: |:j.:|.:|.:.:/  /「`Y刈/ ̄//,イj.:.:.:/⌒ヽ  ̄ ̄
     ` ──|::爿:|´ / ̄ ̄ヽ,.r=、/ ̄//゙テヘ.:/::::::::::::',
         |/.:.|.:| {    /〇o }}  //ィヘ┐ト、:::::::::::::l

737やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:33:34 ID:tHaz7rPY
               ∧_   ___,ィi
               丈_`Y´__ ,ノ
           , r<才´    ̄\>x             そして、わずかに書かれた一文が、
         /イ「/        ∨二ヽ
        //二/            X二lハ            『以白紙伝兵法之心』
        _//二/   .:.:.:.:.:.       X二}ハ―....、
    /,:≦>^ ´´ ̄     ̄`ヽ、   ./\_}__} ̄ヽ:::ヽ     ですけど、これは意訳すると、
   ∧:/ /    __      .:.:.:\/::::γ¨',‐ ┐ .∨:! 
.   /:::/ (     イ:|/ ゙̄` ー――<`ー‐ゝ-':::::/  |:::|     「兵法の極意は、本来文字や言葉では伝えきれぬものであるが、
  i::: '   `i¨:「l : :|::|从从ヘ   トト、|从 メ、::/ }|::::::〈   j:::|     既に貴殿には長い年月をかけ、その極意を「以心伝心」してある。
  |:::|    l l:|:l : :|::|rやみミ\乂 rやみl:::!从/ ̄   /::/     .故に、今更何を書こうと、それは既に既知のことであるから、
  ∨::.、   从|:|:Ⅵ::| {ヒ.xリ     {ヒ.xリ|::::l从.__ //      敢えて白紙を以って印可相伝の証とさせていただく」
   ヽ、:`ー ::::::_ノ|::ト、ゞxx" _'__ xx゚ 仆:リ`ー―一'´
.        ̄ ̄´   Ⅵ ヽ     {_,ノ   ノ/::/              というところになるのです。
              Ⅵ  `>r- -イ ./::/             つまり、
            ∨Y^ー'´\/`゙/::/‐-、
            ,。人ヘィ⌒Y⌒Y´j::::jー-、.:.、           「今更、改めて伝えることなどないから、
            /.:.く ∨x {  } |::::| /.:.:\          ここは故事に倣って白紙の印可とする」
          / .:.:.:.: .`<∨:}人..,人.」::::{_,>.:.:.:.:.:. \
      /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ノ:ノノiO :l 乂V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \       ということですね!
   _∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./    |.:.:.:|   ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\_
  /⌒ヽ、\ .:.:.:.:.:.:.:/_/\ |.:.:.:|  _ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.://⌒\


                                     .    ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___
 まあ、この辺りは、                           /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
沢庵和尚の識語が入っていることから見て、            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                                     ./:::::::::::::/:::://:::::::::::/|:::::|::::::::::::::::::::ヘ
 「和尚にフォローしてもらえることだし、             .||:::::::::::/|::/|::::://::/ |::丿 /|::::::::::::::::::|
  ちょっと変わった趣向にしてみようか」              ...|:::::::|-''|二|/、/ ,,="≡=/ |::::::::::::::::|  
                                     . ヘ::::|ミ/. l::dヽ   イ::d\,, 丶|:::::::::::|  
 というところだったかもしれないね。              ....  |,,.| ヘ. l:::l     l:::l  ` /:::::::/
                                        ゝ.|.  ´  /|   `‐ "   //)/"
 『昔年玄沙備禅師~』に始まる和尚の識語は、       ....    |    `        /="
禅の公案『宗鏡録』の「千里同風」を元にしているそうだし、      ゝ   ー ‐     /
茶道関連のものだから、忠利なら通じるだろう、って信頼も       |\      /|
あったんだろうね。                              / \ `'--- "  丿|
                                        / \  ̄/===ヘ ̄ / \
 【茶道の禅語(「千里同風」を参照】
 ttp://square.umin.ac.jp/aoki530t/aokikoubou/prorogu/cyadou.htm

739やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:36:05 ID:tHaz7rPY
.        \   、     |   /        /
            \  \    | /      /\
            /ヽ、  \ r‐.!/     彡'. : : :. '.
          /: : : : :>ー=ミ辷彡-<⌒''<| : : |: : '. ___         ですね。
       /.: : : :./ /´: : : : : : : : :.`ヽ、 | : : | : : ∨ : : : : : : :`丶、     ちなみに、『昔年玄沙備禅師~』に始まる和尚の識語は、
.     ,.一/./: : :. |/.: : : /.: : :.|: : | :. :..\| : : |: |: |.|´ ̄ ̄ ̄`ヽ、.:.\    意訳すると、
  /.:. -‐|:.|: :.|: : |: :.|.: | : : : : |、:. |: |:. |:. :| : : |: |: |.|           ヽ.:.:ヽ
. /. : /  |:.|: :.|: : |:. 斗‐┼|.:.|マT7メ、: | : : |: l.//            |: :. |   『昔、玄沙備禅師は、三枚の白紙をイ山霊祐に贈った。
 | : :|   |:.|: :.|:. 人 : | 、 |ヽ|、 .:.| ヽ|/ |: |: :| : : |./V          |: :. |    今、但馬守殿もまた、貴方に白紙を贈った。
 | : :|   |:.|: :.|.: : : |、.!. `|__ \|  -  |/|./| : : |//          |: : :|    (即ち、これは「千里同風」の公案と同じである)
 | : :|   |/\ト、.: :.|ヽミ=='     `===' | : : |∧          /: //    故に、この白紙は、このままであれば、
. \.:.\    ヽ\|ハ  ::::::  ,    :::::   /: : :.|ヽ \______________/: //     針の頭で鉄を削るほどの意味を持つが、
    \.:.`ー----‐|: : : !、   r ¬     /| : : :.| ヽ、 : : : : : : : : : :. /      もし不要な加筆をするようであれば、
     ` ー-----‐| .: : | >__ `ー ′ イ_.」 : : /    `¨¨¨¨¨¨¨¨¨´       印可の意味を失ってしまうであろう』
             | .: : | ィ二`≧=≦ /.::/: : /ニ、
           ', .:.:.|ヽ、:.:.:.:.{  /..:::::/.::../ :::.ヽ                というところなのです。
            ∧: :|::::::\.:.:辷彡-イ/.: / .::::::: }   ...-─‐┐      これが追記されたのは、宗矩の文章への補足であり、
              /.:.:ヽ.|:::::::/⌒ヽ/ ⌒∨: / .:.:::::::: } ___ノ     |      且つ、「沢庵和尚の識語付き」という格付の要素も
.      /⌒¨¨¨7:.:.:.:.:...\::ヽ__.ノヽ__ ノイ .:.:::::::::: 〈          |      .あったでしょうね。
     /,    /:.:.:.:.:.:..:.:..「⌒⌒⌒⌒`7′.:.:.:::::::::: }        |

                              ..        __... -‐''´ ̄ ̄`'´ ̄`'ー-、
                                    __.. -‐'´'..,,_         _,...,_\
 忠利は十代の頃に入門したっていうから、     .       ブ    ""'''"~"~''''´゛゛''    ヽ
それが本当なら、慶長五年(1600)~九年(1604)頃から   /                      |
ほぼ三十年の付き合いになるわけで、      .       ノl    /  /   |  ', |      ミ}
お互いのことは大体分かっていたからこそ、         |  ./  | ノ|/|.イ .l .|/lト、i、l、| :   ミ}
こういう書き方もできたんだろうね。        .      ヽ|、|  ル'===、|ノ|ノ,.===-ゝ,ト| li ミ{
                             ..          ト、| y'´P':.、   '´P;`'ry .レ'-v'`
 忠利は和尚とも付き合いがあったし、               ヽ,| 、_l_'_ノ    、l___,レ  i,ヘ }
随分尊敬していたそうだから、和尚の識語も  ...          |    ノ        ,___ノ
喜びこそすれ、嫌がることはなかっただろうし。            ヽ.   `_ ____,     / .リ
                                          ヽ.   ー    , イ,/'′
 それにしても、印可だけでなく、                       `'i 、_____,.  '′ |.__
家伝書も与えるってのは随分思い切ったよねえ…。     ____.r-‐|     __,.....レ |
                                    /7‐‐'´''‐‐‐ヽN.,  ,.イ ̄   /~`'''=≠=,--、

744やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:38:24 ID:tHaz7rPY
       , -――- 、  /´´ ̄ ̄ ̄ >
     <_      ヽ!    _ノ´
          ̄> 、   .|    /         それについてですが、
      ,. --/   ヽ    /ヽ        後に、十兵衛が宗矩との対話の中からをまとめた伝書
     /, -―!:::../ //´ ̄`ヾ!  i       『月之抄』の中にも、忠利工夫のものが載っていることから見て、
    ..i::/   |::::.l | L /!  ,!/! .i |ヽ      忠利の兵法は、宗矩が求める兵法にかなり合致したものに
     |::!    .!:::| l_l__ レ'_|_/ /! .|      なっていたと思われます。
    ヽ丶---'ヾl :lヽ ツ  ツ'!'/ノ / 
     ` ― '´.| :|>、 i' フ,.ィ ./ー '         そのこともあって、宗矩は細川忠利を
         ,r,r'l.::l./-` ´、./:/          自身の兵法を伝えるべき相手として見込んだ故、ではないかと
      / ̄;;;;;| ヽL:/|.| /l /i           .思うのですよ。
     ,!;;;;;;;;;;;;l // |;l l.//;';;;ヽ,     _ 
    /ヾL;;;;/';/  l;;|//;l;;;;;;;;;;/  __ ノ 三>   同じ年の秋、十兵衛が呈した『昔飛衛といふ者あり』に対する
   /  /" |;;|ヽ-.!;;;;;;/ヾrL!v/.ヽ!、/ ̄   宗矩の酷評と比してみると、宗矩の胸中が色々推測できて
  /  /   ,.!;;;ヾ'´;;;;;/   !   ,. - '      .面白いかもしれませんね~。
r‐'ヾ>'_ /´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ              「愚息七郎、嚮捧兵法之一巻、怒云、一炬焼却去…」
ー‐ヽ_|_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\             とか書かれちゃってるわけですしぃ~。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,

                           .        \--------=::_
                                 _="".;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;""';
                               /.;.;.;.;.;.;.;  .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.; ̄"
 あ、あはははは…。              .  ;" .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;       .;.;.;.;.;.;.;.;\
シャロちゃん、その、それ以上は言っちゃ    /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;   .;.;  .;.;';
可哀想だから、ね?               ..|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/'|.;.;.;|ヽ.;.;.;    .;.;";  
                           ...|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/_|.;.;.;/| / ,;||.;.;|二..;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;'|  
 片や将軍家の信任も厚い大藩の主、   ... |.;.;.;.;.;.;.;.;|___|.;.;| |  "''|/  |/ | ,.;.;.;.;.;.;.;.;.;|
片や自分の息子っていう距離感というか、    '|.;.;.;.;|| | ̄ ヽ|      /`ヽ , '\.;.;.;.;.;.;/
遠慮の差もあっただろうし…。          .   |.;..;;.;|  /`ヽ     |   ヽ"  | /|"
                           .   |.;.;.;.;| ゙|  ヽ           //
 「はーい!                         \ヽ    <|      u.  |~/
  わかってまーす!」              .      |     __ ---- 、   /
                           .       ヽ  <|      /  //\--
 …じゃ、次の話に移ろうね!         ..        \ \   ノ / / |
(だ、大丈夫なのかな…?)          .       / ___丶、 ___ / /  /
                                 / |     |ヽ  /    /

746やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:40:54 ID:tHaz7rPY
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /      
//      .   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
/     ......  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
         |    (●)(─)  /;;/   …まあ、印可の件は問題ではなかろう。
        . |    (__人__)  l;;,´   それより、先ほど、島原から気になる手紙が届いての…。
          |     `∩_ノ)━・'   
        .  |     |_ノ  
         /ヽ    |  |_  
         |  \_/ ノ ヽ
         \     /_|  |
         | \ /  _/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ほう、なんだ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、| 
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

748やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:42:54 ID:tHaz7rPY

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)
. |     (__人__)     うむ…それが、板倉内膳殿からの手紙での…。
  | u.   `⌒´ノ     よくわからんのだが、なんでも尾張の新左衛門(清厳)が
.  |       nl^l^l   内膳殿の手勢に入ったそうなのじゃ。
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ○ゝ イ○ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      ………は?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

750やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:44:33 ID:tHaz7rPY

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      ちょっと待て。
//イ    / /::::、u. '´  ` ̄'|| |     確か尾張の新左衛門といえば、お前の大甥、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|     兵庫助殿の嫡男であろうが…!
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\     それが何故、島原にいるのだ?
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |      しかも、討死した内膳殿の手勢だと…?
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


               / ̄ ̄\
             / ノ  \ \
             |  (●)(●) |    正直、わしも訳がわからんわい。
.             | u.(__人__) .|   なんでも、病によって役を退き、先の望みもないから、
        r、      |   `⌒´   .|   せめて武士らしい死場所を求めて、ということらしいが…。
      ,.く\\r、   ヽ      ノ
      \\\ヽ}   ヽ     /     手紙を返そうにも、当の板倉殿は討死じゃし、
       rヽ `   ヽ  /   ァ'´ヽ    .どうしたものか悩んでおるのじゃ。
        └'`{  .   \.|   /   i    .この時期、迂闊に家の者を使いに出すと、
            ヽ、._   ヽ、_,r'   .|   .そのまま島原に居残りそうじゃしのう…。
            `ヽ、   /'  |
               `'ー'´

751やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:46:27 ID:tHaz7rPY

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …兵庫助殿は知っておるのか?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. | u.   (__人__)     わからん。
  |     ` ⌒´ノ    そこまでは書いてなかったしの。
.  |         }
.  ヽ        }      もしかすれば、致仕に際し、
   ヽ     ノ      廃嫡されたのかもしれぬ…。
    i⌒\ ,__(‐- 、    .そうであれば、死場を求めて参陣などという行動も、
    l \ 巛ー─;\   少しは理解できるのじゃがのう。
    | `ヽ-‐ーく_)
.    |      l

753やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:47:40 ID:tHaz7rPY
        _____
       /    .r┐ヽ「|
     /  r-、  | .| ./ l l゙l
   . / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |
   |   (●)ヽ     ノ ´/      なんにせよ、仮にも大甥じゃ。
    |       〉      〈_,,.-、   捨て置くわけにもいかん。
    .| .u  (__人{         .r''´   尾張には別に使者を出すとしても、
    .|     ´ ⌒|    _,.-i'´      誰か都合の合う者がおらぬかと思い返しておるのじゃが…。
   . .{       l-‐'''''''ーl }
    {   .   |´ ̄ ̄``l }
     {      .|     |.}


     |┃  
 ガラッ. |┃       ____
     |┃     /      \
     |┃三  /   /   \  ヽ     殿、失礼致します。
     |┃    |     /\    |    
     |┃    ヽ   / ̄\  /     只今、細川家より和尚様宛に文が参りました。
     |┃三,,.....イ.\       /
     |┃三:   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、
     |┃     |  \/゙(__)\,|  i |
     |┃     >   ヽ. ハ  |   ||
            柳生家家臣
            山中忠兵衛
         (やまなか ちゅうべえ)

754やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:49:56 ID:tHaz7rPY

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ほう、細川家…というと越中守様からか?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|    まさに噂をすればなんとやら、だな。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\    「はっ、越中守様よりの手紙だそうです」
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |          うむ、ご苦労。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   和尚にお渡しせよ。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/     「はっ」
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

755やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:51:13 ID:tHaz7rPY
              _____
             / ヽ____//
             /   /   /
            /   /   /
            /   /   /
           /   /   /
           /   /   /
          /   /   /
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      細川忠利から和尚への手紙
 

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ふむ…「今日中に島原に出立するので、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    直に挨拶には伺えぬから、書状での報告になり、申し訳ない」…か。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\    相変わらずマメな御仁であるのう。
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)
 |  ( ─) (─)/;;/
. |   (__人__) l;;,     流石は越中守様じゃの。
  |    ∩ ノ)━・'    和尚、紙と墨はいるか?
.  |   /  ノ´ }    
.  ヽ  / /    }      「おう、頼もうか」
   ヽ/ /   ノ

 この日(寛永十五年一月十二日)、出陣を命じられた忠利は、即日出立を決めた。
その際、柳生家に寄宿していた和尚に対し、出陣の挨拶を送っている。

756やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:53:00 ID:tHaz7rPY

 そして、これに対し、和尚もまた、すぐに返事を書いて返している。


              _____
             / ヽ____//
             /   /   /
            /   /   /
            /   /   /
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           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         和尚からの返事

 『夜前二の丸にて、御意には、
 御名代として上使などに参り候内膳大将仕候て
 城ぜめなど仕候に、いのしし武者とやらんに、
 方なくかかりにかかり候て、相果てられ候事、
 沙汰の限りとて、御腹立ちの由、傳を以て申せられ候。
 誰の上にも御分別のためになることにて候。
 俄之御上ニ被遊置候御状、一入ニ存候。
 さてもさても急々之儀、御難儀、誠世上かかる事のみにて候。
 殊武家之御身、萬事御気遣不安儀候。目出度やかて御吉左右承候。
 中庵近日先京迄可罷上用意仕候。有馬へ入申様ニ仕候て、
 今一度御とぎをも仕候様にと、われわれは存候へは、此度相煩候て、
 御とも不申候とて、あふ人ことに向候て、なき申計之由、
 以傳只今参、物語被申候。
 恐々謹言。

 孟正十五日
 細川越中守殿
       御返事                      沢庵(花押)』


 大意としては、
板倉重昌のことを例に挙げての忠告や急な出陣への気遣い、
また、直近のことの報告などである。

757やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:55:27 ID:tHaz7rPY
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、. 。ゝ イ 。ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       では、すまんが、この返事を細川家に出してくれ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|      まあ、入れ違いになるかもしれぬが…。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


     ____
   /      \
  /   /   \  ヽ   
  |     /\    |    はっ
  ヽ   / ̄\  /   
,.....イ.\       /     「…いや、ちょっと待て」
   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、 
   |  \/゙(__)\,|  i |
   >   ヽ. ハ  |   ||

758やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:57:11 ID:tHaz7rPY

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |         その手紙、出す前にちょっとだけ待ってくれ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)  わしもひとつ、思い出したことがあるでな。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/    和尚、紙と墨を借りるぞ。
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      借りるも何も、お前のものだろうが。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     で、何を思い出した?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

760やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 22:58:18 ID:tHaz7rPY

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)      新左衛門の件じゃよ。
. |     (__人__)     そういえば、肥後には弥四郎(※)がいたことを思い出したでな、
  |     ` ⌒´ノ     あやつに新左衛門の件、確認を頼もうと思うての(サラサラ…
.  |         } 
.  ヽ        }       …ほい、できた。
   ヽ     ノ  mm  忠兵衛、ではこれで細川家へ頼む。
   /    ̄ ̄ ̄ つノ  
   |    | ̄ ̄ ̄    


     ____
   /      \
  /   /   \  ヽ
  |     /\    |     ははっ。
  ヽ   / ̄\  /    では、行って参ります。
,.....イ.\       / 
   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、   「うむ」
   |  \/゙(__)\,|  i |
   >   ヽ. ハ  |   ||

 ※ 雲林院弥四郎光成。
  当時、細川家に仕えていた新陰流の剣士。

761やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:00:19 ID:tHaz7rPY

   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    …越中守様も難儀なことじゃの。
  |     `∩_ノ)━・'    上様の御信任が厚いのは結構なことじゃが、
.  |     |_ノ       それに応える為に、こうも気負わねばならぬというのものう…。
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      フッ…お前が言う台詞ではなかろうが。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     そろそろ従心(70歳)も近い歳で、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     .まだ将軍家指南役を続けておるくせに。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ 
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     さっさと隠居したらどうだ。
  /  / / ! \| |      ./!  ! |    
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 寛永十五年、かぞえで宗矩は68歳になる。
既に70も近い歳になっていたが、未だに将軍家指南役は続けていた。

763やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:03:11 ID:tHaz7rPY

 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| / 
//    .    / ̄ ̄\
/   ......   /   _ノ  \
         |    ( ー)(ー)          それができるなら苦労せんわい。
      .   |     (__人__)       
         |     .`⌒´ノ  ,r'゛ヾ    まったく、上も下も難儀ばかりじゃ…。
         .l^l^ln      } `‐=   ) 
      .   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)
          ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
         /  /    \       ./;;/
        /  /       \     .l;;,´
      . /  /      |ヽ、二⌒)━・'
       ヽ__ノ

764やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:05:32 ID:tHaz7rPY
                            ....    __/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´-、
                                 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
                                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|l::::|::::lヘ:::::::::::::::l
 あ、「その46」であった重昌からの連絡、      /::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::/|l/ |/-/≡、::::/::|
今、届いたんだ。                   .  /:::::::::::::::://(l |:::::::/    ミ/`l //l/
                            ....  /::::::::::::::::ヘヘ ( |/       /゚ l-    
 …ちょっと遅くない?              ......    /::::::::::::::::::>‐       ヘ_:: l     
                                 |:::::::/l::::/ l |           >
                             ___,,--- l/" ヘ   \        _l
                           _二___,,,,--,,, |   ヘ  :::\      /
                               ヽヽ/ |   ヽ ::::::::::>   __/
                                |   |    \ /-,,_


       , -――- 、  /´´ ̄ ̄ ̄ >
     <_      ヽ!    _ノ´      実際に清厳が重昌の手勢に加わったのは、
          ̄> 、   .|    /        年も末の十二月二十七日ですからねー。
      ,. --/   ヽ    /ヽ       .そこから考えると、届いたのは年明け以降と
     /, -―!:::../ //´ ̄`ヾ!  i       見るのが妥当かなと。
    ..i::/   |::::.l | L /!  ,!/! .i |ヽ       緊急の手紙というほどでもなかったでしょうし。
     |::!    .!:::| l_l__ レ'_|_/ /! .|  
    ヽ丶---'ヾl :lヽ     '!'/ノ /        というか、重昌から宗矩に一報があったのでは、
     ` ― '´.| :|>、 i' フ,.ィ ./ー '       ということ自体、>>1の推測ですしね。
         ,r,r'l.::l./-` ´、./:/

765やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:07:33 ID:tHaz7rPY
             .       _________./|/
                  /:::::::::::::::::::::::\
                 |/:::::::::::::::::::l/ヘ:::::\
                /:::::::::::::::::::/ /ヽ |/|/
 …そうだっけ?      /:::::::::::::::/ ゙ 。 。_
                ヘ:::(( "`u ヘ_  J  
                 ''っコ 、      > 
               ..∠二,\ ">、_/
              /    |ヘ_ >l\
             /|   ヘ | |/ |
            / |     | ||//|
              |     |/ |  |


                     ノ |:::ト  、i /   /
                     (: ゝ!-'!´>、fVr<:\ヽ
                     ,≦/: :| K:イ:|: : !:_ヾ丶:゚。 ゝ==--.、
                  /〃/:/:! !斗ゝヽ::ヾ、`ヽ}: :ハ:V´¨¨ヽ\      はい!
                    //´∨|〃j=、V⌒ゝ、ーィ⌒ヽ!: : :}:l    ヽ:}     この時期、重昌から宗矩に宛てた手紙、というものは、
                 {/{   レ´¨ }う{fr'}l   fr'} ソ|: : :Ⅳ   ノ|リ     現状、>>1が調べた範疇では見当たっていないのです。
                 ゝ、ー==|、_ノj `ー' _  `ー' r}: : |リ___彡ノ
                   `¨¨¨{´¨¨个、  l } ,-<リ: :ノゝ─= ゚        なので、この報告自体、
                     fゝ   l >‐‐イ  `Y〃
    i、_r、__,ィ个、 _,ィ=-、-tf ̄tr`ゝ ∨-ノ´¨¨  } ノ             「あり得た可能性はあるけど、
    Vーf、: : : : : ::VY´ {  ヽ `ヽ、::::::::∧/ク'   // ノ、      ノ     確実にあったとまでは言えない」
     ゚。: 、\: : : : : ∧  、   丶 \::::::::::)   /:∨イ:/: : `ー―彡'/
       、:.、: :>ー---ヘ_ヽf、_  ヽ   丶:::|r'´)く:::::::/: ノゝ__,ィ ': , '      というところなのです。
        、:、: :: : : : : : : : : :、: : `ー-....._>.....--<: : /: : : : : : : : , '       まあ、>>1は、あったんじゃないかと
        \、: : : : : : : : : : :、: : : : : : : : : : : : : : : : : :,': : : : : : : :/        推測しているわけですけど。
          丶、: : : : : : : : : :、: : : : : : : : : : : : : : : ,:': : : : : : / 
            丶、: : : : : : : :、:: : : : : :: : : : : ::/: : : : 。 ゚ 
               `丶、:: : :: : :、: : :: : : : :, ': : ,  '
                  ¨>---tr──<
              ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨

767やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:09:45 ID:tHaz7rPY
                                   ....  /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/ノ;.;/ '| | ヽ.;;.;,..;.::.;.;.;.;.;.;.;.;.; ヽ
                                     /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:.;/ノ / /ノ--、|  |;.;.;.;||.;.;|ヽ.;.;.;.;.;.;.;.;.;|
                                    ..:.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;:/    ´   \.;ヽ ||.;:;/ | / |.;.;.;.;.;.;.;| |
 まあ、宗矩も重昌も、                      .../.;.;.;.;.;.;//"';.;.;.;;"     ミヾ"_|'\.\|// / .,-; /|.;.;.;.;|/
家光の側近として仕えていたから面識はあっただろうし、  ..:/;.;.;.;.;.| / (";,;'      {::::'-,  || '   '´__''';^/.;.;|/
その縁者が…それも、直接関係のない尾張家の家臣が .......:./.;.;.;..;ヽヽ >      "ヽ_ノ       /;´' |/ ;;/
参陣してきたら、不審に思って連絡を入れたとしても     . \.;.;.;.;.;ヘ-|        `''' "     | / }
おかしくはないだろうけどねー。                  .   | .;.;.;;" |               |ヽ'_/
                                   ....   丶 ;.  |               '; /
 でも、それだけだと、ちょっと弱くない?          ......    /   \             '´ /
                                      /"'"- 、,  \       ー 一  /
                                     /      ""'''-\       ~ /
                                                  "''-;;___ /
                                                    /  '';'"

      |: : : : : :|      _―――_    /:::::::: ,,ヽ、ー―、
      | : : : : : ヽ /  ̄          ̄ l´l::::::::::ll: . ::|::::::::/
      ハ : : : : /               \ーフハ´::::::/
       \: /     _――――_ _   ` ´/ |:::Y/|
        /    / ム-+x、   || 」 -|-l_l- /|  |ー―´
     ___\/| ̄|/l/  V |   |Y | .V .| .||. |   | /|ー―、        はい!
    /   __| . | |||/   ―、 \  |.Vー   V | |   |/ー‐ 、 \      なので、今回のこの謎…
. . ./  /   .V | . |.|. .,,==≡=  \| =≡==、、| |.  |     \ ヽ   
 / /     Y  | ヽ" 〃〃   ′   〃〃 ゛|/|  |      ヽ . Y     「何故、重昌から宗矩に対し、
. | /       /  |ヽ ゝ..   | ̄ ̄ ̄|     |〆  |       |. . |      連絡があったのでは、と推測したのか?」
. | |       |.   |\|      |      |    /z|  |       |  |
 Vヽ      .|   |ノ. ノヽ   ハ   /   /`、|  |        / /     について、推理しちゃいますよー!
  \\ ___.| .   |/   \  `―´   イ.  \|   |____/ /     
   ヽ、.___|.  .| , -、 、  `ト.―.イ´   、 _/ .   |___/
         |  Y´  ィ‐、ヽ\|__|//へ´ \  |             「あー、そういえば、シャロちゃん探偵だったね」
         |  |  ´ , へ'  /O: :ヽ 、へ  ヽ  ヽ |   
        λ ハ   ´/ `;-|: : .:.:.:|〈ハ  `   / |
        /:::V| ,ゝ、   /、 ヽ: ::::/〈ヽ   /   ハ
      /::::::::::y´::\   / / ̄´\ー‐ イ /\ /::::\
     /::::::::::::/:::::::::::::\/ヘ//|:: Y´イ;|  /::::::::\::::::::::\
   /ー‐rー´:::::::::::::::::::::\;;;;;|/::|:::/;;;;;/::::::::::::::::::::\::::::::::\
   (;;;;;;/;;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\l:|::|`ー/:::::::::::::::::::::::::::::::::\ー―
   \:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::|::|:::|:::\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\´

771やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:13:55 ID:tHaz7rPY

  /,: ´',.´‐" ̄ ̄ `ヽ: : :\ //: : : : :/: : : : /  \     ', /\/ /    キーになるのは、ズバリ!先ほど話に出た
. //:/;´         \: /: : : : : : / : : : ∠ ---‐ - `z    '|_,./ /    「雲林院弥四郎」なのです!
.'/: :/:/            〉ヽ、: : : :/: : : :/: : : : : :/: : : : : :` ュェ〃 }/
|: :/: :|           {: ヘ: : : :/: : : :/: : :/|: : :l: : : :/: :/: : : : `〈ー _____ , 実は、先の話になるのですが、
{: :{: : |           |{: :`: : l: : : ::/ハ: :,' ',: : l|: : :/: :,' : : : :l: : 、ヘ |: : : :',   .この後、弥四郎は、忠利に従って島原に参陣した際、
',: :{: : ',           {::V⌒y: : : :イ:{ ヘ:{ ̄,ー:h‐-|-/, ::: : : j: : :}: v: : : : :l   幕府上使・石谷十蔵のところを訪れているのです。
.ヘ:',: : ヾ、        /{://´i: : : / l:|  ヾ \{ ',::l゙l:l |: ::: : :,': : :}: : : : :|: ::| 
  \: : ヾミ、ー. . .--‐. .´: : l{ 〈 |: : :{ ≡三ニ、゙ ー ヘ{ リ l: : : V: : :/: :}: : ::l: ::l   その理由として、
   `゙ 、::_ヾ:ヽ: ー::‐.,::,.::"´ヘ .`|: : :{   , ,`ヾ      ',: ::/,',: :/: : l: : ::|: ::l  「先祖が同じ二階堂氏だから」と言われてますが、
       ` ゙ ' '"   _/∧‐|: : |l          ー-V /: X |: :ハ: : :j:/l|   調べたところ、雲林院氏は工藤長野氏の末裔で、
                ̄、 〉{: : l',      .   ,  zミ、 "´,. ,,'j::/l }: ::j/ .|   二階堂氏とは違うのです。
          _,. '"`"`ー\ ヘ: : ',     ヽ _   ' ,.`}リ/:///l j: ::/     それに、それが本当だったとしても、
       , -‐ ´   ,,= 三z-ュ\: \         /  |': ": : :y,}:/|     そもそも幕府上使に対し、外様大名家の陪臣が、
      ´     y/ /::::::::::::::::::::ヘ: :ヘ       ノ   |: :l: : ":j       「先祖が同じだから」という程度の理由で
   /     ,, " /:::::::::::::::::::::::::::::::',: l:}` ‐ ー "     |::j |: : lj       会えるとは到底思えません。
  /     〃  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}: |ハ         |::| |: : | 
/     ,, "  /:::::〃::::":::::::::::::::::::::::::|//リ            |:| .| : :l        つまり、他の理由…
   ,, "  /:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::{'::/::`..、       |:| .| : :}       『「弥四郎」が「石谷」に訪ねなければならない
 ,, "  , -‐´:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:::|::::::::::::::ヽ     |:| |: : l       「用件」があったんじゃないか?』と思われるわけです!

                              __/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´-、  て
                             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ  そ
                            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|l::::|::::lヘ:::::::::::::::l
                            /::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::/|l/ |/-/ミ、::::/::|
                            /:::::::::::::::://(l |:::::::/    ミ/`l //l/
(おおっ、なんだか本当に探偵っぽい!)   /::::::::::::::::ヘヘ ( |/       /゚ l-  
                             /::::::::::::::::::>‐       ヘ_:: l   
                             |:::::::/l::::/ l |           >
                          ___,,--- l/" ヘ   \      _ _l
                        _二___,,,,--,,, |   ヘ  :::\      /
                            ヽヽ/ |   ヽ ::::::::"-,,_____/
                             |   |    \ /-,,_

772やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:16:01 ID:tHaz7rPY
                   ∧_   ___,ィi
                   丈_`Y´__ ,ノ
               , r<才´    ̄\>x
             /イ「/        ∨二ヽ
            //二/            X二lハ            そこで、宗矩による
            _//二/   .:.:.:.:.:.       X二}ハ―....、
          /,:≦>^ ´´ ̄     ̄`ヽ、   ./\_}__} ̄ヽ:::ヽ       「清厳がどうしているか確認して欲しい」
         ∧:/ /    __      .:.:.:\/::::γ¨',‐ ┐ .∨:!
.       /:::/ (     イ:|/ ゙̄` ー――<`ー‐ゝ-':::::/  |:::|      という頼みがあったとすれば、
      i::: '   `i¨:「l : :|::|从从ヘ   トト、|从 メ、::/ }|::::::〈   j:::|     この弥四郎の行動に、妥当性が出てくるのです!
      |:::|    l l:|:l : :|::|rやみミ\乂 rやみl:::!从/ ̄   /::/
      ∨::.、   从|:|:Ⅵ::| {ヒ.xリ     {ヒ.xリ|::::l从.__ //       何せ、重昌の方は死んでいるわけですから、
       ヽ、:`ー ::::::_ノ|::ト、ゞxx" _'__ xx゚ 仆:リ`ー―一'´        次に聞くとすれば、清厳を重昌に紹介した石谷に、
.            ̄ ̄´   Ⅵ ヽ     {_,ノ   ノ/::/              というのは妥当と思われますし、
                    Ⅵ  `>r- -イ ./::/              宗矩の頼みで、弥四郎が石谷のところに清厳のことを
                ∨Y^ー'´\/`゙/::/‐-、             尋ねに行ったとすれば、石谷も無下には断れないでしょうしね。
                ,。人ヘィ⌒Y⌒Y´j::::jー-、.:.、
                /.:.く ∨x {  } |::::| /.:.:\           そのことから考えると、
                / .:.:.:.: .`<∨:}人..,人.」::::{_,>.:.:.:.:.:. \         その宗矩の依頼の元となる、
          /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ノ:ノノiO :l 乂V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \       重昌からの連絡があったのではないか、という
       _∠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./    |.:.:.:|   ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\_    結論に至れるわけなのです!ワトソン君!
      /⌒ヽ、\ .:.:.:.:.:.:.:/_/\ |.:.:.:|  _ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.://⌒\
     く⌒Y´∨\、\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'::ト.!.:.:.:|/}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ /ヽ ノ⌒ソ
      \/`ヽ/ `ー、`ー:、_/::::|.:.:.:.:.:.:.:.:{_.:r‐' ̄_,/{ヽノ´/´
        /.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ/`ー―〈:::::/O.:.:.:.:.:.:.:}一' ̄  ハノ⌒.:く
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /`/ー'^ー、∧j≧==--ハ´ ̄ソ⌒∨.:.:.:.:.:.:.:\

            ....       _________./|/
                   /:::::::::::::::::::::::\
                  |/:::::::::::::::::::l/ヘ:::::\
                 /:::::::::::::::::::/ /ヽ |/|/
 わ、ワトソン君?      /:::::::::::::::/ ゙ 。 。_
                 ヘ:::(( "`u ヘ_  J  
                  ''っコ 、      > 
                ..∠二,\ ">、_/
               /    |ヘ_ >l\
              /|   ヘ | |/ |
             / |     | ||//|
               |     |/ |  |

776やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:18:51 ID:tHaz7rPY
                    ト、__   __ノヽ
                  _..ゞ--― `-´-- .    }
                  ,   チ: : : : : : : : : : : : : :ヽ<           あ、ごめんなさい。
             / /: : : : : : : : : : : : : : : : : \\         つい、お爺ちゃんのマネが…。
             /  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ \
           /   ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/\=.ヽ       でも、推理としてはこんなところなのです。
             / / i: : : : : : : :_: :-: ―:-:- : : _ : /::::::ハ  〉ー 、   あと、宗矩から兵庫助に対し、
.            |/  ! /:> : ´ : : : : : : : : : : : :`:|:::::::Y⌒Y :::::::/   連絡をしたかどうかについては、
.            |   /Y´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :|::::::弋_ソ:::::::/    これも推測になるのですが、
          乂/ /: : : : :_;斗孑 T  ̄| 下} ̄く― '::::!|::\/!     あったんじゃないかと思われるのです。
.            `Y´ >イ|´ ヒノ ,乂八  | lノ  |\:::::八::::::::;ゝ
.          ,  ´| ./  N /二ミヾ \! 彡二ミヽ ト'  | ̄ \     ただ、その頃には、
          Y / |∧  { 《 fci::。iハ      {ci::。i::} 》| リ|\ ハ   既に清厳の遺言を持ち帰った小者が
.         ,′{   弋 .八 弋::::: c|    弋::::::ツ ノイ|ノ  }  }   尾張家にも戻っていたでしょうから、
        i 爪     | \ゝ'つ¨¨´///////`¨⊂゙ ハ |     爪.リ   また兵庫助が爆発するシーンを書くのも
         八 ! ヽ、__|  八              ,.イ  |___ノノ /    気が引けるので、省略しちゃうそうです。
           ヽ.._`ミ |  |> .  ‐-   . イ: :|:  !___. イ
.               ̄∧  |: : {  `T冖T´   }: :.| ∧
              /: :ヘ  |: : :〉  弋:::リ   イ: : リ/ ∧

                                     ......     ゝ` ̄ ̄ "''-、
                                           /:::::::::::::::::::::::::::::\
                                          /:::::::::/l /l/ |___、:::::::::ヘ
 まあ、嫡男が討死した、って衝撃を受けてるところに、    .....   |::::::/|==_ | '"'ィ=、l:::::::::|
仲互いしている宗矩から                       ...   ヘ:::|シ"| i   _し  |__ .|  
                                     .......    ゝ| ` (l   u _//  
 「新左衛門が島原に行ってるそうだが、              .     i  --    ノ
  どういうことなのか?」                      .....      `- 、_ -"__|
                                     ......       /| /\  -"- 、
 なんて手紙が来たら、またキレるのは目に見えるしねぇ…。      _,-" ( ̄/"∨"  / ""ヘ
まあ、とりあえず、次の話に移ろっか?  .                 /'|    >.l     //    |
                                          | )  / |      >  |"""|
                                         //  /  | ___,--,_|   l  l

777やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:20:48 ID:tHaz7rPY

 さて、ここで視点は変わり、島原への参陣を命じられた諸大名たちの動きである。

/// /    /  /| ∧.  l  l〉,  j.  `ヽ、| `ヽ、  |   ヽ
l /〃  / l  A、リ / l /,〉 .レ|  ,r‐'_,ニニ| lニ=ァ .}  /    |
 .|l |  /!    リ\ <  // (_|.リ l /./´ `ー-‐リ/´ / /ヽ   |
  ヽ! / .l ト、.ヽr'彡r,\′ 〃 /イ `ー― ''7´ __ノイ   }    l       広間にありったけ金銀を出せッ!
   l l  ヽト `ー Y  `ー ,}! /  ′     ノ       /   ,/ヽ
   ヾ、  ヽ、 ,ノ`ー‐'´ i                 /  ,/ ノ /    家中の者どもに好き勝手に取らせて、
    `    .7 i.   ノ三           ー==彡 '´  /_/ (    即刻、出立の準備をさせろッ!
       _ノ,ィ/ l. i´  `ヽ                /´  / `
      ̄ ̄ / , l ゝ-、 '´'                    /ゝ-'    準備でき次第、江戸を出立するンだッ!!
        .l ./ .l   (_ノ   _____、          /
         l/l. ∧  (` t‐'´ ,、_,.-‐' ̄´ i           /        「「「応ッッッ!!!」」」
         | / 〉,  `V` ̄      /j          /
        ー―'' ´ ヽ  l.  _,.. ェ>'´        //       
              ヽ iゝ┴‐''´ /       /´ ,'     ,.ィ
               ヽ ゝ--‐‐'       ,/    .i    / _
                ヽ         /     l  //´
                 ヽ       /       l / /
                  ヽ、__,,. <´ ̄ ̄丁`i 、 |'  /
                             |  l リ ,/

 家光より島原への参陣を命じられた当日、細川忠利は、即座に出立の準備を始めた。
また、他の大名達も、同じく出立の準備を始めている。

 特に、忠利の場合、この下知の来る以前から、
自領からの報告を頻繁に出させては目を通し、幕閣とも相談を繰り返していたといい、
そのことを踏まえても、以前からこの出立に備えていたものと思われる。

780やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:22:36 ID:tHaz7rPY

ノ〃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〃彡イ;;;ィ;;;;;;;;;;;;f | レ';;フtl;;;l` ヽヽ、ヽヽミ;;;ミ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;
;;;;,,r''"^^`''ヾ、;;;;;イ彡ノlil^l;;;;;;il;;;lミr;;:ヘヽ ゙i l''   ゝ=>、ヽミ、;;;ミ;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;ミ  何  ゙il,;;;;;;;/l;;;l l;;ィ;;ハ:;;l `´ ゙ハ l l' ,,.r''"´ ̄,ニー, ヾ));;;ミミ;ゝ;;;;;f
;≡      ≡;;;/,,ノl;/,ノ lリ ヾ゙i   リ ゝ/ 'f    (:::ノミ   l;;;;;;巛)リノ;;; ヤ
;≡  を  .≡f==ナナ''メ、  ゙il,   /  / 丶- ''"´    /;;;;;;;川シ;;;;;;  ッ
;;;;ミ  !?  ,ツ;;リ /リ   ,..ゝ、 リ    /          /;;イ;;;;ll;;彡;;r'" て
;;;;;;ゞ===''";;;;;l ノ ,.r''"`''ゝ、. ll   ノ         ,,.ノ'"ノノ;;/r〃"  や
ン"フ''彡彡;;;;;丶  イ   (:::ノi /         ー一''"´ ''"彡シ fr'″   .る
,,r''";;;;三テ='''フハ  ゝ- '"´ l          、,,__,,,..ィシ´  li′     さ
ゝ=,;''"^^`ヾ‐'"rニ;ヽ    ,,ノ           ` ̄´              :
;;;;f´ 出  ヾ三ヲ;;;ィ゙i.    f    ,..、                        :
;;;ミ   .  彡;;r''"ノ;ヽ  丶-‐、 ' "′                 ノ  :
;;≡ .陣  三;f三彡ハ     、_,.       .           /  ッ
;;〃、  .  ,シ;;r''"フ彡;;;;ヽ      、,_,,:r-、、__,,.、          /  ッ
;;;;;;ゞ、Wンツ";;L,,ノ;;;;;〃;;;;;ヽ、   ノ ,,.:ィ"^ ,r           ,ノ

 そして、将軍家よりの使者を迎え、出陣の祝いの言葉を受けたり、
参陣に際し、公儀の舟を用いて構わないとする許可などを受け取った後、
一月十二日当日、申の刻(午後4時頃)には、江戸を出立したという。

783やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:24:13 ID:tHaz7rPY

 そして、江戸出立から僅か6日後の十八日に伏見に到着。
江戸から京にいた父・三斎(細川忠興)へ出した手紙よりも早い進軍であった。

   厂`¬、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    ‐-       }  }        }
 ノ^´    `く二.._ ̄ ̄ ̄   --  `二.._ー- 、ノ       /
/        〉  \ ̄ ¬__   |      ̄  =‐- 、  /
   .ぐ       、>、 ー- 、l |N l 下、¬ ┬==≦二二フ´ `V'^ヽ
   ぬ     j x=仕示ミy之乂! |小 l  廴 元''云ミー彡' jj{」 i
   ぬ    .〈{{  V込ノトミvヘ、l l ! l |,.ノじiィミ冫}    ,!|   l|      し、仕方ない…。
    :     .ノ 丶 `二´ ノ V八トl、 l  !、 `二´ ノ   , l|{」 |     俺からの話は、後から使者を出して伝えよう。
    :    { ,.イ '''  ''゙゙      ト、 l 、l ''''   ''''″  / !!  i|
          冫 フ /′       l ヽ 丶   }j   / ||{」 i|      …しかし、あいつ、
         r'´ン′ノ〉 j    u   l  \ \    /  j|   i|     病み上がりだってのにこんなに急いで大丈夫なのか?
`下ミ辷ァァ'´   ̄´ / {ノ        |    \ \ゝー'  |l {}  j|     超回復?超回復なのか?
 ,|  {」 l|   ー< u           }     `ー' `'フ  j|   リ
/ノト、    l|     `7       、^"´      J u/  ,イi{」i}∧
〈/l ヽ {} l|    `く ハ   ,...、__,...___ ______ 、__ノ ,イ |l {} / j
//  ∧ リ      ヽ..ノ} ` ̄ ̄___ ̄_ ̄´   `7 / j }|l/ /
 -‐ ´ ∨  〈\__/                // ノノ ヾ...ノ
` ー-'´    从     \           // 彡'´=彡'′
               細川三斎(忠興)
              (ほそかわ さんさい)

 そのため、忠利の出立を知った三斎が、
「では、京で逢おう」と問い合わせの使者を出した頃には、既にすれ違いになるなどしている。

785やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:26:43 ID:tHaz7rPY

 そして大坂に着いてすぐ、それまで交誼を結んでいた大坂船手頭・小浜光隆や
播磨室津の旅宿主・名村左太夫などが、忠利のために早舟を用意してくれたため、
忠利はほぼ最速のペースで島原へ向かうことができたという。

            _
        ノ |_   ll__l---||_ 
      rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐ 
      |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl    まさに良い船(Nice boat.)です。
      |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
      l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /     さあ、どうぞ!
   f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
   ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~
     `ー~´~~
       【早船】

                、_ヽ、、_,,y
               -‐ヾ;;;;;ヾツ;;;;;彡_,
              ヽ彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''<,_        _______
             `゙シ;;;;;;;;;;;;;;、;;;;;ッ;;;;;ヾ;;;;;;;;ラ.      /
              彡;;;;;;リッヾ`ソリiiヾ、;;;;;彡     |
             ノミ;;;;/´-゙'。、ノ ノ-。、iヾミ、     i  いやいやいや
              リi;;;ミ. `ー '  _`ー' iミ、,   ー='、
              ノ彡ヽ    -' u .!`       |   ちょっと待て。
            __ノ''゙゙´\J ,-‐、・ ./\__      |
            `ヽ、 0 ./`ヽ、 ̄_/!`!) `ヽ-,   \_
         _,ィ-‐=´ ヽ. 〈  ヽ  ̄ / _/  /´`'ヽ、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ----──--     /  \‐-、 ,r‐''´./ /     \
  --──ー--/`i─--   ̄ ̄ヽヽ ヽ  ノ ヽ       \
  /ヽ__   / ./!    /ヽ   ヽ\ / /´      fi   i
 ./!ヽ!__ / ! |   .// /      V  '        |i!  l
-チ/ fヽ二=/ / i ̄ // /-、     |         ..::!'   `ヽ
.┼=| i-- (( ⌒! /´、 ( ./ ̄::....  /        ..::::::/ /   ヽ
 .!  ヽ )  〈 '' !,ヽ、!  |/     ヽ ......    ::::::::ノ::/
 .ヽ、  (  /   ij ヽ  i'  ....:::::::::::ヽ:::::::::::..........::::::ィ'/:..
二二=====── |  〈..:::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::ノ\::::....
  )vナ ( ヽ、_ノ`'ヲ‐'' ) ::::::::::::::::_,,,./:::''     / ヽ`''':::::..
  ヽ〈 〉:::::     /、  |:::,,::--‐'´ i /      ノ  /´ヽ::::::

786やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:28:53 ID:tHaz7rPY

 そして…。

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二二二二二二二二二二 二二二二二二二二二二]
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  | 
                【原城】

787やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:31:19 ID:tHaz7rPY


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        ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::シ                            匕::::::::::::::::::::::::::::::::::::シ     (    )
      丿`  ̄ ゙ ~  ̄ ` ̄ ´i                              i ` ̄ ゙ ~  ̄ ` ̄ ´\     )   )
     r´            }                             {            `ヽ  ノ  ノノ
     ト-‐ '´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`' ‐イ ∠ノ ゞ゙´、
     `────────';.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.'────────´        ザッ
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:

788やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:33:31 ID:tHaz7rPY
  / ,r  l i!   ハ ヾ;;;;;;;;;;;l  ヾ;;;i!;;l ´_
 / /  l l!  川 _,lriナ卅''ア ゙i;;ll;;l
  / /   l   l!'゙´ ト;;;;_ェ土リ、l;;ll;;l
  /   l   リ  ハイ:::::}゙ン ヾjリ
  イ    l l  /,! / l;;`Tヲ´  /,ヘ       おや…随分お早いお着きで。
 リ    l l! ,! l /  l;;;;;;;;l   ,リ′\     流石は、上様の御信任厚いお方だけはありますな。
  j  ィi ノ/ ,イ //   |;;;;;;;l   f'    ,>
  ll / ,! /,f ハ//   |;;;;;;;!   l  イ´
  リ〃!/イl /゙Y/i!   |;;;;;l!    _,,._,〉       「はは…、そうかな。
  !/i/〃ll / 〃    !;;;ノ  ー ''´ ,,j        でもまあ、それよりも…」
 レリ//ハLイ`i !    l;;/      |
  川'ノ ▽ fil!  `丶!;ト;;-;ァ::,,_,ノ
  ▽‐- i、 _▽    l;! ,ィイj
  /     7ヽ、、 jLf/ ▽
      松平伊豆守信綱
(まつだいら いずのかみ のぶつな)

789やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:35:16 ID:tHaz7rPY
           `i,;;ノ);;;;;;;;ノ-ノ;;;;j′  );;;;;j   ゙i;;;;;;;;;;;;;;;l ゙i;;ll;;;l ヾヽ;;`i,.;:‐----=l;
           ゙i,;;彡;;;;;;/フ;;;;:-、`ー-=ノ;;/   l;;;;;l;l;l;;;j'  j;jl;;;l,,,.ノ;;ノ;ノ,ィ'''"""゙'''l;
           ゙i;;;;;;;ノノイ   `゙`>;;ノ、   i;;;;;;/;;;ノ ,r'/;j;;;-ナ;;;;j'"      j;
            lr'_f'ニニ二二ニー、  ヽ、  ノ;;;/;;;/  7;;ノ /;/,.=-‐ニニニ-ナj
            lフゝ、  ゙ヽ、::::::>ヽ、 \,/;;;;;;/ ノ'" ノィ'",,f'"ゝ、::::::::.ィノ``
            l.  `゙゙``''''''''''''ー='′ ノ;;;;/,,.ィ'´       `ー―--ナ=="
 戦してェ~~   j           _,.ィ"ィ" "´          ,,..;;::''"′
           ハ        `~゙^"~´   i
           ノ、ゝ               l
          人_,゙i             ,j;;,,,                  ノ
            ノ、 `i,              ノ''''''''''''   、             ノノ
        ,/;;;;ヽ、 j、          (       j
     ,,..ィ'";;;;;;;;;;;;;;;`^;;i           ゝ、  ,.:ー''"
―‐='''"  i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ      ,.     `iー''i
      ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙t     (、,__,,.ィ'ー-t..ノ、.,__       ・
       ``j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙i,      ``ー<("`ー-----`、,___,.,.;:ィー
        /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lヽ.        `i`ー=:;、__,,..=-‐フ''"´          /
      _,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ヽ、      t、       ,r''´            ノ
  、_   彡ノ;:イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;::」  ヽ、     ゙`ー----‐='´            /
   `~゙`^"~´ _,,;: ィ''"´  j′   \    ,.ィ'"~~~^`ー=、         ,.:ィ'"
    _,,..=‐''"´      ノ      ヽ                   ,.ィ"

 こうして、寛永十五年一月二十六日、細川忠利は、軍勢を率いて島原に着陣した。
江戸を出て、僅か14日後であった。

 重昌や信綱が大体1ヶ月弱掛かっていることを踏まえると、
ほぼ倍のペースの強行軍である。

790やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:36:54 ID:tHaz7rPY

 そして──

        ,   /:::::|/:::::::::::`/::::::::::::::::::'ー―-....、
       /:! /:::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /:::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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    ヘ  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\_
    !:::\_!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::::フ
   , \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;/
   \::::::::::::::::::::::::;::-:‐Z_:::::::::::::ノ::::人:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/__    へっ、俺もいるぜ?
     \::::::::::::::〈 へ_\ー-'7/:/_ ̄ⅰ::::::_::::::::::::::::::: ̄:::::::::::/ 
     <:::::::::::::::::! ! !_J.、 .ヾ_/ し」 |´  |:::「 ヽ:::::::::::::::::::::::::ノ´
        ̄Z::::::::| `ー' 〉    `ー―'  |::::レ´7 |::::::::::::::::::/
          _|  r‐'      ‐-、__j::::/ ノ /::::::::::,-‐'
            .!  `          ̄''-' _,,/:::::フ ̄
            .ヽ、 ー-――'`   /  |‐-、'
              \       /   |  \
               ,‐ヽ___,/     !    i_
             /  」          |    |_
           _/    |          /     .|   ̄`ー-、
    __,-―'"/     ノi        /      |      `ー- 、
  ノ´      ./     ト-、   _,--ィ         |     ,    ヽ、
 /       ./      |  '  '"   |         |    /       i
                立花飛騨守宗茂
           (たちばな ひだのかみ むねしげ)

792やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:38:14 ID:tHaz7rPY
               _,...-――‐-...,
           ,.<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ,
           /:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
        /:.:.//7` <__,.ィ<`ヽ`ヽハ
        ,':.:.:{ / /  ィ' / ヽ  ',  ヽ ',ハ
       ,:.:.:.:.7 / _ 〃/  ,}  !   ! ,j:.:',
       |:.:.:/ /ー --く  ./ _ リ  ノ ヽ:.:!
      ,-{:.j"r'ニ!ニ=ー、__, Y/´ _,ノ-‐へ, }:.j、
      /ハ!{ ィ弋ニ≦ーリ ! =}=ィ=r‐ィ彡!f,ハ
      ! i ハ {`7ーr‐へ`r‐{ `fー二_ィへイ:.! i|       わしもな。
      ∨イ:.! ゙, ,    イ i ヽ   //jハj
      〉、:.:ト,"  ヽ/ / !  ィ、   /,ィ 7 /
     //`/:.:i ヽ / r `ーr '´ ヽ ,///´:!
    / / /:.:.:.:!、  !  __=_  !j/ /:.:.:.!
   ./ / /:.:.:.:.:.:.:ト i ´ __ `/  .イ:.:.:.:.i
     / /:.:.:.:.:.:.:.:| \  ´ ヽー   / |:.:.:.:.リ
    ./ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.!   `ー―― --=´  !:.:.:./
   / i:.:.:.イLr‐r{     {   /    /!:._/
    jr=´三!:.:{ ',       ヽ i  / / レリ!三>-,__
  /三f三三|:.:.! ヽ     j  ! ,イ f / /:|三三 ハ三三
/三三!三三|:.:.ハ ヽ   j  / i  / /:.:.|三三三i三三
三三三|三三|:.:.:.:.,   ', _ /  'ー  / /:./!三三三|三三
           鍋島信濃守勝茂
       (なべしま しなののかみ かつしげ)

794やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:39:07 ID:tHaz7rPY

             _,. --――--―――-、
           ,ィ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ̄ヽ
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ミ、
        ∠::::::::::::::::::::,、、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
       ,ィ':::::::::::::::::;r'ー '--<ミ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::そ、
      ,イ::::::::::::::/l:/       ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::トミ,_
      /´!::::::::::,ィ=メ、      ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'、
       ノリ:::::::l-,くヾ;       ゞi、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{!:l
        /l::::::〈! ti>il!  ==≡キtl::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::ノ     俺も忘れてもらっちゃ困るぜ、
        l,、::::l`'≡シ/´  z三tュ、!゙i::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ!
        l ヾ::l  / ′   ヾミ.`ニ_ン!:::::::::::::::::::::::::::::::/l
         ,リィ/  .:.:        ti::::ィ:::::::::::::::::::::,ト
          (_ "ヽ       | レ'イ!:リ,::::::::::::イ    
           l、_`゙´  '' :.、、、.,、   八 'ルヘk从    
           | `ヾ二ニ=--一,;:;:;:ツ′  ,ソ  ヽ     
           '、;. ゙'ー--   ,.:ッ'´    /    l
           `''‐ 、 _;_;_;::'"::  .: /      ト-- 、_
            ,. - '´l:::::::::::: .::/        '、   `丶、、
        ,. - '´  .:.:.l:::::  /           ヽ      `
     ,. - '´     .:.:.:入 /        _     ヽ
  _,.ィ_'´-―‐     .:.:.:/:/      -‐ '´__,. -‐- 、 {、、
て -――ァ―,、   .:.:「~´   _,. _,. -‐┬'´○ /    ``′`丶、
     /二7/    :/     ,. '"´    /    /
    ,《--ノノ   .:/    /     ノ ○/
             有馬玄蕃頭豊氏
         (ありま げんばのかみ とようじ)

798やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:41:15 ID:tHaz7rPY
                   ,─、
                 ,─ ̄ ̄─、
             _∠_____\
            Γ ________ ̄┐
            | │l てハ   / ( )/│ /
            / |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~  |      コーホー…。
           / | |         |   | |    見える…全てが。
           / | | |        |  |  |
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/   |         |___| |____|____|       |  \
UUU            |  \   _/  |           UUU
               |    7 ̄\   |
              黒田右衛門佐忠之
          (くろだ えもんのすけ ただゆき) ※


     ,─ ̄ ̄ ̄─ 、
   /  ───、  \     駄
   | ̄ ̄    /     |     目
  | _     J \     |    だ
 | ̄├| ̄ ̄|──\─、 |    ぁ
 |_/ |__/     | /| |    :
  / ヽ   〃    / //
  |  __   u.  /| /
  \ |   ヽ      |/
   \ ̄ ̄      |
    \    /   |
      `┬┬───-┐
       ГT ̄ ̄ ̄ ̄|
     忠之の近習

 …他の大名家当主達も、島原に軍を率いて続々と参陣し始めたのである。


 ※ 前回、「筑後守」としていましたが、
  この時期はまだ「右衛門佐」名乗りだったとのことなので、訂正します。

802やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:44:30 ID:tHaz7rPY

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 そうして彼らに率いられ、原城に集められた軍勢は、この頃には十万を越え、
一揆衆側を干殺し(兵糧攻め)にする方針の元、原城の周りを完全に包囲していた。

803やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:45:28 ID:tHaz7rPY
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804やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:46:34 ID:tHaz7rPY
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三三ミミ   彡=三 ,ニミ 丶、、
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::::::::::ヽ l!  '彡'"´,:'゙三ヽ ,}:.:..  ..:.:.!、l l ト、',
:.:.:.:::::::l l     、,_辷''彡',ィシ!:.:.:.:.:.:.:.l ト.l l l ヾ     さて、上様のご認識も改まり、
:.:.:.:.:::::l '、     ` ̄ ̄´  l::::::::::::::l lヽ!リ  'i,    兵の数も揃い始めた。
:. :. :.::::!                 l::::::::::::,' l /l/
: : :.:.:::l             l::::::::::,' /        では…仕込みを始めるとするか。
: : : :.::l               /:::::::::/ /
 : : :.:l             / l:::::::/ /    
    '        _, ,イ  ,':::::/ /
‐- __  -vwャッ'",.イ /リ ,!:::/| /
 、 .,__,. - '"´/ l_/ll /!:/l_l /
  、 ,,,_,,, .  / .:: ,|_7l/トL!▽,'
丶、 ___ ,. '"  .::   トL_l_,ィ"lリ
          .::  ,/   l
         .::  /    `'ー- 、、
         .:: ,/    ,,:::'"    l`` ―- 、、
        .::/   ,,:::: ''    l:.:.:.:.:.:.:\`丶
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`>‐'^ヽ,__/  ,, : '"   ,,.:    ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
      ヽ、 '", -  ,,::''"    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.


 こうして、この島原の戦は、次の展開に向かうのである ──

806やる夫で学ぶ柳生一族(その49)2011/05/08(日) 23:52:30 ID:tHaz7rPY

  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
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   /  ヽYノ    
  / r''ヽ、.|     
  | `ー-ヽ|ヮ    
  |    `|     
  |.     |     
  ヽ、   |     
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  |   ` ⌒´  |  
.  |        }   
.  ヽ       }  
   ヽ     ノ    

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その49) 「九州大名出陣」】 完

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[ 2018/03/11 22:00 ] やる夫で学ぶ柳生一族 | TB(-) | CM(0)
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